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日記  作者: ダイすけ
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楓の日記 その一

楓の日記 その一


二月二十八日火曜日 天候 晴


 今日は昨日よりも少しだけ暖かい一日だった。

 でも冬には変わりないので、吐く息は当然白い。それでも昨日よりもましだったから、おもいきって今朝はマフラーを巻いて行かなかったわ。私はマフラーのチクチク感が苦手なので、一刻も早く春にならないかなって思っています。

 明後日は私の誕生日。明後日で私は十六歳になる。早く大人になりたいと願う私は、誕生日がくることを結構待ち遠しく思っています。

 今日は何回もいうけど暖かい日だったので、学校までの坂道も気分よく登ることができた。寒い日にはしない海の臭いっていうか潮の香りを嗅ぎながら登りました。大好きな海の臭いだけでその日、一日を幸せな気分で過ごすことができるから、自分でいうのも変だけど結構おめでたい性格だと自覚している。

 そんなことを考えながら登校していると、毎日決まって仲よしの麻巳子が「おっはよ」って私の背中に声をかけてくる。私の一日は麻巳子のそれがないと始まらないって感じ。それからの私たちはきゃっきゃといいながら教室に向かった。

 そんな日の放課後。掃除当番の私は麻巳子を引き留めた。

「麻巳子、ちょっと待っててね。すぐ終わらせるからね」

 でも今日の麻巳子はいつもと様子が変わっていた。

「ごめん、私ちょっと・・・早く帰るね」とそそくさと教室を出ていってしまった。

「変な麻巳子」

 私は箒を片手に立ちつくしていた。

 朝登った坂道を一人で下った。いつもは朝と同じように麻巳子とおしゃべりをしながら歩くのに、今日私はひとりぼっちだった。

 ひとりっこの私は、ひとりということに慣れているはずなのだが、麻巳子がいない今だけは、なんか妙に淋しさが胸をついた。

 そんないつもとは少しだけ違った一日だったよ。なんか湿っぽくなっちゃったけど、本当に今日の麻巳子は変だったよ。明日はいつもの麻巳子に戻っていればいいな。 

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