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記憶の回帰 〜前世からの復讐者〜  作者: 儚威
第1部:セイクリッド学院編
18/20

想定外

「無駄な時間だったな、さらばだ……!」


 魔族が冷笑を浮かべ、鋭い蔓を俺に向けてトドメをさそうとしている。


「ハハッ……」


──────────────────────

  【スキル:魔法奪取(マジックスティール)

  ■使用:「『水の盾ウォーターシールド』」

──────────────────────


 蔓が刺さる寸前、俺の前には巨大な魔力を帯びた水の盾が出現し、攻撃を防いだ。魔力が凝縮された盾は鉄壁の防御力を誇り、魔族の一撃を完全に受け止めた。


「なに…!?」

(こいつ、防御魔法を持っていたのか。なら、なぜ今まで使わなかった。これほどの防御魔法……いとも簡単に、私の蔓を受け止めてヒビすら入っていない……)


「フフフ……死ぬのが怖くなったか?だが、もう遅い。今更足掻いたところで、そんな体じゃろくに動くことすらできない!」


 魔族は狂気に満ちた顔で俺を見下ろしていた。しかし、俺はただ俯いていた。それは決して諦めではない。覚悟を決めていたのだ。この上位魔族を殺す覚悟を。


──────────────────────

  【スキル:魔法奪取(マジックスティール)

  ■使用:『癒しヒール

──────────────────────


 俺は水の盾を消し、ヒールを使った。


 足元から温かい光が広がり、傷が瞬く間に癒えていく。


「ほう、回復魔法まで持っていたか。だが、盾がない状況でどうやって私の攻撃を受け止める…!」


 魔族は鋭い蔓を再び俺に向けて勢いよく放ってきた。しかし、俺はその場で冷静に、ゆっくりと右手を上げて魔族に向けて放った。


──────────────────────

魔法奪取マジックスティール


  『【悪魔の炎デビルファイア】』

──────────────────────


 俺の手から放たれた紫黒色の炎は、一瞬で蔓を燃やし尽くし、さらに魔族に向かって勢いよく燃え上がっていった。


「なんだそれは…!?」

 驚愕の表情を浮かべる魔族に向かって、俺は冷徹に告げた。


「これで終わりだ。」


(なんだ、この炎はさっきのとは明らかに違う……触れない方がよさそうだ。)


蔓の壁ヴァインズウォール

 魔族の前に黒い魔力を纏った大きな蔓の壁が現れた。


 悪魔の炎デビルファイアはその壁に激しい衝撃音を立てながら当たったが、勢いは止まらず、その壁を燃え尽くして再び魔族に向かっていった。魔族の顔には再び驚愕の表情が浮かんだ。


「なかなか、やるじゃないか!」

(上位魔族の私があんなやつの放った炎を避けるわけにはいかない……)


「クッ…『守護蔓ゴーレム』!私を守れ!!」


 蔓でできたゴーレムが2体地面から這い上がり、炎を受け止めようとしたが、それも一瞬で燃え尽き、炎の威力は止まらない。


「まずい、このままだと……!チッ……やむを得ん…」

 炎が当たる寸前、魔族は驚異的な身体能力で横に飛び避けた。


「貴様なんかに魔力は使いたくないのでな、仕方なく避けることにしたのだ、決して危なかったわけではない。」


 俺は魔族を鋭く睨みつける。


「手……大丈夫なのか?」


「なにを言っている…?」


 魔族が自分の左手を確認すると、指の先に紫黒色の炎が燃えていた。


「少し炎にかすっていたか。痛くも痒くもないから気づかなかったな。」

 そう言いながら、魔族は自身の魔力を手に纏い、消そうとするが、一向に消える気配がないことに少し不思議そうな表情を浮かべた。


「なぜだ、なぜ消えない?」

(私の魔力だぞ、この程度の炎、一瞬で消せるだろう。)

 何度も消そうとする魔族だが、指先がどんどんボロボロになっていく。


 俺は確信した。

【俺の勝ちだ……】


「待て、一体何が起こっているのだ…!」

 炎はどんどん勢いを増し、手を覆い燃やしていく。そして、その炎は腕全体を飲み込もうとしていた。


「なんなのだこれは!クソっー…!」


 その時、魔族が予想外の行動に出た。


[グサッ────]


俺の目の前で、魔族が蔓の剣で自らの腕を切り落とす様子が映った。


「なに!?」


「グゥアァ…!!」


地面に転がる切り離された腕は、瞬く間に灰に変わっていく。


「ハハッ…切り離さなければ、今頃どうなっていたかなぁ?貴様もそう思うだろう?」


(炎に触れた部位を切り離せば防げるのか…!完全に想定外だ…!!)


「炎が消えないと気づいた時、正直に言うと、少し焦った。だが、切ればどうってことのない魔法だ。」


「特に回復魔法持ちには……」


「まさか!?」


『呪縛の癒し(カースヒーリング)』


魔族は不気味な笑みを浮かべながら、回復魔法を使う。


「さあ、再生するがよい、私の腕!」


「させるか!『悪魔の炎デビルファイア』!」

(なんだ?さっきより威力が落ちているような…)


「ハハッ!同時に複数の魔法が使える私にとって、その程度の威力なら問題ない!

蔓の壁ヴァインズウォール』『守護蔓ゴーレム』!!」


 魔族はヒールしながら防御魔法を使い悪魔の炎デビルファイアの威力はどんどん落ちていき、消えていった。


「ん?まだ再生しないのか、私の腕は!!」



「上位魔族の私が使う回復魔法だぞ!さっさと再生しろ!!」


魔族の表情は苛立ちに満ちていた。


中途半端なところで終わってしまい申し訳ございません。はやく自分が執筆したいところまでいきたいなと思っていますが、忙しくてなかなか進められないのが悲しいです。


質問やご意見がありましたら、遠慮なく言ってください。

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