魔剣と魔槍を探す旅1
9月10日月曜日
20時前にログインしてクランハウスの庭でミリーゼとお茶を飲みながら話していた。
ケー5がミロクと付き合い始めたことによりソフィアへのちょっかいが無くなった。実に良いことだ
「お兄ちゃん、もうすぐだよ」
「分かってるよ、レイもお茶を飲んで落ち着いたらどうだ」
レイも席に座り、ミリーゼがお茶を注ぐ
「ん〜美味しい」
「良かったですわ、お茶漬けもどうぞ」
ミリーゼに勧められたクッキーを食べながらお茶を飲みレイは満足しているようだ。
「お兄ちゃん、のんびりしてていいの?」
「やることといえば魔導機械文明の遺跡の探索と魔剣を探すことくらいだぞ、レベルはカンストしてるし」
「遺跡の探索はクランで動くから休みの日限定だもんね〜」
「レイちゃん、アルト様は王国騎士団の訓練を手伝ってくださっていますわ」
「そうなの」
「はい、ここ数日は王城に行ってましたわ」
余りにも暇だったからミリーゼに付いて行ったらサクヤパパに捕まってな〜強制的にだけど初心に戻ることは大事だよね
時間は20時になり、ワールドアナウンスが流れる
『投票の結果が出ましたのでお伝えいたします。選抜された5名には改めてメールを送らせていただきますので確認の方をお願いします。』
ちなみにこのワールドアナウンスは天上人にのみ聞こえており、現地人には聞こえていない
『クラン月夜の兎 魔剣士アルト、クラン月夜の兎 聖女ミリア、クラン月夜の兎 クノイチレイ、クラン月夜の兎 魔槍士アナスタシア、クラン月夜の兎 アイドルメロディ以上5名になります。厳選な投票結果のため抗議は受け付けません』
俺、ミリア、レイ、アナスタシア、メロディって全員身内かーい、全員ユニークジョブやんけ〜
「あと5日しかないな」
「お兄ちゃんはどうするの?」
「俺はアナスタシアを連れて魔剣と魔槍探しに出る、レイはスキルの見直しと技の連携、熟練度を上げればいい、ミリアとメロディにも伝えといて」
「うん」
あと5日で魔剣を見つける、性能を試すはしないとな
「ミリーゼ、しばらく帰れないからごめん」
「アルト様には何か重要な役割りがあるのでしょう、私はここでお帰りをお待ちしておりますわ」
感極まってミリーゼを抱きしめた、レイがいることを忘れていた
「お兄ちゃん、私も」
「おう」
レイにも同じようにした。
「早速、準備して行ってくるから」
ダーク、ライト、トレノ、セル、エル、ロザリーのフルメンバーを連れて別荘の方へ移動、アナスタシアを探しに向かった。
「お、いたいた」
「どうしたの?」
「魔剣と魔槍を探しに行くぞ」
「????」
「ワールドPVPに出るんだから新しい武器を手に入れないと」
「OK、どこから探すの?」
「『アイン』に移動してから付近の森や洞窟を探して調べる『探知』系を覚えているなら簡単だろ、移動の足はダークかライトを貸すし」
「分かった行こう」
別荘からアインへ移動、アナスタシアにはライトとセルを貸した。ゾディアックとか悪魔がいるかもしれないし
「ダーク、行くぞ」
「ギャウ」
アインの外に出てから大きくなったダークの背に俺とエル、ロザリー、トレノが乗り移動した。
「御主人様はレイピアタイプの魔剣をお持ちでしたね」
「あるぞ、『ブラッディローズ』も装備出来ると思う」
「ロードとローズの『魔剣共鳴』と『真名解放』を見てみたいです。」
「『魔剣共鳴』は魔剣同士を共鳴させるからロザリーが持った状態でも可能だと思うぞ、実験しないと分からないけどな」
ダークの背に乗りながら『魔剣探知』を繰り返して上空から捜索する。引っかからないな
「御主人様、屋敷には戻らないと言ってましたが」
「街の宿に泊まるかロザリーの洋館かな」
と言っていたら探知に引っかかった。
「ダーク、降りてくれ」
「ギャー」
森の中に降りてから探知を繰り返しながら森の中を彷徨う
「同じ道を歩いていないか?」
「この辺りは『惑わしの森』でした。妖精かトレントでしょうね」
アインの西側にある森の中、2次転職以降から行くことが可能になる アルトは初めて
「メェ~」
「どうした、トレノ」
「メメメェ~メェ」
「ここは任せろって、頼むぞ」
「メェ~」
可愛いパンダの後を付いて行くことになった。
「マスター、トレノの後ろ姿が可愛いですね」
「トレノは可愛いぞ、エルもな」
最近、ロザリーの方が存在感があるため、エルが空気天使になりかけていたな
「マスター、お姉ちゃんと私も食べていいんですよ」
「何言ってんの?」
「ロザリーから聞きました。優しくされたって」
ロザリーを睨むと口笛を吹いてそっぽを向きやがった。
「堕天しないか?」
「大丈夫ですよ、堕天する天使は罪か罰か絶望するかなので」
「堕天使って多いの?」
「多いですよ、人の生活に溶け込んでいる者や封印されている者もいます。地上で活動している天使の方が珍しいですよ~」
「天使と堕天使は昔から変わっていないです。その変わりに『魔人』は見なくなりました。」
新たなワード『魔人』が気になる
「『魔族』っているの?」
「いますよ、彼等は特別な力を持った人たちですよ、ミイナさんは魔族に分類されますね」
鬼人族は魔族扱いか
「御主人様、私もよ」
「え、そうなん」
「そうなのです。」
話しながらトレノの後を付いて行くと苔が生えた岩に刺さったレイピアの様な剣を見つけた 探知にも魔剣だと反応があった。
「魔剣だな」
「マスター、お待ち下さい」
「隠れているのは分かってるから出て来なさい」
ロザリーが言うと敵意を持った全身緑色の女性が現れた
「『アルラウネ』か」
「マスター、正解です。」
「『ドライアド』なら話が分かるのだけど、御主人様、綺麗な女性に見えてもモンスターよ」
アルトは『流浪の刀』を装備して、臨戦態勢を取った
「マスター、くれぐれも森への危害を最小限に抑える戦い方をお願いしますね」
「森の精霊にこの森、聖獣もいたはず」
「そういう情報は事前に教えてくれよ」
アルラウネとの戦闘を開始した。




