美咲の日記 その1
美咲の日記 その1
2月28日(火) 天気・晴れのち曇り
明日であたしは4歳を迎える。
といっても、本当に4歳になるわけではなく、4年に一度の誕生日がやってくるということ。今年は閏の年なので、そういうことになる。本当は16歳。
だからあたしは、明日がその記念すべき日ということで、今日から日記をつけることを決めた。飽きっぽいあたしがいつまで続くかわからないけど、せいぜい頑張ってみようと思います。
今日はこのくらいにしておこうかな。初日からあまり飛ばしすぎると後が続きそうもないので、今日はこのヘンで・・・。
追伸
やっぱり初日なので、我慢しきれなくなり書き足します。
今日学校に行くと、親友の真由が廊下の端から走ってきたの。真由は髪の色が茶髪、といより赤茶色をしているので、ずっと遠くにいてもすぐに真由だって見分けがつく。しかも真由の声は大きくてよく通るのでわかりやすい。そんな真由があたしの元にやってきてこういった。
「明日、楽しみだね」って、あたしはそんなことないって答えた。真由は息をきらしながら続けた。「だって昨年はブルガリの時計だったもんね」まるで自分が貰うようなワクワクした瞳を、あたしに見せていった。
あたしは最近、その毎年異常と思われる高価なプレゼントに対して違和感を覚えていたのは確かだった。だって高校に上がる前の娘にブルガリの時計を贈る親って、有り得ないと思うのが普通でしょ。しかも文字盤のまわりがゴールドだから、それをはめて歩くことなんて余計にできない。見る人が見たら、あたしがエンコーでもしてるって勘違いされるのがオチだから。
異常なプレゼントは昨年だけではないの。小学校3年の誕生日からそれは始まった。初めてのプレゼントは、ミニーマウスのぬいぐるみだった。幼いあたしは単純にそう思って受け取った。我が家にミニーちゃんがやってきて大喜びをしていたあたし。両手で持ち上げ大いに喜んだわ。お父さんとお母さんはその光景を見て、嬉しそうに笑っていた。でもその時、お互いの観点が少し食い違っていたんだと、あたしは最近になって考えるようになっていた。
満面の笑みで喜ぶあたし、を見るお父さんの視線。その視線はあたしの笑顔ではなく、ミニーちゃんの首元で輝くアレに向けられていたんだ。そのアレとは・・・燦然と輝きを放つティファニーのネックレスだった。お父さんはまさしくそれを見ていた。あたしが喜んだワケが、ミニーちゃんではなくティファニーの方だと。これはあたしの憶測だけど、多分その瞬間にお父さんは勘違いをしてしまったんだ。
追伸の方が長くなっちゃったけど、真由にいわれて昔のことを思い出してしまったので、どうしても書きたくなりました。未来のあたし・・・ごねんね。
今度こそ、おやすみなさい。




