奴隷か孤児か
再びログインするとミロク以外のクランメンバーが揃っていた。
「ミロクはこれないとか言ってたな」
「昼に会ったぞ、レベル上げなりなんなり任せるとか」
「次のイベントまでにカンストだろ」
「イベントの日時とか内容の発表ないよ」
「月末がイベントだと今回は不参加かな、期末テスト1日からで土日挟んじゃうから」
期末テストは7月1日からしかも金曜日なんだよな、中間より期末の方が難しくなる
「クランリーダー、今日はどうすんだ」
「お前の言っていた奴隷の斡旋からやるぞ、クランレベルが上がりやすいらしいからな」
クランにもレベルがあり、クエストやNPCからの好感度でクランレベルが上がる 月夜の兎は作った時からクランレベルが3だった
クランで商店を経営できるようになるにはレベル5にならなければならない、今のクランレベルは4
あと1足りないが店に置けるほど商品がない
「店舗がいいよな」
「そうだね、店舗の方が見栄えもいいから」
「店舗だとクランレベル7か」
「店員さんも必要になるよね」
ミリーゼも呼んで会議をおこなう、国の方でも考えていたようだ
「奴隷の子供はサブ職を持っていますわ、孤児院の子たちの方をおすすめいたしますわ」
「ミリーゼちゃん、理由は?」
「孤児院の子たちはメイン職とサブ職を持っていないからです。私たち現地人はメイン職が決まってから神様によってサブ職を追加されます。私の場合はお転婆だったので教会でメイドに換えられました。今では誇りたいサブ職ですわ」
FROでは15歳で成人、孤児院も15になったら出て行くことになる。問題は上手くいかなくて犯罪に手を染めたりする者もいるため、孤児は冒険者になるのが多い
「孤児院に行くか」
クランハウスから南へ200メートルくらいで教会兼孤児院に到着した。
「話して来ますね」
ミリーゼは神父と話している間、何人雇うか話し合う
「俺は1人だな、ちゃんと教えれるかどうかだと思う」
「ケー5にしてはまともな意見ね、錬金術は流行らないからね~魔道具師に転職を考えようかな」
「フィオちゃん、転職なら私、できるよ」
「ミリア、マジ?」
「マジマジ」
「で、ミリアは何人雇うつもりだ?」
「2人くらいかな、フィールドで薬草採取もしないといけないから冒険者志望の子で薬師かな」
「注文多いな、アルトはどうする?」
「俺は雇わないかな、ミリーゼが2人くらい雇うだろ」
「メイドが増えんのか?」
「将来的には店の店員だな」
「行儀見習えやつだ」
ミリーゼが戻って来た。
「今年、成人する子たちは7人いるようなのですがどうしましょうか」
「ミリーゼちゃん、私に任せて」
自信で満ち溢れたミリアが笑顔で答えた




