桜井FRO始めるってよ 4
「ゴブリンの村」は全5階層、1階層事に規模が大きくなっていくゴブリンの村を殲滅するダンジョンだ。
「普通に暮らしているゴブリンを殲滅するのはどうかと思う」
彩は魔法でゴブリンが住んでいた藁で出来た家を燃やしている
「良心がね」
ツムギは背後からナイフでゴブリンの首を切り落としている。
「2人ともやってることと言ってることがおかしいよ」
メープルは居合いから飛ぶ斬撃で逃げ惑うゴブリンを真っ二つに切り落とした。
現在3人は3階層まで攻略し終えた所だ。
「明日の打ち上げって行く?」
「草薙くんに誘われたし行くつもり」
「桜井さん、草薙狙い?」
「ち、違う」
「うちのクラスの男子はいい線行ってるようであれだから」
「草薙と月岡さんってどうなんだろ?」
「熟年夫婦感がたまにあるよね、お互い名前で呼んでるし」
「桜井さん、略奪愛頑張って〜」
「違うもん、クラン面接のこと聞きたい」
「FRO名物だ〜、『月夜の兎』はケー5って変な名前の人がクランリーダーだったはず」
「ケー5、山本じゃね?それ」
「山本くんか〜少し苦手」
まだ2回しか開催していないクラン『月夜の兎』のメンバー募集面接、面接のある日は巨額な金が動くため、生産系クランや商業系クランが首を長くして待っていたりするのだった。
「メープル、傾向と対策は?」
「確か、呼び方 プレイヤーは天上人、NPCは現地人で呼ばないと」
「言い間違えそう」
「それと面接官には現地人の人とクランの幹部って言ってた。」
「噂のお姫様も面接官?」
「第2回は王妃様も面接官に参加したって草薙くんが」
「バイトの面接よりも怖い」
3人は4階層へ進み、ゴブリンの村を破壊、反撃に出るゴブリンたちも徐々に強くなっており、1撃で倒せなくなった。
「ゴブリンの動きが統率取れてるよ」
「彩、メープル、背後からの攻撃が出来なくなった。」
ゴブリンたちは4人で1組みになり、お互いの背中を合わせて死角からの攻撃を潰した。
「彩、残りのMPは?」
「まだ、行けるけど、MPポーションの在庫が切れちゃった。」
メープルのMPポーションを彩に渡してもいいのだが『桜流古式剣術』の技は基本的にTPを消費するが属性が付いてしまうとMPも消費されるため、広範囲や技の威力を上げるにはMPが必要になってしまう。
彩に渡すMPポーションは無いに等しい
「私が突っ込むから彩は援護をツムギは討ち漏らしをお願い」
「了解」
「討ち漏らしは任せて」
メープルは強化魔法を使い刀を抜いた。すると『縮地』のような移動スキルを持っていないのにゴブリンの集団の目の前に移動し
「『桜流古式剣術、紅蓮薙』」
刀の刀身から赤い炎が溢れ出ており、鞭のように伸縮自在の炎を纏った剣戟がゴブリンの集団を焼き尽くした。
本来の『紅蓮薙』は薙刀で使う技だがイメージ力と刀で再現してしまった。
「メープル」
「どうしたの?」
「どうしたのじゃない、1人で殲滅してるよ」
「うわ、これ私がやったの?」
「集中力凄すぎ」




