魔法を使わない魔法剣士
ログインすると見覚えがない部屋だった。昨日は自室でログアウトしたのだった。
「おはようございます、アルト様」
「おはよう、ミリーゼ・・・・」
声がした方へ振り返ると着替え中のミリーゼがいた・・ミリーゼは俺の部屋を好きに使っているのを思い出した。
「すぐ出ていくから」
急いで部屋を出た、ミリーゼの下着はピンク色で可愛らしかった。この世界、下着はちゃんとしているよな〜
1階に行くとクランメンバーが全員揃っていた。
「おせーぞ」
「お前ら早いだけだろ」
「全員揃ったからイベントについてだ」
「西側担当よね」
「そうなるわな、レイちゃんとエリカちゃんは南側だな」
「今日からレベル上げするのに〜」
「東側は放置でいいんだな」
「そうなるな、北側は楽だが好感度が高いプレイヤーのみだろ」
「俺、ミリア、レイなら行けるがダークにいかせるか」
「テイムモンスターはテイマーから離れられないでしょ」
「ダークはテイムじゃなくて契約だ 勝手に行動できるぞ」
「なにそれ狡くない」
「ミロクちゃん、私のホーリーも契約だよ」
「それならダークとホーリーのレベル上げが必要になるな で北側で頑張ってもらうか」
「話について行けないんですけど」
「エリカちゃん、これがこのクランの日常だよ」
「頑張ります」
「アルトに着いていくと色々巻き込まれたりするから頑張ってね」
「王国騎士団の方に出向いた方が良さそうね」
「なら、アルトとミリアの仕事だな イベントが始まる前までに頼んだぞ」
俺とミリアしか城に入れない、ミリーゼがいれば騎士団の方にも行けるかサクヤさんでも可能だが
「バトルアックスを振り回している サクヤパパに会いたくない」
「シンゲン・トーヤマ伯爵だったな」
「BASARAの武田信玄だぞ、見た目 確実に」
「副騎士団長はユキムラだな」
「行きたくなくなるだろ」
「絶対に行け、スクショ頼んだぞ」
ミリアに助けを求めようとしたが
「アルトくん、頑張ろうね」
「明日行くか」
「そうだね、ミリーゼちゃんも一緒だね」
「今日の予定はクランでやることはないので自由で」
「俺はレイ、エリカを連れてドライからフィーアまでの旅行に行ってくるわ」
「レイ、エリカ、頑張るのよ」
「ミロク、俺が地獄へ叩き落とすようなことすると思うか?」
「あんたと行動すると何かしらハプニングがあるのよ」
「俺『テイム』覚えたからなんか捕まれるぞ」
「レイちゃん、アルトさん、サブ職テイマーなの?」
「お兄ちゃんはカオスマスターと料理人だったよ」
「カオスマスターってあのユニークの?」
「この兄妹はユニークの塊だからな」
エリカは今、圧倒的な情報量に追われていた。
「私は西側に行ってくるわ」
「ミロクちゃん、私も行くよ」
「私も行く〜」
「俺は鍛冶に籠もるはそろそろ新しい魔剣が完成するからな」
「また悪魔に壊されるパターンだな」
「破壊不可のエンチャントを付けるわ」
俺はダーク、レイとエリカを連れて東門からドライへ、ミロクたちは西門から出発した。
「フィーアまで海ルートと山ルートどっちがいい?」
「アルトさん、どっちが厳しいですか?」
「海ルートはシーサーペントだな、海上で戦うからこのパーティーだと苦戦すると思うぞ 山ルートはブラックワイバーンの番 飛んでるやつを地上に叩き落としてボコればすぐ終わる」
「「 山ルート 」」
「あと、レベル差があると思うのですが」
「キャリー方法を確立したから大丈夫だ、俺は今回サポートだからな ブラックワイバーン以外は見ておくから」
王都を出て、たいしたモンスターに出会うこともなくドライの町に行くための門番モンスターが見えて来た
「バジリスクだな、エリカは戦闘経験あるだろ」
「はい、石化攻撃が強力ですね」
「レイは昨日の中級悪魔戦を思い出せよ」
「レイちゃん、そんなことしてたの」
「うん、お兄ちゃんとPKを捕まえに行ったらPKの人たちが石になっててその元凶が中級悪魔だったの」
「言っていることが分からない」
バジリスクとの戦闘に入った。今回サポート役のため、俺は攻撃をしないがダークが攻撃をする。あとは指示くらい
レイは遊撃、ダークは遠距離からのサポート、エリカは壁役になっている
見ていて気づいたことは魔法剣士なのに盾を持って壁役をしている所だ、剣士の素早さと魔法と剣技の連打を叩きつけるのが魔法剣士の一般的な戦い方で距離間関係なく手札があるのが強みだが、盾のせいで強みが死んでいる 上位クランでは盾役が少なかったせいだろうか完全に歪んでしまっている。
サブ職の『守護騎士』のおかげだろうか『パリィ』は高確率で成功しているが、やはり手数が少ない
ダークが大きく姿を変えてドラゴンブレスでとどめを刺してバジリスク戦は終わった。
「ドライに着いたら教会に行くぞ」
「お兄ちゃん、どうしたの?」
「エリカをリビルドする」
「私のサブ職は守護騎士以外碌なものがありませんでしたよ」
「そもそも魔法剣士は魔法と剣技の手数の多さが売りなんだ、前のパーティーだと盾役がいないから守護騎士があったからやらされていたんだろ
盾役ならレイが避けタンクを出来るし、魔法剣士の強みを活かすようにリビルドする 『パリィ』がしたければ剣でやれ 頭装備に付いた角で『パリィ』するやつもいるんだぞ(某ハシビロコウの人だけど)」
「お兄ちゃん、それ別の作品だよね」
「正解」
「急いでドライに行くぞーーー」
「今のスタイル捨てるのですか〜」
「捨てないと魔法が使えない魔法剣士のままだぞ」
「それは嫌だー」
「ならリビルドな」
走ってドライに着き、さっそく教会へ




