ツヴァイ防衛戦8
ツヴァイの町では
「冒険者たちが門を死守できなければ我々王国軍が民を守るために命を賭けるぞ」
「しかし隊長、我々はあの方々に何も恩返しが出来ていません」
「隊長、北側にドラゴンが出現しました。今戦っておられるのは我々や民を治療した、あの聖女様なのです。」
王国軍の詰所に冒険者たちがやって来た
「あんたがここの隊長か、俺たちは現地人の冒険者だ、俺たちも聖女様に助けられたんだ、だから恩返しが出来るなら俺たちも協力する。」
王国軍200人とツヴァイの町、現地人の冒険者60人は協力し、北側の城壁からドラゴンに大砲や弓で攻撃始めるのだった。
「お、援護か」
「全てはミリアのおかげだな」
「私が治療した人たちだらけだ〜」
「的が大きくなったから大雑把な魔法でも当たるよね」
「それじゃ、私から仕掛けるから遊撃は頼むぞアルト」
ミロクは『黒拳』でドラゴン形態のコキュートスに接近して殴りつけ、その場を離れる
アルトは流浪の刀と魔剣ソォル・フルーレに装備を変更し、2本とも『岩石剣』を使い土属性の鈍器にしか見えない剣でコキュートスを何回も斬りつけると血が出てきた。
NPCたちとケー5、ミリア、フィオの援護のおかげでミロクとアルトは上手く動けている
コキュートスの残りHPが30%になった時、コキュートスの身体から冷気が吹き荒れ、寒さのせいでHPゲージがじわじわと削られている
「ミロク、下がるぞ」
「了」
冷気の範囲外まで下がり、ミリアにヒールを掛けてもらいHPを回復した。
コキュートスの口には膨大な魔力と冷気が溜められていく
コキュートスがブレスを吐いた場合、射線軸にあるのは北側の門であり、その被害は城壁にいるNPCたちにまで被害が及ぶ
アルトは魔剣ソォル・フルーレを地面に突き刺し、何十層にもなる岩壁を作り、フィオはゴーレムを作りだし岩の壁の壁になり、コキュートスはブレスを吐いた
冷気のブレスはゴーレムを一瞬で消し飛ばし、岩の壁を破壊していき、ギリギリ岩の壁は残り2枚で止まったが、余波でアルトのHPは1で残った。
気合いの鉢金の隠し能力の食いしばりで即死ダメージを体力が残り1で留めることが出来る
「ミリア、全体回復 アルトを優先に」
「うん」
アルトの体力は回復したが次にブレスを使われると防ぎきれるか分からない
「ケー5、鏃が石の矢はあるか?」
「初級の矢だな、5本だけ残ってるが射程距離が短いぞ」
「こっちに来てくれ」
ケー5はこっちに来たため、ソォル・フルーレからカースドペインに変更する
「ケー5、石の矢に呪いを掛ける」
「口の中にぶち込んだらいいんだな」
「話が早くて助かる」
カースドペインから黒い雫が石の鏃に落ち、ドス黒く変色する
「ケー5、早く射て」
「お、おう」
石の矢はコキュートスの口の中で爆発した。コキュートスの体力は徐々に減っていることが確認出来た
「これ鉄には無理なのか?」
「鉄なら溶けるぞ」
2本、3本と作り、射るが素材の質が悪いため、コキュートスに届く前に爆発した。
4本目は折れていたため、ラスト1本
カースドペインの呪いを掛けてケー5が最後の1本を射る
矢はコキュートスの口から体内に入り、腹の中で爆発した。
コキュートスの残りHPは25%まで削り
NPCたちの砲撃は今も続いており、死に戻りの上位プレイヤーたちは北側に来たが俺たちの連携に交じれないため、蚊帳の外だ
「ケー5、ここからは総力戦だな」
「ああ、俺もとっておきを使うぞ」
ケー5は元の配置に戻り、アルトは装備を流浪の刀だけに戻し、コキュートスへ接近する。
見切りで弱点を探し斬りつけた。後方に下がりながら『飛炎斬』をお見舞いする 上手く距離を取ることが出来、冷気の範囲から脱出できた。
遠くから笛の音が聞こえた。競馬のファンファーレに似たようなメロディで頭に角が生えた白い馬が何処からか現れた。
ミリアがユニコーンの笛を使い、ユニコーンを召喚した。
コキュートスのHP残り23%、残り時間45分




