あの男、再び
10月16日月曜日
昼休み、山本、大門、二階堂はコンビニでパンを買って来ているようで今日は教室で昼食を食べている 俺はいつも通り弁当を持参、朝から3人分作るのも慣れているし 今日はなぜか隣のクラスのあの男がやって来た。
「今週の土曜日のイベントはやるのかい?」
「石神、あれはイベントじゃねぇぞ〜」
「えっ!!」
「昨日の集会に参加は?」
「集会?参加?してないけど」
この石神彰という男、見た目は爽やかイケメンなんだがどこか抜けている
「イベントだったら運営から遅くても1週間に告知は出ているぞ 今のイベントはハロウィンイベントだけだな」
「土曜日のイベントって?」
「そこから説明しないといけないのか レン頼んだ」
「こういうのはミリアとか水谷が得意だろ」
「私とミリアは直接帝国まで潜入して情報を集めてないけど」
「この中だとレンくんか華ちゃんだけどレンくんはレイちゃんから情報を直接聞いているよね」
「草薙、あきらめろ」
「うむ」
二階堂と大門に煽られた、やってやろうじゃんか
「土曜日のお話するから黒板に書くぞ」
黒板に書きながら説明をする
「レラルヴァ王国の北に中立地帯があってその向こう側にラーンドルク帝国があるのは知っているな」
「行ったことないけど知っているよ」
FROをやっていると当たり前の知識だ
「今回の問題は『勇者』がラーンドルク帝国を魔眼で支配したことが発端だ」
「その魔眼はプレイヤーにも効くのかい?」
「プレイヤーじゃね、天上人だ‼、NPCなんて言うなよ現地人だからな 『勇者』の魔眼は現地人にのみ効果がある 支配状態を解呪するのにユニーク職のヒーラーが必須になるってことだ」
「だいたい、分かった 僕の役割りは支配された現地人たちの解呪だね」
「自分の役割りが分かってもらえて助かる 支配された現地人で1番強いのはラーンドルク帝国の皇帝だからな、気をつけろ」
石神はここで俺たちの役割について疑問しだした。
「草薙くんたちは何をやるんだい?」
「俺は『勇者』をボコボコにしにいくかな」
「私は解呪係だよ」
「私はミリアの護衛」
「俺と三島は黒幕の調査、レンのところの堕天使様が言うには裏で糸を引いてるやつがいるとかな 考え過ぎだと俺は思うけど」
「俺と大門は不参加で」
「聞いていた話とスケールが違い過ぎると思うんだけど」
「石神、これが最強クラン『月夜の兎』なんだよ レンの姉と妹もかなりやばい」
「現役のアイドルもクランメンバーだもんな、ライブチケットは貰えるのか?」
「二階堂、少し頭、冷やそうか」
二階堂の顔面に水谷のアイアンクローが
「ネオジャパン代表の水谷は強かったな」
「二階堂、弱すぎる」
山本と大門の悪ノリだ、山本にアイアンクローが炸裂するのがいつもの流れ
「景吾くん、何か言ったかしら」
「恵さんはいつも凛々しいと思っただけだ」
「夫婦漫才か」
「あっ‼二階堂、なんか言った?」
「なにも言ってません 」
二階堂は見事な土下座でアイアンクローからまのがれた。
「草薙くん、あれって本当に痛いのかい?」
「なんて説明すればいいのか 竹刀でこめかみを打たれる痛みの10倍くらい」
「竹刀でこめかみを打たれたことないし」
「俺は顔面に木刀のフルスイングをくらったことあるぞ」
俺の中学時代だ、暗黒時代だったよまったくな
「色々と話しは逸れたが土曜日、11時半にゼクスに集合 中立地帯に陣を張り 侵攻に備えるくらいだろ」
「俺たちは前日に陣を張っておくけどな」
「土曜日、11時半にゼクスだね」
「戦果を期待する」
「期待されても困るけど」
石神彰は自分の教室へ帰って行った。
「山本、石神はクランに入れるの?」
「合格基準に満たしてないだろ、ミリーゼママに面接してもらえば一発不合格だぞ」
「王妃様も忙しいんだよ、ミリーゼも最近はよく城に帰ってるし」
「レン、捨てられたか?」
「レンくん、私がもらってあげるから」
「すでに終わった扱いなんだよ 婚約増えてるんだぞ」
「マジかよ」
「もしかして、ラスティナ?」
「三島、よく分かったな」
「草薙、金髪エルフとか銀髪の女の子好きそう」
不覚にも俺の性癖がバレた




