第一案 ラウンジ編
登場人物
愛理 モリヨ 女優(野間フジコ)
サキ ゴーストバスターズ ノリコ
### 概要
ラウンジで過ごす3人の中年女性たち。彼女たちは皆、過去の記憶があいまいで、断片的な記憶を頼りに自分自身を探し続けている。やがて、それぞれの記憶がつながっていくなかで、彼女たちは驚くべき真実にたどり着く――それは、自分たちがすでにこの世の人間ではないということだった。
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### 登場人物と出来事
**ラウンジの3人**
記憶を失った女性・愛理(池上)を中心に、女優(沢田)、モリヨ(芳本)がラウンジで共同生活を送っている。3人とも50〜60代で、それぞれに人生の記憶が欠けている。
**管理人サキと調査隊の訪問**
「ラウンジに幽霊が出る」との噂を受け、若い管理人サキと心霊調査チーム(通称ゴーストバスターズ)が建物にやって来る。
**映画のロケハン、心霊写真**
50代の女性がロケハンでビオレを訪れてが写真を撮ると、ラウンジに無数の霊が写り込んでいた。恐怖のあまり、彼女はその場から逃げ出す。 詳細は7ページの「心霊写真」参考
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### 過去の記憶がよみがえる
**映画のチラシが鍵に**
古びた映画チラシ『夜の流れ』(1960年、吉村公三郎監督)をきっかけに、女優は自分が山本富士子だと思い出し、かつて夫に裏切られ家を出た過去を語り始める。
**“お手伝いさん”との再会**
逃げ出した心霊マニアが幽霊として再び現れ、実はかつての“お手伝いさん”だったことが判明。彼女は女優に、夫が保険金を手に入れて再婚し子どもまでもうけたと伝える。女優は悔しさをにじませながらも、未練を断ち、静かに成仏する。
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### 真実と別れ
**ラウンジの正体**
3人の女性は、すでに亡くなっており、成仏できずにラウンジに留まっていた。サキは建物の取り壊しを決意し、亡くなった前オーナーに謝罪する。
**母娘の再会**
サキが身につけていたペンダントを見て、愛理は自分がサキの母であることを思い出す。サキは3人の名前を読み上げ、供養する。
**過去の救出劇**
モリヨは、火事の夜にサキを助けたことを思い出す。彼女はサキの育ての母であった。
「娘を助けてくれてありがとう」と語るサキに、モリヨは静かにうなずき、ふたりは「サキは無事に成人したのね」と抱き合う。ラウンジに残された最後の想いが、静かに昇華していく。