冒険者公爵(アドベンチャーデューク)
Extra1終わります。
ノックがされたため、返事をするとミリーゼが入ってきた。
「準備が整いましたので行きましょう」
城の大広間、チラッと見るとビッフェスタイルの食事に、グラスに入ったお酒を運ぶ給仕、タキシードを着た紳士とドレスを着た淑女が話し合っていたりと、アニメやマンガでよく見るパーティーだ
国王様と王妃様が入場した、話している貴族も話しを止め、国王様に集中する。
「此度は夏の社交界を開けたことがめでたい、ツヴァイでのモンスターによる大量襲撃、先日にもあった王都へのモンスター大量襲撃を見事に退けた優秀な冒険者たちを紹介しよう」
「皆様、行きますわよ 背筋を伸ばして堂々とですわ」
ミリーゼの助言通りに歩いてパーティー会場へ入場する
「この者たちは天上人だが、我々現地人のことをよく考えておる
孤児院から孤児を引き取り弟子として育てる手腕、騎士団の膿の排除にも協力しており、娘のミリーゼも慕っておる
聖女殿には妻の治療をしてもらった恩もあり、民の治療を無償でおこなっていると聞く
儂はこの者たちの冒険者クランに爵位を授けようと思う」
文句や拒絶はなく、拍手 会場全体から拍手の音が聞こえる
「『冒険者公爵』を授けよう、貴族としては伯爵と同様の権限、王国有事の際に協力をしてもらう」
『アドベンチャーデューク』と名乗っていいらしい
国王様からの紹介が終わり、そのままパーティーに参加
俺の隣にはミリアとレイがいるため、話しかけようとする相手はいないが
「アルトさん、この度はおめでとうございます」
「ありがとうございます。ソフィアさん 個人に与えられた爵位ではありませんよ」
話し掛けて来たのがソフィアさんだった、紺色のドレスがエロくてとても美しいな
「人によりますが爵位を獲たからと威張りちらす方が過去に入られたとか」
「爵位を持っても根が平民ですので普通に過ごしますよ」
一通り話し終えるとソフィアさんは行ってしまった。
「レイちゃん、今の人はお隣に住んでいる伯爵令嬢のソフィアちゃんだよ 面接の時に会ってるよ」
「覚えています。綺麗な人でしたけどお兄ちゃんには不釣り合いです」
「レイちゃんは私は?」
「今の所は普通です。」
「普通なんだ」
レイの判定はよく分からない
「アルト殿、こちらにおられたか」
「サクヤさん、どうも」
黃緑色のドレスを着たサクヤさんだ、会うときは和服か騎士団の姿が多いから新鮮だ
「アルト殿のおかげで騎士団の再編でとても忙しいですよ」
「あれだけ上が腐っていると仕方ないですよ」
「トーヤマ伯爵は?」
「父上はすぐに帰られました。人混みが嫌いなのとお酒が苦手、難しい話が苦手なのでこの手のパーティーには顔を見せて帰るのが毎回ですよ」
貴族として大丈夫なのか?
「兄上が父上の代わりにやっておりますので貴族としては大丈夫ですよ 兄上は武官より文官なので父上と衝突は多いですが」
「サクヤちゃん、何かあればうちに逃げて来ていいからね」
「ありがとうございます。ミリアさん」
サクヤさんも行ってしまった。ケー5の方は普通に話している あいつのコミュ力は凄いと思う
ミロクとフィオはセットで行動している
王国は人族が大半で他種族は少ない、帝国側は実力主義のため貴族や皇族も種族がバラバラだったりで入り乱れている
帝国に行けるようになったが王国側は俺たちを帝国に行かせないように貴族にしたのだろう
帝国に行くにはゼクスの町に行かないといけない、あの雪山越えを出来る実力者がどれほどいるか
「アルト様」
「ミリーゼ、おかえり」
「そろそろ、ダンスが始まりますわ」
「ミリーゼ、私と一曲踊っていただけますか」
「ぜひ、喜んで」
ミリーゼと踊る、練習通りモーション機能で身体が勝手に動いている
「冒険者公爵なら王族と結婚ができますわよ」
「なるほど、嵌められたか とんだ狸だな」
「お父様に聞かれたら『王命』を使って強制的に結婚させられますわよ」
「『王命』は天上人に使えないだろ」
「ところが爵位を与えられると王国民にも族しますわ 『王命』も使えますがどの程度まで命令できるか分かりませんが」
「逃げ道が完全に塞がれた感じか」
「同盟国に行くくらいなら大丈夫でしょう それと明日のリゾートに行く船なのですが、私の船を使うことができますわ」
ミリーゼと話していると曲が終わり、ダンスが終わった
「アルト様、明日が楽しみですわね」
次の曲が始まる前に次はミリア
「ミリア、シャル・ウィ・ダンス」
「うん」
曲が始まり、踊る
「足踏んだらごめんね」
「モーション機能に身を任せれば大丈夫だよ」
「夏休み、プール行くよね」
「行くことになったな」
「お祭りにも行くよね」
「ミリアに誘われたな、行くよ」
「じゃあ、泊まりに行ってもいい?」
「レイの部屋で寝るならいいぞ」
「楽しみにしてるね」
親戚の同じ歳の女の子が遊びに来たくらいに思っておこう 理性が持ってなかったら怜に手を出してるって普通
ダンスの途中から煩悩と戦っていてミリアとの会話を何も覚えていない
ダンスが終わり、最後にレイと踊る
「レイ、踊ってくれるか?」
「お兄ちゃん、好きなおかずは最後に食べる派でしょ」
「残念、最初に食べる派」
レイとダンスを踊る
「レイ、夏休みにミリアが遊びに来るけどいいか?」
「いいよ、今年の夏合宿はいかないことにしたから」
「部活の夏合宿って参加自由だったの?」
「顧問が部費を使い込んだことが学校側にバレて」
「顧問がいないから夏合宿が無くなった」
「正解、さすおに」
「俺、あんなに賢くない」
「私はあの妹よりスタイルがいいですよ」
「慎ましい方が好きな男もいるぞ」
「お兄ちゃんは大きい方が好きでしょ」
「さすいも」
「さすいもはちょっとどうかな~」
「さすしすは噛みそうじゃん」
「早口言葉にありそう」
レイとくだらない会話しているとダンスが終わった
「アルト様、撤退ですわ」
「早くないか?」
「これ以上いると貴族社会に飲まれますわ」
ミリーゼの忠告通り撤収した。クロセルは給仕の仕事を途中で投げ出す形になったがミリーゼが裏でねじ込んでいたから1人減ろうがあまり関係なかったらしい
帰りは大きめの馬車で全員乗り込んで出発した。
「ソフィアさん、綺麗だったな〜」
ケー5はソフィアさんと踊れたようで満足しているようだ
「あそこの料理、あまり美味しくなかったな」
「そうね、一味足りないのよ」
「アルトさんの料理で舌が肥えたからですかね」
「「 それだ 」」
ミロク、フィオ、エリカは仲良く話している ミリアとレイは眠っている
「アルト」
「どうした、ケー5」
「リゾートエリアで物件買えないかな」
「それいいな、帰って金を集めるか」
ミリーゼが突然思い出したかのように
「アルト様、次の社交界は10月ですけど参加しなくても良くて 全員参加が必要なのは12月の社交界ですわ
季節に合わせてドレスの新調も必要になりますわ」
「マジで」
「マジですわ、それとドレスは1着10万〜50万ほどになります。『冒険者公爵』なのでそれなりの身形が必要になりますわよ」
社交界デビュー、帝国に完全に行くことが出来なくなった。おまけにドレスにお金がかかる
貴族社会やべーな




