ツヴァイ防衛戦2
開幕ブッパしたアルトは後方へ下がり、ケー5と通信する。
「ハロー、そっちはどうだ?」
「雑魚ばかりか前衛が邪魔で射線が通らない、フレンドリーファイアがあるからな、それと開幕、討伐数34体叩き出した馬鹿がいるんだが」
「私だ」
「お前だったのか」
このネタわかるのこいつくらいなんだよな
「呑気に通信してるがどうすんだよ」
「死に戻りなら他の場所を選べるが、歩いても他のエリアにいけるらしいぞ」
「北か?北は日本の上位プレイヤーが謎に固まってるぞ」
「海外の上位プレイヤーの情報しか知らんぞ」
「日本のトップは45レベルでだいぶ離されているしな、人望がない、クラン結成2日で解散してるからな」
「この国の政治と同じレベルでやばいな」
「同感だ」
「クランリーダーだろ、許可してくれないか?」
「好きにしろ、終わったあと掲示板スレに書いといてやる」
「サンキュー」
いつの間にか俺の隣りにフィオがいた
「ケー5と何話してたの?」
「北に上位プレイヤーが集まっているのと日本のトップは人望がないクソらしいぞ」
「重要なことあるでしょ」
「ハメ外していいらしい」
アルトはとても笑顔だがそれが怖いと感じたフィオだった
「フィオ、森を燃やすのと呪いで汚染するのどっちがいい?」
「どっちもダメだと思うけど」
「さあ、実験を始めよう、魔剣カースドペインの呪いの実験」
「逃げちゃダメ?」
「エヴァンゲリオン初号機に乗るよりかは安全だと思うよ」
俺とフィオは最前列より少し後方で実験を開始する、フィオは『クリエイトゴーレム』を使いフィオと同じ背のゴーレムを作りだした。
「体力は120」
魔剣カースドペインから黒い液体が滴り、ゴーレムに垂らした。
「フィオ、ゴーレムを急いで突っ込ませろ」
「ゴーレム、GO」
ゴーレムは急いで森の方へ走り、モンスターやプレイヤーがいない所で爆発した。そしてその周囲はカースドペインの呪いで黒く変色している
「こんな感じでどう?」
「次、考えていることがわかったんだけど」
「イベント終了しても汚染されていたらミリアと一緒に浄化するけど」
「私は森を燃やす方向で頑張るからアルトも頑張れ」
フィオは逃げていき、ちょうど近くに通りかかったやつを捕まえる
「負けえロフ、実験に付き合え」
「なんで」
「俺に負けたから」
魔剣ソォルフルーレで岩を作り、バラバラに切り刻み手ごろな石にした。その石に魔剣カースドペインの呪いを垂らした。
「すぐ投げろ、爆発するぞ」
えロフが投げた石はゴブリンに命中し爆発、ゴブリンを倒したが辺りは呪いに汚染される
元々の呪いの主が俺だから呪いで死んだら俺の討伐数にカウントされるんだよね 遠慮しるかよ暴れるぜ~止めてみな
「魔剣士」
「正解、実験に付き合うか?呪いで汚染しようぜ」
えロフは一目散に逃げていった。
「ソォルフルーレでバリケードを作って呪いで爆発させるくらいか」
森を焼いてみよう
アルトは再び最前線に行き、魔剣カースドペインから『飛炎斬』が放たれる いつもは赤い炎の斬撃が黒い靄を纏っているようにも見え、迫り来るゴブリンがスパスパと切り裂かれ、死体は燃えながら消滅した、その炎は黒く見え、少しずつだが森を汚染していく
「炎が黒いぞ」
「俺がやったわ」
「はぁ?」
「森が燃えるかの実験、イベントが終われば元に戻ると思うしな」
「黒いのは?」
「魔剣の呪い」
「お前か、魔剣士」
南では魔剣士が呪いを振りまいているとすぐに拡散された。
ようやく1時間が過ぎた。
「フィオ、おつかれ」
「何してんのよ」
「森が燃えるかの実験と呪いの汚染、森から出てきたのは死に掛けだな、燃焼と呪いでダメージあるし、出てくる前に死んでるのは俺の討伐数にカウントされるぞ」
「鬼だ、鬼がいる それが本性か」
「いつも通りだって、ハメ外してるだけ」
ケー5から通信が
「そっちはどうだ」
「呪いの汚染拡大中」
「アルトはそういうやつだ」
「こっちはゴブリンの他にオークが現れて、後退する一次職が増えてきているな」
「こっちは森から出てくるのが死に掛けだぞ」
「マジかよ、こっちも頼む」
「了解」
通信が終わり
「フィオ、西側まで走って汚染してくる」
「言っている事がやばいけど」
「南は任せた、何かあれば通信してくれ」
「任されたから暴れてきなさい」
西側に向かうため走りだした。体感で5分くらい走り、MAP上にピンク色を見つけて、ケー5と合流する
「来たぜ」
「俺の作戦は2つある」
「教えろ」
「森を呪いで汚染する。森を燃やして呪いで汚染する。」
「燃やして汚染だな」
「運営側が対策してないのが悪いよな」
「自由度が高いから仕方ないだろ、次のイベントでは使えなくなるだろうし」
俺とケー5は西側を統括しているプレイヤーの所へ
「森を燃やして呪いで汚染していい?」
「森って燃えるん?」
「南で確認してきた」
「ということは南で暴れた魔剣士?」
「YES」
「頼んだ」
俺とケー5は最前線へ走る
「いい人だったな」
「あの人、一応中位プレイヤーだぞ」
「へぇー」
「南は誰が指揮しているんだ?」
「いないぞ、開幕ブッパして、お前と話して森を汚染する実験してたくらい」
「お前のせいで指揮権ぶっ壊れた気がするぞ」
最前線に着き、魔剣カースドペインから『飛斬連刃』を開幕と同じようにブッパし、『飛炎斬』をおまけで飛ばした。
南側よりも酷い火災と呪いの汚染が広まり、森から出てきたゴブリンやオークはほとんど死に掛けた状態だった。
「こりゃ、ヤベーな」
「森で死んだやつの討伐数は俺にカウントされるぞ」
「トップが600体越え、2位が200体、アルトの1人勝ちかよ」
「ワンフォーオール、オールフォアワン」
「景品しだいだな」
「東はどうなってる?」
「クラスの女子がいるらしい、そいつが騎士でミリアは馬の上からヒールを振りまいているらしいぞ」
「男子なら呪いに行ってたぞ」
「そのお前に対抗できるのがミリアだもんな傑作だぜ、ミロクから伝言、暴れに来いだってよ」
「南経由で東だな」
「フィオが怒っていたが何かしたか?」
「フィオのゴーレムを呪い爆弾にした」
「お前が悪い、あとで土下座しろよ」
「そうだな」
アルトは1度、南に戻った。
「俺も魔剣を作ってプレゼントしてやるか」
ケー5は後方へ下がっていった。
開始から2時間が経過し、ゴブリンの上位種が増えだした。南と西は森林火災と呪いのせいで弱体化しており戦線をキープできており、北側は上位プレイヤー陣の連携で戦線の維持が出来ていた
そして東は徐々に押され始めていた。
「数が多いな、『獣化』は今ではないし」
今回のイベントはランダム転移なのだが偏りが酷い、北にほとんどの上位プレイヤー、西は中位プレイヤーが多め、南には上位プレイヤーが3人ほどいるがアルトのせいで出番と存在が薄い、東は上位プレイヤーいない、中位プレイヤーが少しで二次転職後のプレイヤーや参加条件を満たした一次転職のプレイヤーが多い
東側、全体に地震が起きた、プレイヤーにはフレンドリーファイアの時と同じくらいのダメージで我が物顔で森から出てきた魔物は全滅していた。
「よう、間に合ったな」
「ケー5に連絡して正解だったな」
「ミリアは?」
「今は後方にいる」
「戦わせろ、光魔法メインなら大丈夫だろ 汚染は呪いだからミリアに聖魔法を使われるだけで俺の努力が無駄になる」
「あとで言っておくが面倒なやつがいてな」
「クラスの女子なのは聞いてる」
「天野弘子だよ」
「クラスの委員長ポジ」
「正解、ミリアの可愛さに騎士だから護ってあげたい欲がでたとか」
「ミリアは可愛いもんな、べったりなんだ」
「そうそう、本人に言ってあげなさいよ」
「俺、元陰キャの高校デビュー、向こうは高嶺の花のお嬢様、釣り合わない」
「はぁ」
「ミロクは下がって料理でも食ってろ、俺がなんとかする」
アルトは東でも森を燃やし呪いを振りまき、呪いと燃焼ダメージで消滅するモンスターが増え、討伐数は2位との差をもっと広めた
「ミリア、元気か?」
「アルトくん、頭撫でて」
「いい子いい子」
「元気でた、頑張るよ」
「森を燃やして呪って来たから、森から離れた所で魔法を使うように」
「うん」
「夜も同じな、神官じゃこの呪いは解けないから」
「うん、わかった」
「おい、お前、ミリア姫になんという口の利き方だ」
「ミリア、こいつ天野弘子?」
「そうだよ、ロコちゃんだよ」
「白馬の王子様、気取りのロールプレイかよ、今のままだとクランに入れないな」
「くっ」
「ロコ、可愛いもの好きはわかるけどミリアはあきらめな」
「お前かお前がミリアを」
掴みかかられたためとっさにカースドペインでガードしてしまい。剣に触れてしまった。
「あ!!」
「なにこれ?」
呪いが発動しHPをごりごり削っていき、死んでしまった。
「ありがとう、アルトくん お姫様って柄じゃないんだよね、まったく」
このことは掲示板スレで白馬の王子様ロールプレイした女から聖女様を魔剣士さんが救ったと大いに盛り上がることになった。
押されていた東側を魔剣士さん1人で押し返し魔剣の呪いでモンスターの弱体化までしてくれたと掲示板でまたお祭り騒ぎになった。
「東はいけるか?」
「弱体化してるなら大丈夫だろ」
ミロクは拳と拳をぶつけ合いながら言っていた
「ピンチになったら通信するよ」
「5分前に頼むな、南からここまでクッキー食べた最大速度でそのくらい掛かるから」
「わかった」
アルトは南に戻っていった。東側はミロクが指揮を執り、プレイヤーたちから姉御と慕われ、ミリアは聖女様とか聖女ちゃんと崇められた。
非公式ながら聖女ちゃんを応援するレスが信者たちにより作られた。内容は姉御×聖女ちゃんや魔剣士さん×聖女ちゃんなどのカップリング考察と目撃情報 誰もが気づく、聖女ちゃんには笑顔でいて欲しいことに
裏話:ミリアの苗字はオリジナルです。あとは卒業アルバム見て苗字と名前を組み合わせたり、漢字を変えたりしてます。
 




