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また会えたなら  作者: 気長 似各世
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プロローグ

人生で初めて書いた小説なので至らないところがあると思いますが、よろしくお願いします

しんと静まり返った病室で1人横たわる私、的場よしひこは恐らくもうすぐ死ぬ。

身体中に張り巡らされた電極に腕には点滴用の管が刺さっている。

医者が言うには俺はガンらしい、ガンが見つかったとには既に全身に転移していて、手のつけようがなかったらしい。10年前に妻を無くしてから、働くことにしか興味がなくなった俺の最期らしい死に方だ。

でもそんな俺にも、唯一の希望があった。

それは

「遅くなってごめんね、お父さん。」

そう娘の菫の存在であった。

今はもういない私の妻、亜里沙が1週間考えてつけた名前

娘の菫は今年で16歳になる高校1年生だ

「今日は部活が長引いちゃってね。それでね!今日先生がさぁー」

菫はこうやって毎日私の病室に来ては、看病をしてくれて、私が退屈しないように今日学校であった話を楽しそうに話してくれる。

本当はお母さんもいないから家事も一人でやっていて、大変なはずなのに。

本当に強い子に育ってくれた。妻に似て

「はははは。それは大変だったな。」

「でしょー、全くだよー。」

一通り話すことが済んで少し病室が静かになる。

「そろそろ暗くなってきたし、そろそろ帰りなさい。お父さん楽しかったよ。」

「いいよ。夏だからまだまだ日は登っているよ。」

「そうは言っても時間が時間だし、明日も部活動があるのだろう?お父さんは菫に元気でいて欲しいんだ。」

「そうだね。お父さんがそう言うなら、今日は帰るね。」

「そうしなさい。」

そう言って帰る用意をはじめた菫。

そんな様子を見ながらふと考えてしまった。

俺は菫を幸せにしてあげてたのだろうか?と

幼い頃に死んでしまったお母さんの分まで愛してあげれていたのかと。そう考えると、胸が少し締め付けられる。

そして用意が終わったので、ドアを開け帰ろうとした菫に聞いてみた。

「菫」

「なに?お父さん。」

「お前は今まで幸せだったか?俺は十分な愛を与えてあげれていたのだろうか。」

少しの間が空いて、菫は言った。

「なにを言うのかと思えば、そんなの。」

そして満面の笑みで

「幸せだったに決まってるじゃん!」

それを見た私は急に力が抜けたような気がして。胸が締め付けられるような感覚もなくなった。

「そうか。それは何よりだ。」

「それじゃあまたね。また明日来るから!」

そう言って菫は病室を後にした。

そうか俺はあの娘を幸せに出来ていたんだな。

それならなにも思い残すことはないな。

幸い一流企業で出世していたおかげで、私が死んでもあの娘が大学を卒業出来るまでのお金もある。

そして、急に瞼が重くなってきた。

「俺も、もう潮時か。」

「亜里沙、あの娘は立派に育ってくれたよ。君の願った通りのね。」

どんどん視界が狭くなっていく。

「そろそろ私もそこへ行くよ。亜里沙。」

「思ったより早く逝くことになってしまったけど、怒らないでよね。」

そう言って瞼を閉じ、病室に心電図が告げる「ピーー」というと音が最後に聞こえた。




次は転生する描写を書いていこうと思うので、よろしくお願いします

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