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石の話

作者: らむ

起承転結によって物語を区分け表現していますが、必ずしも話の起承転結と直結しているわけではないのでご了承下さい。


 ある少年は道端で白い石を拾った。

 その石の白さときたら本当に凄くて、それは言葉では言い表せないけれど、とにかく本当に白い石だった。

 時を同じくして、ある少女は道端で黒い石を拾った。

 その石の黒さときたら凡庸でありふれていて、言葉を宛がうのにはどれも適しているように思えるほど、とにかく本当に黒い石だった。



 ある少年とある少女は、それぞれ拾った石を手に持って道を歩いていた、そして道の往来で出会った。二人は会釈をして驢馬の1歩分ほどの距離まで歩み寄った。

 お互いは今し方道端で石を拾ったことを伝え、掌に包まれた黒と白の一時の宝物を見せ合った。



 少女は少年が持つ白い石をとても美しいと思い、自らのありふれた黒い石を差し出して交換を求めた。私、貴方の持っているその白い石がどうしても欲しいわ、と。

 少年は僅かに躊躇った後、そっけなく少女の開いた掌に白い石を乗せ、あげるよ、と一言溢した。そして、少女の掌から黒い石を奪う。



 石を交換した後、互いは分かれた。

 少女は美しい石を手にしてご満悦、ほくほくと幸せそうな顔で家路に着いた。

 少年は少女から奪った黒い石を見つめながら、寂しそうな嬉しそうな顔で往来に立ち尽くす。

 この黒い石に価値は無いかもしれないけれど、そんな他人から見た価値なんて必要無い。

 少年にとって、この石はあの少女が拾い、自分に差し出してきた石だと言う。

 これ以上価値のあるものなんてないのに、それをあんな白い石と交換できたんだ、自分はなんて幸せなんだろう?

 ある恋する少年は、黒い石をズボンのポケットにいれて、自らもまた家路に着いた。

相変わらず個人の無い物語で申し訳ないです。

でも、短編小説の個人なんて難しいと思う。

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