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楓の日記 その六
楓の日記 その六
七月五日木曜日 天候 雨
今日、ママが運ばれた。
「疲れのせいだよ」とおばあちゃんはいっていたが、なんか胸の辺りがざわざわして気持ちが悪い。さっきまでママの病室にいたのだが、おばあちゃんが私の顔を見て「先に戻ってなさい」といったから、私は先にチーママのアケミさんに連れられて家に帰ってきたのだった。胸のざわつきはまだ納まっていない。
アケミさんは神妙な面持ちで「楓ちゃん、大丈夫だからね」といってくれた。私は無言で頷き、笑顔を作った。
一旦ベッドに入ったが、寝付けなかった。気を紛らわそうと思って、今これを書いているけど、多分朝までこの状態の気がする。




