真祖の吸血姫
ルビがなんか変になるので『血魔法』と書いてブラッドマジックと読むのでよろしくお願いします。
洋館の中はクランハウスや別荘よりも小さいが日本の普通の一軒家よりも大きい
「埃被ってるけど、掃除すれば住めるね」
「この洋館を持ち運びとか出来ればいいんだけどな」
部屋を見て回る、食堂と厨房もあり掃除しないといけないがかなり綺麗な状態だ そして
「大浴場だね」
「銭湯の風呂よりもでかいな」
「アルト、混浴する?」
「しない」
「アルトくん、タオルなら隠せるよ」
「それ外せるからな」
2階の部屋を見て回ると1部屋だけ鍵が掛かった部屋があった。
「ピッキングできる人いる?」
「アイドルだから出来ないよ」
「私も出来ないよ」
「アルト、任せてピッキングは得意」
アナスタシアが鍵穴にどこから見つけて来たのか細い鉄の棒2本でピッキングを開始
「あれ、スキルじゃないよね」
「ガチの技術の方だな」
「お姉さん、凄い」
1分後、鍵が開く音がした。
「完了」
「中に入るか」
扉を開けて中に入ると、部屋のど真ん中に大きな棺があった。
「吸血鬼かミイラか」
「ちょっと、驚かせないでよ」
「アルト、出番」
「アルトくん、お願い」
棺を開けるのは俺になった。棺に近づくと3人は部屋の外に逃げる準備をしている
「開けるぞ」
唾を飲み込み、棺を開けると中にいた人と目が合った。
アルトは部屋の扉の方を見ると、誰もいなかった
視線を棺の中に向けると腕を噛まれて血を吸われていた
痛くないけど、HP、TP、MPが徐々に減っている
「ぷっは〜、ごちそうさまでした。」
「えっと〜、どちら様?」
「吸血鬼の真祖で吸血姫のロザリー・ヴラッガム
あなた、私の眷属になりなさい」
長い紅髪の幼女は紅い目を光らせながら迫って来た
「遠慮しておく、『テイム』していいか」
「テイム?私、真祖よ、吸血姫なのよ、せめて契約って言いなさいよ」
「ドラゴンと契約してるし」
幼女はアルトの匂いを嗅ぎ出した。
「堕天使と天使の匂いがするし、ドラゴンと契約しているのは本当のようね
契約したら『血魔法』を使えるようになるわよ」
「考えるわ」
テイムするとワールドアナウンスが流れるよな〜吸血鬼か 確かヨーロッパのサーバーで吸血鬼族になったプレイヤーが現れたって話を聞いたな
「いいだろう、結ぶぞ!その契約!!」
幼女にキスされた、しかも舌を入れて来て何か液体を飲まされた。
「これで契約完了よ、なんて呼べばいいの?」
「俺は魔剣士のアルトだ」
「アルトね、ロザリーと呼びなさい」
ワールドアナウンスは流れないようだ
「この洋館はロザリーのか?」
「そうよ、私の『マジックハウス』よ 隠蔽魔法で見えなくしてたのだけど、アルトのドラゴンの属性は?」
「光と闇だな」
「光のドラゴンのせいね、アルトにプレゼントがあるから隠し部屋に行くから肩車しなさい」
「へいへい」
幼女ロザリーを肩車して部屋に出るがロザリーは頭をぶつけて痛そうだ
「アルトくん、大丈夫だった?」
「大丈夫だったぞ、幼女拾ったけど」
「可愛いいね」
「ふん、可愛くてとうぜんよ」
「アルトくん、生意気だよこの子」
「真祖の吸血姫様だから仕方ないよ、餌付けで調教していくから」
「調教されるの私、契約相手間違えたかしら」
アナスタシアとメロディさんもやって来た
「アルトくん、棺の中はその子?」
「そう、自己紹介しなさい」
「仕方ないわね、真祖の吸血鬼 吸血姫のロザリーよ」
「私、『聖女』のミリア」
「『アイドル』のメロディよ、太陽は大丈夫?」
「大丈夫よ、『聖水』が苦手なのよ」
「『魔槍士』のアナスタシア アルトの姉」
自己紹介が終わり、隠し部屋がある1階へ
「この部屋のこの壁、どこかにスイッチがあったのだけど」
手分けしてスイッチを探す、肩車した状態でしゃがんだり、立ったりして探すため、ロザリーは色んな場所で頭をぶつける
「アルト、降ろして、頭が壊れちゃう」
「仕方ないな」
ロザリーを降ろした。紅い髪の紅いワンピース着た、幼女もスイッチを探すがワンピースから紅いパンツがチラチラ見える
「スイッチ、押したよ」
「でかした、ミリア」
壁が崩れて宝物庫的な部屋が現れたが金銀財宝はなく、血のような紅い剣が1本だけ突き刺さっていた
「アルト、私からのプレゼントよ」
「幼女からのプレゼントって悲しいよな」
「もう、幼女幼女っ言わないでよ、元の姿に戻るのに時間が掛かるの」
「元の姿って?」
「ボン・キュッ・ボンの美女よ」
「自分で言ってて悲しくないか?」
「そこのアナスタシア並の美人になるわよ」
「それなら納得、幼女でも顔は可愛いからな」
「ふん、可愛いっておだてても何もないからね」
ツンデレさんだ、久しぶりに見た気がする
アルトは紅い剣を引き抜き、軽く振った
「軽いな」
「その剣は『魔剣ブラッディロード』私が与えた『血魔法』を使うことで能力を引き出せるわ」
「アルトくん、『血魔法』って何?」
「ロザリーと契約したら覚えさせられた魔法」
「真祖の私と契約したから『血魔法』を覚えれたのよ」
新しい魔剣も手に入れたため、洋館から出た 鍵が掛かっていたはずだが洋館の主であるロザリーが目覚めたおかげで外へ出ることができた。
「マスター、ご無事ですか」
「マスター、吸血鬼臭い」
「真祖の吸血鬼よ、格が違うのよ」
「はい、ストップ ロザリーと契約しちゃったテヘッ」
「「 はぁ〜 」」
なぜため息
「マスター、ミリーゼちゃんにどう説明するの?」
「契約しましたって」
「マスター、真祖の吸血鬼で女性ですよ、吸血鬼の女王なんですよ」
「王女と女王の違いか」
「アルト、ミリーゼってだれ?」
「この国の王女様で婚約者になっている」
「私から言うことはないわよ」
ロザリーは洋館を収納してから今日は別荘へ帰ることにした、帰りはダークとライト、ホーリーに乗ってすぐに帰還
別荘の庭にはキャンピングカーが出来ていた。
「フィオ、フィオはおるか」
「どうしたの?」
「完成したの?」
「魔導エンジンだけだよ」
「なんで出してんだ?」
「外じゃないと作業が出来ないんだよ、アルト キャンピングカーに乗ってる幼女がいるんだけど」
「ロザリー、降りてこい」
「何よ、もう」
ロザリーはキャンピングカーから飛び降り、肩車するような形で着地 男なら股間をぶつけて痛くなるやつ
「これは真祖の吸血鬼ロザリーさんだ」
「これって失礼ね、ロザリーよ」
「ウィッチのフィオだよ」
「これ、作ってるの?」
「そうだよ、あとは『魔導エンジン』だけなんだけど」
ロザリーはポシェットのようなマジックバッグを漁り、丸い物体を取り出した。
「これでいいかしら、昔、遺跡から見つけたんだけど」
「本物だよ、ありがとう」
フィオは『魔導エンジン』を持ってキャンピングカーの中へ入って行った
「で、アルト これは何?」
「キャンピングカーって言って移動出来る拠点だな」
「便利なのね」
別荘の中に入ると、メイド服に着替えたセルとエルが待っていた。
「マスター、ロザリーを預かるね〜」
「立派なメイドに矯正します。」
ロザリーはセルとエルに連れて行かれた、頑張れ〜
「アルト、赤い幼女はなんだ?」
「真祖の吸血鬼ロザリーだ」
「また変なもん捕まえて来たな」
「契約だったからな、ワールドアナウンスなくて助かってる」
「で、下見は」
「ロザリーのせいで行けなかった、遺跡の入口も見つからなかったな」
「明日、行くか」
「そうだな、夜でいいか?」
「そっちの方が助かる」
今日はログアウトした。ロザリーの様子は昼にでもログインして見に行くかな
 




