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幕間:過去のゆめにっきと少女の物語
反響ばかりが響いて、ぅんぅんとうるさい部屋。
黙りこくった少女はただ目の前の闇と、グロテスクな壁を見た。
「海は素敵ね」
少女は言った。
いつしか闇には扉があった。
少女は扉に手をかけた。
―――何度も繰り返し世界を回り、何度も世界をぐるぐる回る。私は世界に飽きていた。
少女はノブを回し、戸を押した。
先は、海の中。
もし「本物の海」であったなら、きっと水圧で戸は閉まったままであろう。
だが、ここにはそんなものが存在しない。
少女には不可能はないのだ。
海を泳ぐ。
今日はサメと一緒に泳ごうか。
それとも亀に捕まって泳ごうか。
だが少女はしばらくして、海に何もいない事に気付く。ましてや、珊瑚や砂浜もない。
どうしたのだろう。
まるで、「本物の海」を知らない子が描いたような海―――。
チリン、と鈴の音が響く。
上を見ると、女の子が消えた所だった。
―――ここはあの女の子の世界か。私は迷い込んだのか。
少女は、女の子を探す事にした。




