ツヴァイ防衛戦4
ログアウト後、遅めの昼食を食べながらグループチャットを開くと水谷以外は入っていた。
錬治さんが入室しました。
「飯食ってる」
「俺もだ」
「男子、行儀悪いぞ」
「華ちゃん、私も」
「行儀のことはおいといて、ログインしてから西側にいくよ」
「助かる、光属性の矢は作れなかったんだよな」
「アンデッドって聖魔法に弱いんじゃ・・・」
「聖魔法の方が効くな、ヒールでも倒せるぞ」
「1番効果があるのが聖属性で2番目が光属性なんだよ」
「レンくん、アンデッドなら神官なんでしょ?」
「あの時は光魔法を誰も覚えてなかったじゃん、頼れるのはミリアちゃんだけだったし」
「光と闇属性は二次転職後に解禁みたいな感じだったしな~」
アンデッドと属性の話は終わり
「報告と議題な、報告は光属性強化の料理を戦場で作りました。」
「レン、マジなにやってんの?」
「隣りにいた私も周囲の眼が痛かったよ」
「どんな料理か気になります。」
「コーンスープで持続時間は10分 満腹度30」
「なかなかだな」
「ログインしたらミリアちゃんと三島に渡すから」
「了解」
「了」
「議題は天野弘子に関して」
「私は大迷惑」
「天野はどうなったん」
「剣に触れて、呪われて死んだ」
「あの剣の名前、呪殺剣にしろよ」
「姫とか呼ばれたくない」
「ミリア姫」
「レンくんなら許すよ」
「山本氏」
「なんだね三島氏」
「あの2人、付き合ってないの?」
「教室での彼らの関係を知っているかね?」
「ピラミッドの頂点と底辺」
「うっ、せ正解だ」
「明日、ピラミッドが崩壊の危機だ」
「崩壊は確定だな
とりあえず、天野は無視でいい、たかが騎士だろ、うちの魔剣士先生か魔拳闘士先生がいれば返り討ちにしてやるわ」
「山本は狙撃手だろ」
「俺も巻き込まれんの」
「アイアンクローされたくなければあきらめろ」
「うっす」
グループチャットから退出、エナジードリンクを飲んでカフェインを補給、この手のイベントは後半から長丁場になる 集中力を切らすとダメだからな
自室に戻り、ログインした。
「アルト~」
「フィオ、早かったな」
フィオは俺を見つけて近づいてきた。
「早く早く」
「はいはい」
コーンスープ×10を渡した。
怒鳴り声が聞こえてギャラリーが出来ている 俺とフィオが近づいて見るとミリアとケー5が装備だけ立派なやつに絡まれていた。
「ケー5、ミリアどうした」
「人望の無いやつがミリアの引き抜きしてきた」
「ああん、テメーどこのもんじゃコラ」
「俺を知らないとはもぐりか、日本トッププレイヤーのリンド様だ」
「だっせー自分で様付けってんぞ」
大声でいい、周りの見ているギャラリーが爆笑している
「アルトくん、言いすぎですよ 彼は山から下りて来たお猿さんなのですから」
「アルトもミリアも煽りすぎだろ、相手は人望なくて2日でクラン解散のお山の大将だぞ、名前もリンドヴルム辺りのドラゴンから取った名前だろ、竜騎士辺り目指して脳筋ビルドだぜ」
俺やミリアよりもケー5の方が煽ってる
「決闘だ、決闘しろ」
決闘を叩きつけられたしかも3対1、ハンディなし 素のレベルで戦うことになる
「格下相手に自称日本のトッププレイヤーがハンディなしとかイキってんちゃうぞ」
「うわ、アルトがマジギレしてる」
「そうなの」
「あいつキレるとたまに関西弁でるんだよ」
「サシで来いよ 三下が」
アルトは決闘を送りつけた。リンド側も承諾し決闘モードに移行
リンドは大剣を肩に担いでおり、対するアルトは右手に魔剣カースドペイン、左手に魔剣ソォル・フルーレを持っている
「お前が勝ったら何でも言うこと聞いてやるよ」
「男に二言は無いな」
決闘モードは負けるとペナルティが発生する。決闘相手とのレベル差によってペナルティは酷くなる仕様だ、3対1などの場合はレベル差の平均化はない、1対1の場合や2対2ならレベル差は平均化される
今回のイベントはイベント中はレベルが上がらないがイベント終了時に自分の倒したモンスターの経験値が付与されるため、30レベルと45レベルで15レベルの差を平均化するがペナルティはとても酷いことになる
決闘が開始されたが勝負は一瞬で終わった。
開始の合図と同時にアルトは『魔剣共鳴』を発動し、リンドがいる場所の地形が呪われた泥沼に変化 呪いはカースドペインの物で地形変化はソォル・フルーレの物、泥沼は共鳴した結果で、リンドは何も動くことも出来ずに呪いでHPが削られ消滅した。
「俺の勝ちだ、さっさと辞めろ 猿には難しいゲームなんだよ」
「今のは無しだ、俺が格下に負けるはずない」
「その呪い、聖女か白衣の天使クラスじゃないと解呪出来ないからな、さっきまで聖女ちゃんを引き抜こうとしてたやつが解呪してもらおうと思うなよ」
負けた猿はログアウトした。
カースドペインの呪いを解く方法はフィールドで死ぬか解呪するかだ、天野はフィールドで死んでるため解呪されている。フィールドで死ぬとデメリットが多い手持ちの金がなくなる、装備が破損状態になる、経験値が減るなど
この日1人のトッププレイヤーは姿を消した。その男はFRO恐怖症に陥ったらしい
「悪は滅びた」
「どう見ても、お前が悪魔だよ」
「褒めるな」
「褒めてねぇー」
「どっかのアホのせいで余計な時間を食った」
「俺はフィオと先に行く」
ケー5はギャラリーに混じっていたフィオを捕まえて西側へ向かった。
「ミリア、怖くなかったか?」
「アルトくんが来てくれるから」
ミリアの頭を撫でた、最近癖になってる気がする
ギャラリーからは尊いや撫でられたいなどの声がする
「見せもんじゃねーぞ」
周りのギャラリーは慌てて散った
「コーンスープ渡しておくぞ」
「ありがとう、頑張るね」
「ミロクはまだ残ってるみたいだから説明だけ頼むわ」
「うん、いってくるね」
「いってらしゃい」
ミリアは走って東側へ向かい、アルトも南側へ向かった。
南側の最前列は殴り神官で有名なモンクが前線で頑張っていた。
FRO発売後のCMで『邪を砕く聖なる拳モンク』というのが流れていた。
森の火災は沈静化されているが呪いはまだ健在だった。現在出てきているモンスターは通常ゾンビ、モンスター型ゾンビ、グールだ
「『飛閃斬』」
光属性の飛斬でゾンビを5体消滅した。
流浪の刀を装備して、『閃光剣』を発動、光属性の刀でようやく後半戦が始まりアンデッド狩りを始めた




