暗躍する者
錬治たちの体育祭が終わり10月に入った。
2学期の中間テスト期間で忙しくしており、FROに入る時間も最小限にしてようやく中間テストが終わる前日の深夜 日付はすでに変わっている
ラーンドルク帝国 帝城の謁見の間で獅子獣人と天上人の男が戦っていた。
獅子獣人の方はガイゼル・レオニール・ラーンドルク、ラーンドルク帝国現皇帝で戦斧を得物に戦う覇者だ
「賊よ、それの程度で我が首を取れると思うのか」
「いいや、俺の目的はあんたのHPを削ることだ」
炎の戦斧での攻撃は賊である天上人に当たらず、天上人の方はカウンターで攻撃をしているがダメージが少なすぎる
賊の天上人はガイゼルよりもレベルが低いからだ、レベル下があるとダメージは入るがクリティカルがでない限り微量で命中しないこともある
「レベル下、きついな そろそろ仕掛けるか」
「どのように仕掛けるか見ものだな」
「『ブレイブ・ハート』」
賊である天上人が必殺を使うと黄金に輝くオーラを身に纏いそしてガイゼルに迫り攻撃を繰り出す
「先程までとは違うな、我も少し本気を出そう」
賊の使った必殺の効果でガイゼルとのレベル差が埋まり、剣と炎の斧のぶつかり合いもお互いの武器に罅が入り ガイゼルのHPも半分を切った。
「仕上げだ『支配眼』」
「くっ・・・・・・」
ガイゼルは支配眼を受けて完全に傀儡になってしまったが炎の斧は意思を持つかのように城から飛んで行ってしまった。
「これで俺の俺だけの傀儡政権の完成だ この力さえあればあの魔剣士伝説さえも超えれる まずはレラルヴァ王国の姫を狙うか 魔剣士も出てきそうだしな」
謁見の間で天上人の男の笑い声が響いた。
「誰も『勇者』には勝てねーよ『魔剣士』相手でもな」
炎の斧はくるくると回転しながら空を掛け、ある屋敷の庭に突き刺さった。
屋敷に張ってあった結界が壊れて屋敷に住んでいる者たちは臨戦態勢を取りながら警戒する。
「ふぁ〜ミリーゼ、どったの?」
「ラスティナは呑気ですね、屋敷の結界が破壊されたんですよ こんな時にアルト様がいれば」
「それは大変じゃない」
ミリーゼは戦闘が出来る者を集め、残りは屋敷の奥へと避難させた。
「ロザリー、頼みますね」
「御主人様の血をお願いしないといけませんね」
ロザリーは屋敷の庭に出て、突き刺さっている斧を発見した。
周囲を警戒するが気配はなく、ロザリーの索敵にも引っかからなかった。ロザリーは報告のため、屋敷へ
「庭に斧が刺さってたわ」
「斧ですか」
「破られた結界はフィオさんが作った魔道具だったんだよね」
「確か、ミリーゼさんも1度破壊していましたね」
「そ、それは言わない約束です。屋敷に入った賊を倒しただけですよ」
「龍の気配がするから見て来ていい?」
「ダーク、お願いします。」
「あれ、ライトは?」
「ライトは寝ているよ ご主人以外が起こすと機嫌が悪いから」
ダークは屋敷を出て庭に行き、刺さっている斧を確認した。
「炎龍の魂が入った武器だ・・・罅が入って封印が弱まったのかな?う〜ん あとはご主人に解放してもらってから事情を聞くしかないか」
ダークは屋敷に戻り報告した。
「ふぁ〜、龍王武器だったよ〜あとはご主人に おやすみなさい」
ダークは自分たちの寝室へ飛んでいった
「不吉な事が起きそうですね」
「ミリーゼさん、すでにかぼちゃだらけで不吉ですよ」
「年に1度の収穫祭の時期ですから」
ミリーゼ、セル、エル、ロザリー、ラスティナは寝ることが出来ず色々と話しながら夜が明けていった。
次からハロウィンイベント編始まります。




