門番モンスターを倒せ
盗賊のバンダナを装備して洞窟の中へ潜入し、洞窟全体の簡易マップを確認すると赤い点で表示されているのは盗賊で合計15人、元々は30人はいたのだろう 緑の点で表示されているのはNPCで8人くらいだ
盗賊のレベルは15、ボスっぽいやつはレベル20、少し苦戦しそうだな
俺に近づいてきた盗賊が話掛けてきた
「見回りはどうだった?」
「見回っていたやつらが全滅していた、急いで頭に知らせないと」
「そりゃ大変だな、報告してくる」
盗賊の1人が報告に行っている間に俺は隠れて連絡手段を考えていた
「お前ら、武器を持て敵討ち出るぞ」
盗賊たちは武器を持ち洞窟の出口へ向かっていったため、ドデカイ『ファイヤーボール』を洞窟の外へ向けて放ち、バンダナを外し 洞窟の出口の方へ隠れて進んだ
外からは盗賊の頭の雄叫びとファイヤーボールが着弾した音がする。
盗賊のAIもそこまで馬鹿ではなかった 洞窟内へ引き返した盗賊が3人いたため、洞窟内で戦闘することになり、速射性が高い『アイスニードル』を盗賊へ向けて放つ
アイスニードル:氷柱を相手に向けて放つ魔法 消費MP2、最大5回までなら連射が可能 クールタイム5秒
魔力が高くないため、威力は低いが見切りと合わせて使うことで弱点にヒットしてHPの半分は削れている
『ファイヤーボール』を放つと盗賊たちは洞窟の外へ、引き返していった
俺も後を追うように洞窟の外へ出ると、ファイヤーボールが着弾した音がして見ると盗賊の頭が消滅しており、パーティーメンバーはため息を漏らしていた。
「アルトはファイヤーボール禁止」
「経験値分配と俺の成長の指輪でステータスの伸びもいいだろ」
「そこには感謝してるけど、技術面の向上がないのよ」
俺は感覚派だがミロクは反復練習で覚えるタイプだろう、ケー5の方は壁か飛んでる鳥を狙うくらいで練習になると思うが
「他の魔法は?」
「パーティープレイ中は魔法禁止」
「ミロクちゃんもほどほどにね、洞窟から出てきた盗賊が雄叫びを上げたらいきなり燃えてるからびっくりだよ」
「ほとんどが燃焼状態であとは楽だったけどな」
「洞窟の中に捕まったNPCがいたのと宝箱があったぞ」
全員で洞窟の中へ行き、ミリアはミロクに盗賊の七つ道具を渡し、捕まっている人の手錠や鎖の鍵を開けていき、ミリアは怪我を治していく
「ケー5、矢があったぞ」
「貰っておくか」
宝箱を見つけて中身を回収していくと
「おい、ケー5必中のピアスいるか」
「ピアスシリーズか効果は薄いけど顔や耳になら何個も付けれるぞ、その代わり穴の開いた場所は二度と塞がらない」
「何それコワ」
「リアルだとほっとけば塞がるから穴を固定するようにするだろ、耳装備はピアスよりイヤリングの方がいいぞ」
「穴、開けたくないな」
次の宝箱をケー5が開けるとワールドアナウンスが
『プレイヤー、ケー5がユニークアイテムユニコーンの笛を手に入れました。』
「お前もこっちの世界に来たな」
「不可抗力だ」
「能力は?」
「ちょ、待てよ」
ユニコーンの笛:純潔を守りし乙女がユニコーンを呼び出すことが出来る笛 聖女専用アイテム
「こっちは終わったよ〜」
「ワールドアナウンス、あったけど どっちがやらかしたの」
「ミリアさん、お疲れさまです。」
「もっと褒めてもいいんだよ」
「ミロク、俺もアルト側になってしまった。あとはお前だけだ、頑張って掲示板で晒されるようになれ」
「とりあえず、殴っとく」
ケー5はミロクのアイアンクローを受けてる、HP削れてるなこれって仕様なのか?
「ケー5が見つけたアイテムはユニコーンの笛で聖女専用アイテムなんだよ」
「そうそう、処女じゃないと使えないぞ」
「ケー5の悪い癖が」
「もう一発いっとく?」
「すみませんでした。」
ミリアはもじもじして
「私、処女だもん、キスもまだだもん」
「ミリア、場所をわきまえな」
「だってミロクちゃん」
「ミリアは可愛いぞ、どっかの朴念仁が気づけばいいのにね」
俺とケー5は聞かなかったことにした。
宝箱の回収も終え、NPCたちを馬車がある方へ誘導、ツヴァイの商会は捕まっていた人たちとアインへ引き返すことになり、大手の商会ツヴォルフ商会に恩を売ることができた。
「レベルは全員23か」
「いっぱい回復しました。」
「ステータスが普通の23レベルと比べたらおかしくなってるけどね」
「俺は悪くないぞ」
再びツヴァイ方面へ歩きだした。
「ケー5、サブ職はどうすんだ?」
「鍛冶士のままだな、二次転職で付与魔法士を選んで属性矢とかデバフ矢の製造を目指す感じだな」
「俺の場合はまた勝手に決まりそうだからな」
「それ初めて聞いたけど」
「メインもサブも最初から決まってた」
「お前のソフトか機器がおかしいのか?」
「買ったばかりだぞ」
「私には聞いてくれないの?」
「ミリアはサブ職どうするんだ?」
「良くぞ聞いてくれました、薬師だよ」
「なるほどな、いいと思う」
歩いているとモンスターとエンカウント、ミロクが全て倒してしまい。仕事がなかった
「クラン作らね?」
「ケー5くん、クランって何?」
「ミリアは知らないか、気の合う仲間が集まったサークルとか同好会見たいなもんかな」
「アルトくんの説明、分かりやすい」
「私もいいよ、退屈することなさそうだし」
「アルト、クラン結成の条件ってなんだ?」
「レラルヴァ王国の王都で結成出来るみたいだ」
「レラルヴァ王国ってどこだ?」
「ケー5くん、説明書って読む?」
「読まないな」
「初心者の私でも勉強したんだよ、ここはロザレクト大陸にある2大国の1つレラルヴァ王国、もう1つはラーンドルク帝国だよ」
俺も初めて知りました。
「ちなみに王都の名前はセンターだよ、町の名前はドイツ語の数字からきているみたいだよ」
それは俺も知ってた
「ツヴァイから王都までは1本道で門番モンスターはいないからすぐに作れるわけではないな、二次転職しないと結成出来ないぞ」
「最終日には二次転職とクラン結成を目指す」
「ツヴァイに着けばアインまでワープ出来るようになる、アンデッドダンジョン周回でいいんじゃないか?」
「それしかないよな〜」
「私、頑張るよ」
「ミリアが活躍出来るダンジョンだもんね」
「今日は門番モンスターを倒して、ツヴァイに行ってログアウトだな」
「グループチャットで相談かな?」
「クラン結成には5人必要だぞ」
「マジかよ」
「あ、当てがあるから聞いてみる」
「さすがミロクさんだぜ」
「アイアンクローいる?」
「けっこうです」
ようやく門番モンスターが見えて来た。地獄の門番じゃん
「ケルベロスさんですよ、ケー5氏」
「アルト氏、あれはケルベロスⅠさんなんだぜ、ケルベロスさんの中でも最弱」
「最弱がパーティーの平均レベルに調整すんのかよ」
「それがこのゲームだ」
門番モンスターケルベロスⅠに接近し、戦闘が開始された。
「弱点は首だ」
見切りで見える弱点は斬撃攻撃の弱点のみ、弱点属性は判らない
ミロクは斧と盾を持ち、受けタンクに徹し、ケー5の矢がケルベロスの身体に突き刺さる
「『貫通矢』ならダメージが通るな、ミリア、攻撃くらいなら大丈夫だと思うぞ」
「分かったよ『ホーリーボール』」
ミリアのホーリーボールはケルベロスにダメージを与え、HPが削れた
俺も実験をしよう
『アイスニードル』氷柱の大きさがどんどん大きくなってから放ち、『飛斬』をアイスニードルに当てると『飛氷斬』が完成され、新スキルを覚えた
氷の斬撃はケルベロスの右の頭に命中し、頭が凍りついた。
ケルベロスに接近し、もう一つの剣技『唐竹割り』を凍りついたケルベロスの頭に命中させると砕け散り、ケルベロスのHPが50%を切った。
唐竹割り:正面から叩き斬る剣技、頭に命中すると必ずクリティカルヒットになる TP10 クールタイム10秒
残りHPが50%を切ったケルベロスの行動に変化が起きる
残った2つの口からファイヤーブレスを吐いた
アルトは回避、ミロクは盾で防いでいるがHPが削られる、ミリアとケー5の位置まで攻撃が届かなかった。
ミリアはミロクにハイヒールを掛け回復させた
ジリ貧ではないがミリアのMPが尽きた時点で詰むことになる、あと一手が足りない
今ならウインドカッターに飛斬をでも飛斬はそもそも風属性で風属性に風属性を足してもせいぜい射程が伸びるくらいだろ
一か八か接近して近距離からの『ファイヤーボール』を放ちファイヤーボールの上からケルベロスに刀を突き刺した。 すると『火炎剣』を覚えた
火炎剣:剣に炎を纏わせる 剣技が全て火属性に変化する
消費TP10 MP10、持続時間120秒 クールタイム180秒
「炎の剣とか格好いいだろ、俺もとっておきを使う」
ケー5はオリジナルの矢を取り出してケルベロスの左頭に狙いを定め、『貫通矢』を使い射る
矢は左の頭の眉間に突き刺さり爆発しケルベロスの左頭は動かなくなり、HPは10%を切った
「ケー5、もう一発」
「とっておきだったんだぞ、もうねぇーよ」
「私がやる 『獸化』」
ミロクは武器を捨てベースになった動物、キツネのように四足歩行になり 牙と爪が鋭くなった
とても早い速度でケルベロスを攻撃し圧倒している
「俺、バカやるのやめるわ」
「それがいいと思うぞ」
ミロク1人でケルベロスの残りHPを削り切り勝利した。
ドロップ品と金色の宝箱が1つだけ残った
「腰装備やん」
ケルベロスの尻尾:腰装備、ケルベロスのような尻尾がチャームポイント 火属性強化、闇属性強化 レアリティSSR
「アルト、持ってけ」
「いいのか?」
「私、獣人だからいらない」
「私、もふもふ係」
「俺はケルベロスの素材、ケルベロスの血をもらうから」
念願の腰装備が手に入った
ツヴァイの町に到着して、ログアウトした。
アルト:レベル27
ケー5:レベル28
ミロク:レベル27
ミリア:レベル27
ログアウトすると身体を揺すられており、ヘッドセットを外すと絶世の美少女が目の前にいた
「レン兄、ただいま」
「おかえり、怜」
妹の怜がすでに帰っていた。




