王都防衛戦11
デッキ決まらない日曜日ですよ大会
堕天使とダークの速度はほぼ変わらないため、追いつけない、こちらの攻撃は速度を維持しながら回避される
「お兄ちゃん、奥の手使うよ」
レイがとりだしたのは鉤縄だ、縄の先に鉤がついた、よく高所を登る時に岩に引っ掛けて使う縄なのだが
「フィオさんの縄とケー5さんの鉤で作られた特別製だよ」
ケー5が言っていたのはこれのことだったのかでもPKやフレンドリーファイア対策とか言ってたよな 用途が違う
レイは鉤縄を持ち、インディ・ジョーンズの如く振り回し遠心力で投げた
フィオの特製縄は自動追尾のため、堕天使に絡みつこうと勝手に動く 見てる側からすると生き物のように動いて中々面白い 堕天使の右足に引っ掛かった
ケー5の特製鉤は麻痺効果があるが堕天使には聞いていないようだ
「レイ、離すなよ」
「うん」
「ダーク、下降」
ダークは下降し、急激な下降のため右足に縄が引っ掛かっている堕天使はバランスを崩して墜落した。
「よし、レイそのまま拘束を維持」
「うん」
墜落した、堕天使は起き上がった
「忌々しい人間め、私はゾディアック12将なのよ」
うわーまた出たよ
「悪魔じゃないのにゾディアック12将なのか?」
「これには色々と理由があって、『ヴァルゴの竪琴』と適正があったからゾディアック12将になっちゃったのよ」
「お兄ちゃん、あの人話しやすそうな人だよね」
「レイもそう思うか」
「タウロス、レオリアを倒してきた俺たちと戦うか」
堕天使は見事なフライング土下座をした。
「負けを認めますから殺さないでください、私には使命があるのです。」
「お兄ちゃん、話だけでも聞いて上げようよ」
「仕方ないな」
「ありがとうございます。」
堕天使の話が始まった
「私は元々天界でお仕事をしておりました。上司の失敗を部下の私に押し付けられて地上へそのせいで堕天したのですが」
トカゲの尻尾切りみたいなものか、天界も中々黒いな
「偶然にもこの竪琴を見つけまして、悪魔の仲間になっちゃいました」
「その使命ってなんだ?」
「天から来る異世界の勇者たちのサポートをするのが天界でも堕天した後でも私の使命でございました。」
天から来る異世界の勇者 ここでは天上人と呼ばれるプレイヤーのことだろう
「その上司の失敗ってなんだったんだ?」
「えっと、教会を通して各国の王に悪魔への対処法を考えよと神託を通すのが仕事だったのですがどこの国の教会も私腹を肥やすことしか考えない者ばかりで」
「もしかして、その教会って大きな所だけしか見てなかっただろ」
「え、はい どこも見栄えがよくて綺麗な教会でした。」
「王都のスラム街近くにある教会の神父はちゃんと祈ってるぞ 教会の見栄えは悪いけど」
堕天使は膝を付き崩れ落ち泣き出した
「お兄ちゃん、あの人可哀想だよ」
「上司のせいで堕天したもんな、本人は真面目なのに」
「どうにか出来ない?」
「えっと、堕天使さん 天界に帰る方法はありますか?」
「クロセルです。」
「えっ」
「クロセルとお呼びください」
クロセルってソロモン72柱にいたよな
「クロセル、天界に戻る方法は?」
「善行を行い、背中の羽根が白くなればいいと言われました。」
騙されやすい人なんだろうな、帰る方法も嘘だろう 堕天したら帰れないのが基本セオリーだろ
「クロセル、俺たちと来るか」
「いいのですか?敵対していたとはいえ」
「クロセルに気づいたのはレイだけだし、天上人でもゾディアック12将に勝てるのは俺たちぐらいだからな」
「クロセルさんのことを知っているのは私とお兄ちゃんだけだよ」
ミリア、ケー5辺りには話したと思うけどな
「それと『ヴァルゴの竪琴』の効果を解いてくれ、モンスターが強くなったのはそれの能力だろ」
「直ちに」
クロセルは竪琴を弾いた、軽快なリズムで弾いた音色はすぐに弾き終わった。
「これで大丈夫です。」
「やるぞ『テイム』」
ワールドアナウンスが流れた
『日本サーバーにおいてゾディアック12将の1人が倒されました。日本サーバーで現イベントのモンスターは弱体化されます。』
『日本サーバーにおいて、『堕天使』のテイムが確認されました。テイマーには運営よりアイテムを贈ります。』
「お兄ちゃん、やらかしちゃったね」
「今回はレイも同罪だからな、クロセル行くぞ」
「はい、マスター」
俺とレイはダークに乗り、クロセルは羽根を羽ばたかせて西側へ戻った。
「よう、アルト やらかしたな」
「アルトくん、その女性は誰かな?新しい女性なのかな?いつもモテるよね」
「俺のテイムモンスター『堕天使のクロセル』さんです。」
テイムしたためかクロセルは『ヴァルゴの竪琴』を使うことができなくなった 俺のアイテムボックスに入れてるが装備出来る職がな
クロセルには運営側からもらったアイテムを装備させるのだが大鎌、堕天使に大鎌、ベストマッチだよな
それとメイド服、能力上昇はしない完全にコスプレ用だ、クランハウスにいる間は着させよう
クロセルは白い肌に黒い髪をした、レイといい勝負をしているスタイル クロセル✕ミリーゼの百合本は売れそう
「イベント終了まで残り1時間だぞ」
「全力で戦うか?」
「それもありだな」
「じゃあ、私から必殺使うね」
今まで使っていなかった聖女の必殺技がついに使われる
ミリアから何も教えてもらってないため内容は分からない
「じゃあ〜やるよ『聖女の祈り』」
ミリアを中心に王都周辺にいる全てに人々に回復魔法が発動された 超広域回復魔法が『聖女の祈り』聖女の必殺技だった。
俺とレイは最前線に立った
「レイ、全力の勝負するか」
「いいよ、私が勝ったら添い寝」
「俺が勝ったら家で薄着禁止な」
アルトは『黒龍刀黒龍之滅爪』と『白龍剣白龍之光牙』を装備した。
草薙兄妹による、勝負が開始された。




