祭り閉幕
トレノを肩車しようとすると両肩にかなりの重みが掛かった。
「ギャー」
「ギャーウギャー」
「完全に忘れてたわ」
ダークとライトに怒られた、オーク肉でなんとか許してもらえたがそろそろダイエットさせないとな
両肩にはダークとライトが居座り、ブランの背中にトレノが乗っている
「メェ〜」
「ワンワン」
「仲良いな~」
お祭りを見て回ると知り合いに遭遇した。
「アルトだ」
「お、えロフだ、ナンパはこの国ではやめておけよ」
「しないわ、そのフェンリル」
「ミリーゼのフェンリルだ、雄だからな」
「ワン」
「徹底してるんだな」
えロフと別れて別のエリアに向かうため人混みが少ない道を通っていると
「アルトくーん」
「ミリアにミロクとフィオじゃん 場所を変えるぞ」
人気のない場所まで移動した。3人は色違いのお揃いの柄の浴衣で可愛らしい
「人魚対策よね」
「祭りを壊さないためにも最大限の注意は必要だからな」
「あんた、ミリーゼの護衛は?」
「ヴィヴィアンに任せているし、何かあればブランが教えてくれる」
「ワン」
「ケー5は?」
「ソータくん、ゴローくんと来るって言ってたよ」
「ミロク、クラン解散の危機になる重大な話がある」
「聞きましょうか」
「ケー5、ソフィアさんに振られたらしい、アイドルの追っかけ的なことやっててかなり困ってるって話だ」
「ケー5くんならやるよね」
「ケー5だもんね」
「ハァ〜、PVPで決着つけようかしら」
「ミロク、本気か?」
「本気よ、このイベント終わったら果し状送りつけるわ」
明日、明後日と勉強するつもりが出来ないじゃねーか
「アルト、トレノちゃんをモフらせて」
「私、ブランくん」
「私、ダークとライトでいいかな」
4匹の尊い犠牲があった。
ミリアたちとは別れて、げっそりした4匹を連れて祭り会場に戻ってきた。
「ギャーギャー」
「あれが食べたいのか?」
「ギャー」
ダークが反応したのはイカの姿焼き、大きなイカが丸々焼かれている 醤油の香ばしい香りが狡い
イカの姿焼きを5個注文した。めちゃうま
「よく噛めよ〜」
「メェェェ」
トレノは必死にイカを食べていた。
「お兄ちゃん、見つけた」
「アルト発見」
「トレノちゃん法被着てる」
「うん、可愛い」
「移動するか」
レイ、アナスタシア、メロディ、ミイナと遭遇したため、場所を移動する。
「レイ、エリカとマドカは?」
「2人とも遅れて来るから」
「そうなんだ」
「このイベント、男女別行動だもんね」
「それな、人魚が男に飢えているせいなんだよ」
「オリヴィエは普通だったでしょ」
「アナスタシア、オリヴィエは成人した人魚じゃないからなんだよ、飢えている人魚は成人して100年以上生きた個体なんだ。人魚の国のほとんどが屋台を出しているんだよ」
「屋台が多い理由はそういうことね」
「あと、子を産んだ人魚は飢えていないらしいぞ 単為生殖らしい」
「単為生殖?」
中学生のレイには難しいかったか?これは生物の話だから保健体育ではないぞ 多分
「普通は雄と雌の生殖行為で子供が出来るんだ、単為生殖は番が必要ないんだ 1人で子供を産める」
「なるほど、アルト先生は保健体育の授業が上手いね」
「メロディ、生物の授業だからな」
「なんか、凄い」
クランメンバー全員にメッセージが送られてきた。
内容は
「私、ミロクはクランリーダーのケー5に決闘を申し込みます。」
全員にまたメッセージが
「その喧嘩買ってやるよ」
そして
「明日、12時 ツヴァイの東平原で待つ」
ミロクのやつマジでやりやがった。
「アルト、どういうこと」
「実はな、ソフィアに相談されてそれをミロクに話したらこうなった。」
「う〜ん、『スナイパー』と『魔拳闘士』ならミロクちゃんが不利だと思うけど」
「平原だからな、隠れる物がないし 対策はしてるだろ」
「アルトならケー5相手はどうする?」
「飛んでくる矢を全て迎撃して心を折る」
「さすがお兄ちゃん、鬼だね」
「さすおに?さす鬼?」
レイたちと別れ、城に戻った。イカの姿焼きが大きくて4匹とも満足したようだ
「アルト様、おかえりなさいませ」
「ただいま、ミリーゼ」
赤い浴衣を着た銀髪美女は美しすぎる
祭りの閉幕まで城で過ごしてからクランハウスへ移動して解散した。
ソフィアとサクヤを家まで送り届けることも忘れていない 2人とも仕事が休みの時は遊びに来るらしい
明日はケー5対ミロクの決闘だ、円満に終われば良いのだが




