ツヴァイ防衛戦9
ミリアはユニコーンの笛を使ってユニコーンを呼び出した。大きさは馬車を引く馬と同じくらいの大きさで純白に近い毛並みと立派な角が美しい
「え、ええええ新しいスキル覚えちゃった。」
「ミリア、落ち着いて とりあえずユニコーンに指示しよう」
フィオのおかげで落ち着きを取り戻した。ミリアはユニコーンに指示を出す。
「ユニコーン、あのドラゴンを攻撃して」
ユニコーンはコキュートスに向かって突進し、ぶつかるとコキュートスの身体が動いた。そして残りHPは20%になったときまた特殊行動が起きた、コキュートスの周辺から氷の氷柱が何十発も連続で発射された。『フリーズランサー』という魔法だ
ユニコーンはダメージを受け消滅してしまい、ミロク、フィオ、ケー5、ミリアはそれぞれ隠れてやり過ごし、アルトは隠れる場所がなかったため、『見切り』と『居合い』で氷柱を範囲内に入る物を切り落としなんとかやり過ごしたがTPを使い切ってしまった。
「残り10%でまたブレスを撃ってくると思うぞ」
「ありきたりなパターンだよな」
「一点集中で削るしかないよな」
「私の出番か?」
「俺のとっておきをブチかます」
ケー5はとっておきの最高傑作の矢を番えコキュートスの首に狙いを定めて射る。真っ直ぐに吸い込まれるかのように首に命中し、大爆発が連鎖で起きる
「見たか、貫通徹甲矢ver5」
コキュートスの首には焼け焦げた跡と矢で付いた傷がある
「必殺解禁だ」
二次転職後に全てのジョブは1日に1度だけ使うことが出来る必殺技がある。必殺ゲージが溜まれば使うことが出来るがケー5かアルトの指示があるまで使わない方向でクラン内で決めていた。
聖騎士の場合はステータスの上昇、耐性の上昇、ダメージカットが10分間
暗黒騎士の場合はステータスの上昇、攻撃速度上昇、ダメージ上昇が10分間
これはすでに世の中に知れ渡っているが魔剣士と聖女の必殺技は誰にも知られていない、他とは違う俺たちだけのアドバンテージなのだが
「ただし、ミリアは使わなくていいぞ」
ケー5は必殺技を解禁した。
スナイパーの必殺技は『必殺必中』クリティカル上昇、ダメージ上昇、固定ダメージ、即死(ボスモンスターには無効)5分間のみだがダメージレースなら確実に上位に潜り込める ケー5はとっておきは使いながらピンポイントでコキュートスを射った。
「ウイッチの本気を見せてあげるわ」
フィオのウイッチ(火風)の必殺技は2種類あり1つは広範囲に炎の竜巻が相手を焼き尽くす『バーニングストーム』、もう1つは直線状の敵を焼き払う『フレイムレーザー』フィオはフレイムレーザーをコーキュトスの首を目掛けて発射し命中した。
ダメージが大きかったかコキュートスも叫び声をあげている
「アルト、先に行かせてもらうぞ」
「とどめは俺がするから安心しろ」
「『獣化』」
ミロクは『獣化』を使いベースとなった獣のように姿を変えた。一次転職の時よりも全体的に大きく、前後の足はマッシブになっている
魔拳闘士の必殺技は『明鏡止水』剣士の『見切り』と同じような効果とステータス上昇、効果中MPの維持消費をせずに手足に魔力を纏える 攻撃速度上昇、クールタイム削減 5分間『獣化』状態でも可能だ
ミロクは素早い動きでコキュートスを翻弄し、魔力を纏った手足で確実にダメージを与えている それに魔力を纏っているためか瞬発力や反射神経も上がっている気がする。
アルトは流浪の刀と魔剣カースドペインの二刀流になり『魔剣共鳴』を発動 天から様々な剣や刀がカースドペインの呪いが付いた状態で降りそそぎコキュートスに刺さる
魔剣士の必殺技を発動する
魔剣士の必殺技は『真名解放』魔剣の真の名を解放し、真の魔剣の能力を使うことが出来る 所持している魔剣の数で強化内容が変わる 魔剣の真名は魔剣士本人にもわからない 10分間
ミロクとスイッチの形で交代し、真名解放された死神の大鎌をイメージさせる形に変化したカースドペインでコキュートスの首を狩るつもりで斬ると、刀身から黒い液体がでてコキュートスの身体を蝕み、黒く変色させる
黒い液体の正体は呪いと猛毒の混合物でレベルMAX 聖女でも解呪出来ないやばい代物
流浪の刀の真名解放は見た目は何も変わらないが魔剣の能力のコピー、真名解放している魔剣でも可能ただし、装備者が実際に見たことがある魔剣のみ
真名解放されたカースドペインの能力をコピーし、斬りつけ黒い液体を傷口に塗り込む
すでに残りHPが10%を切っていたコキュートスはブレスの体勢に入るが月夜の兎の攻撃と城壁の上から支援攻撃をしているNPCたちにより倒すことが成功した。
「ケー5、残り時間は」
「20分だ」
コキュートスの死骸が消え、1本の大剣が地面に突き刺さっていた。
「ラストアタックボーナスだな」
「魔剣なら欲しいけどな」
後ろの方で見ているだけの上位プレイヤーの1人が地面に刺さった大剣を手に入れようと大剣の柄を持った時、凍りついた。
「魔剣だなありゃ」
「人の物を奪うやつが悪い」
「アルトくん、治そうか」
「ミリア、どうみてもねこばばを失敗した哀れな男よ」
「日本の上位プレイヤーどいつもこいつもマナーもクソもないからな(笑)」
「同感だな」
「その上位プレイヤーよりも環境破壊している人がいるけど」
「あれは仕方がない」
「私、エルフよ」
「フィオ、俺もだぞ」
「ケー5は論外」
話し終えた後、まだ時間が30秒残っているため、真名解放状態のカースドペインを担いで大剣の所へ行き引き抜いた。ついでに黒い液体をねこばば男に浴びせるとすぐに死んだが、PK判定にはならなかった。
魔剣コキュートス:ユニーク 悪魔龍コキュートスの亡骸で作られた魔剣、触れた者を凍てつかせる 氷、凍、アイス、フリーズと名の付いた技、魔法の強化、掲げると『フリーズランサー』を使用できる
5人で明日のことを話し合いイベント終了時刻が来たため、イベントが終了した、俺とケー5は何があってもすぐに動けるように準備していたが何も起こらなかった。
ツヴァイのワープ像からクランハウスへ転移した。
「ミリアの新しいスキルは何だったんだ」
「えっとね、『サモン・ユニコーン』次呼び出せるのは12時間後だ」
サモン・ユニコーン:聖女専用召喚魔法、ユニコーンを呼び出せる。なつき度により、召喚時間の延長、クールタイムが軽減する クールタイム12時間 消費MP50
解明されていないユニークジョブは謎が多い
「明日、呼んで可愛がろう」
「そうしよう」
「毛並み綺麗だったよね」
運営からのアナウンスが入った
『日本サーバーで悪魔龍コキュートスが討伐されたため、ワールドクエストを進行します。プレイヤーの皆様には申し訳ありませんが30分後にメンテナンスを行います。メンテナンス終了時刻は5月8日20時を予定しており、イベントの結果と報酬のプレゼントをおこないます。』
「ログアウトして明日に備えるか」
「ケー5、遅刻すんなよ」
「しねーよ、アルトは宿題やったのか?」
「終わっているぞ」
「私、残ってた 先にあがるね」
「おつかれ~フィオ」
フィオはログアウトした。
「また、明日な」
続いてケー5がログアウトした。
「アルトくん、明日は学校でお喋りしようね」
「頑張るよ」
「ゲーム内とかチャットで話せてるから大丈夫だろ、私もいるから」
「姉御~」
「教室で言ったらぶん殴るぞ」
ミリアとミロクはログアウトし、最後に俺もログアウトした。
「レン兄、晩御飯」
「有り合わせでいいか?」
「うん」
有り合わせの遅めの夕食を食べながら怜と話す
「イベントどうだったの?」
「ぶっちぎりで首位かな」
「スレ見てたけど悪魔龍は日本でしか倒せていないよ」
「それ、俺たちで狩ったやつよ」
「レン兄、何レベル?」
「30レベル、イベント中は経験値は蓄積だけされてイベントの報酬と一緒に経験ももらうから40レベルは行きそうかな」
「来月、すぐに追いつくから」
「王都に来たら仲間を紹介するよ」
錬治のゴールデンウイークは終わり、明日から普通の日常へ
FRO運営側
「上松部長の予想通りになりましたね」
「聖女ちゃんはツヴァイでNPCの治療行為をしていたからね、誰だって手を貸したくなるさ」
「は、はあ」
「最後は面白かったね~ユニコーンの笛を使うし、矢の徹甲弾に獣化からの必殺、真名解放のカースドペイン、大鎌はかっこいいよね、デザインしたかいがあったよ」
「上松部長、メンテにしてますけど」
「そうだったね、集計結果は?」
「こちらに」
ほう~ダントツトップで、世界相手でも上か~
「本当にいい逸材だよ彼ら」
「それは同感です。」
上松部長は徹夜で仕事をするのであった
聖女の必殺はだいたい予想できますよね




