魔槍技を使えない魔槍士
馬車は密林地帯に到着した、密林地帯の中央には巨大な木があり、巨大な木から西に向かうと『ズィーベン』がたりさらに西側は砂漠地帯になっておりオアシスの町『アハト』がある。
北に向かうと第1王子クラウゼルがいる『ツェーン』
南に向かうと目的地の『ノイン』がある ノインの手間には門番モンスターはなぜかいない
「そういえば、ミロクは?」
「ミロクちゃん、風邪らしいよ」
「珍しいこともあるんだな」
俺とミリアは世間話している横で
「メロディさん、アイドルなんですか」
「そうよ、虹色エンジェルって知ってる」
「今人気のアイドルグループですよね、学校でも人気ですよ」
「メロディ、いいの?リアル事情」
「みんな、口堅いから大丈夫よ、多分」
「残りのメンバーはやらないんですか?」
「全員個性的でね、あとの3人はやらないかな」
「プロデューサーからはやるように言われてるけどね」
「日本限定でこのゲームの主題歌を歌うことになったんだよ」
「それ、まだ言っちゃダメでしょ」
アイドルと中学生が話している
フィオは何かを弄るのに集中しており、アナスタシアはミリーゼと会話している
「ミリーゼ、アルトのどこに惚れたの?」
「初めてお会いした時に頭から稲妻落ちたような錯覚に陥りました。本能的に彼になら全てを差し出せると思いましたわ」
「天上人と現地人で子を成せるの?」
「可能ですわ、レラルヴァ王国の開祖は天上人でしたわ。王家の文献に記載されております。」
「名前は?」
「名前の部分は書かれていませんでした。消されたではなくそもそも書かれていませんでしたわ」
「そう、それで近親婚が可能と聞いたけれど」
「ええ、レラルヴァ王国の法律では伯爵以上の爵位があれば可能ですわ、月夜の兎は冒険者公爵、公爵の名前ですがクランに与えられた物で伯爵と同等の権限がありますわ」
「なるほど、近親婚は可能になると」
「はい、アナスタシアさんがクラン面接に受かればの話になりますわ」
「ミリーゼ、お姉ちゃんから忠告よ もっと積極的に動かないとアルトは何もしないわ」
「ありがとうございます。お姉様」
「お姉様・・・・・いい響き」
馬車は止まり、屋根の上にいるブランが吠えだした
「マスター、モンスターが接近中です」
「マスター、私達が戦ってもいい?」
「アナスタシア、メロディさん、ミイナさん、ミリーゼで迎撃行ってきて」
「了解」
「もう、お姉さんの扱い雑だよ アルトくん」
「メロディ、行くよ」
「私も参りますね」
4人は外に出て、モンスターの迎撃を開始した。
「アルト、なんでミリーゼを行かせたの?」
「今週のイベント、ミリーゼも参加するだろ、だから今のうちに色んなパーティーと共闘して立ち回り方を考えさせるんだよ、『氷聖の魔術師』ってどうなんだ」
「私とミリアを足した感じかな」
「バフの種類は多くないけど回復魔法もあるし、氷魔法に特化してるから攻撃力もあるけど湖のイベントだからちょっと怪しいかな」
「味方も巻き込んで凍らす感じか」
「そうそう、凍らすだけならアルトが教えた方がいいよ、シーサーペント戦とかやってたじゃん」
「フィオさん、シーサーペント戦の話を聞かせて下さい」
「仕方ないな〜」
フィオはマドカにシーサーペント戦の時の話をしだした。エリカとレイも聞いている
俺とミリアは4人の戦闘を観戦
「メロディさんは楽器が武器なんだね〜」
「楽器はバフとかデバフ、魔法に使用だな、近接戦は剣で弓も使ってたぞ」
「そうなんだ、ミイナさんのあの角は?」
「鬼人族、追加された種族があっただろ」
「アップデートの時に追加あったね レアなんだ」
「金棒は鬼人族専用武器らしいぞ」
「鬼に金棒だね」
「上手くまとめたな」
アナスタシアの戦闘を観察する。2槍流はこのゲームには存在するが両方、短槍じゃないとできない、アナスタシアは短槍の魔槍を持っていないため、『流浪の槍』で戦っており、風魔法を使って攻撃速度を上昇しているようだ
「『魔槍士』って地味かな」
「『魔剣士』が派手すぎるからだろ」
アナスタシアは強い槍使いだ、これが今の戦闘を見た感想で、魔槍士とは呼べない 魔槍を使っているだけの槍使い、まだ自害するランサー兄貴の方が魔槍士と呼べる
「ミリーゼちゃん、強くなったでしょ」
「無駄な部分が多いな」
このゲーム、バフを掛けても能力が強いバフの方が優先されるため、パーティー内に同じバッファーがいる時は話し合いが必須だ
戦闘が終わり、4人が帰って来た。
「メロディさんとミイナさんは馬車に戻ってて、まずはミリーゼから攻撃と回復を優先にするべきだったな」
「バフの方は」
「メロディさんのバフの効果量が強かったからミリーゼのバフの効果に意味がなかった。武器に属性付与とかなら効果はあったな」
「勉強になりますわ」
「明日は海で特訓な」
「はい」
ミリーゼが終わり、ミリアと馬車へ戻った
「アナスタシア、このままだとただの槍使いと同じだぞ」
「風魔法を使っているけど」
「でもバフに使ってるよな、よく見ておけ」
アルトは『流浪の刀』を装備し、刀に風魔法を付与、『飛双斬』を放ち、木を切った
「これが魔剣技だ、魔槍技を使った戦い方をしないとステップアップしないぞ」
「どうすればいいの?」
「『魔法騎士』を『魔法使い』に変更、基本属性魔法と槍技を組み合わせた魔槍技を作っていくところから 俺は『魔剣士』になる前から開発していたけどな」
「明日から付き合ってくれる?」
「いいぞ」
アナスタシアへの説教は終わり、馬車に乗り込み、出発した。
次の戦闘ではレイ、エリカ、マドカ、ミリーゼが出撃、レイが強すぎてすぐに終わった。
その次は俺とミリア、フィオ、ミリーゼが出撃
アナスタシアに見せつけるように魔剣技を使い次々倒していった。
馬車は密林地帯の中央にある巨木に到着した。




