王都防衛戦12
アルトとレイは残り1時間で何体狩れるか勝負することにした
「アルトくん、レイちゃん、バフはいる?」
「無しでいいよ」
「こちらもです。」
アルトとレイは同時に動きだし、モンスターを狩り始めた
ケー5視点
「あんたも大変な御主人様を持ったな」
ケー5は新参者であり、話す事ができるクロセルに話しかけた。
「マスターのことを余り知らないのですが、それに『堕天使』をテイムするには光と闇の理を知る者でしかテイム出来ませんし」
「あいつ、『カオスマスター』とかいう職になってたな、そのせいだろう」
サブ職で得たスキルはそのままになるため、サブ職を極めた方がいいのがこのゲームだったりするのが普通の職をメインにした場合
メイン職がユニーク職の場合は破格な能力のため、サブ職はメイン職との相性を考えたりするのだが
サブ職もユニーク職だった場合、その先は本人にしか分からない 世界中のプレイヤーの中でメイン職サブ職がユニーク職のプレイヤーは2人しかいないからだ
「混沌の力ですか、納得です。」
「あんた、テイムされたなら手伝わなくていいのか?」
「マスターからは「見ていろ」と言われていますのでそれにダーク先輩も参加していませんので」
「ギャーギャー」
「それは本当ですか、ダーク先輩」
「ギャー」
ダークも偉くなったんだな、普段は小さいくせに
「スナイパー氏、スナイパー氏」
「おう、どうした トレハン氏」
「あの堕天使様は」
「魔剣士のテイムモンスター」
「また、新たな伝説が」
「今夜もスレが荒れるな」
「荒れますな〜」
シリュウも参戦した。
「ケー5の兄貴、アルトの兄貴の馬鹿火力は分かりますがあの超美人は?」
「あれはアルトの妹のレイ、メイン職はクノイチ」
「アルトの兄貴の妹君だと、詐欺では」
「それが本当だ」
「で、あそこの堕天使様は?」
「トレハン氏と同じこと言ってるな」
「トレハン氏ってあの情報通のトレハンさんか」
「俺がトレハンのパッチだ」
「自分、グラップラーのシリュウっす」
スレでしか話したことがない相手と直接会うことができるそれもイベントの醍醐味だ
「他にもスレの連中はいるぞ、全員魔剣士か聖女か姉御目当てだからな」
「姉御がいないっす」
「家の用事で先にログアウトしたぞ、聖女ちゃんはあそこで応援してる」
「今、止まった感じがしたんだが」
「多分、アルトが時間停止を使ったんだ」
「時が止まるってこんな感じなんすね」
「ケー5の兄貴、あそこの堕天使は」
「アルトがテイムしてきた。堕天使」
「意味が分からない」
「シリュウよ、情報通でも意味が分からないからな」
「意味が分からない、それも魔剣士伝説だろうな」
3人は色々語りながら、アルトとレイの戦闘を観戦している
そして時間は21時になり、イベントが終わった。
「レイ、何体狩った?」
「421体」
「負けた〜〜413」
アルトの敗因は時間停止を使ったからである、時間停止を使っている間、スキルが使えなくなる 必殺技や究極魔法のような奥義は使うことが出来るがアルトの場合は単体相手に特化しすぎているため、無駄が多くなる
レイの場合は『花魁』の魅了を使いモンスターの動きを封じて狩る 消費するMPも少ないため、アルトより戦闘の見栄えは劣るが確実に一撃で仕留めていた
流れるような作業をしていた。
『22時からメンテナンスをおこないます。時間までにログアウトするようにお願いします。』
「ミリア、ダーク、北に行くぞ」
「マスター、私は」
「クロセルも来い」
「お兄ちゃん、先にクランハウスに帰ってるね」
「気をつけて帰れよ」
「うん」
ダークに乗って北側へ、クロセルは羽根を羽ばたかせてダークの後をついて来ている
北側の天幕が見えて来たので着陸した。
「ホーリー」
「ギャーギャー」
「頑張ったんだね」
ミリアはホーリーをいっぱい褒めている
「ダークには感謝してるからな」
「ギャーギャーギャーウ」
「ダーク先輩はもっとご飯の量を増やせと申しています。」
「ダークさ〜食べ過ぎて太ると飛べなくなるぞ」
「ギャーウ、ギャーギャーギャーギャー」
「通常量でその代わり、グレードを上げて欲しいと」
「クロセル、略さなくていいぞ、グレードを上げると生肉になるけどいいな、『料理人』じゃ作れないし」
『料理人』ではこの世界の最高食材と呼ばれる食材を料理しても普通の物にしかならない、『料理人』の上位職にならないと作れないのだ
「ギャギャー」
「まぁ、アルト様、ミリアさん、お迎えに来てくれましたの?」
「約束してたからな」
「私もミリーゼちゃんに会いたかった」
「それでアルト様、そちらの方はどなたかしら?」
「お初お目にかかります。マスターのテイムモンスターになりました。堕天使のクロセルと申します。」
「まぁ、お話出来るのですね ミリーゼ・レラルヴァと申します。この国の第1王女でアルト様の専属メイド兼婚約者ですわ」
大声言わなくても、ライトはとてもお疲れのようだ
「ダーク、東側に頼む」
「ギャー」
「ホーリー、私を載せてくれる?」
「ギャー」
ホーリーは大きくなり、ミリアは背中に座る ダークには俺とミリーゼが乗り、東側へ 呪いの汚染を解呪しに向かった
「ミリア、本当にありがとう」
「アルトくんの呪いの解呪は私のお仕事だもん」
ミリアはホーリーに乗りながら呪いの解呪を終えた
「帰ろうか」
「今日は疲れたからね~」
「クロセルはミリーゼの下で働くように」
「はい、マスター」
「よろしくお願いしますね、クロセルさん」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
クランハウスに帰ってこれた
「ミリーゼ、そろそろ帰る」
「はい、ご苦労様でした」
「クロセルもミリーゼの言う事を聞くように」
「承知いたしました。」
俺とミリアはログアウトした、ケー5とレイは先にログアウトしたようだ。
ログアウトした俺はベッドの異変に気づいた。よく見ると隣で怜がすでに寝ていたのだ 服は着ているから怒らないが負けた罰ゲームは添寝って言ってたしな
「怜、おやすみ」
ベッドから出る気もなく、眠りについた




