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第十五話:蹂躙

 一気呵成に、手持ちのカードを使いきる連続攻撃で彼のLPを半分近くまで削った。

 このままいけると思ったが……。


『まずは、距離を取ろうか。……ぬおおっ!!』


 ・闇の波動 : 闇闇1

   : ☆☆

   : 攻撃

   : 自分以外の全てのプレイヤーと自陣以外の全てのモンスターに、2ダメージを与える。



 ダイスケ : LP20/20 → LP18/20

 マリ : LP20/20 → LP18/20

 レイ : LP18/20 → LP16/20


 彼から闇色の波動が全方位に放たれ、吹っ飛ばされてしまう。その際に、太い木にぶつかるが、衝撃はあっても痛くはないことに気づいた。LPも減ってはいないようだ。

 いや、そんなことよりも。


「マリ! レイ! 無事か!?」


 闇の波動でわずかに視界が塞がれたあと吹っ飛ばされ、2人を見失ってしまっていた。


『次は、一番厄介なきみからだ』


 ・血の(はりつけ)台 : 闇闇2

   : ☆☆☆

   : 付与

   : 対象のモンスターを『拘束』する。

   : 自ターン終了時に(闇)を支払う。次のターンまで『拘束』を継続する。対象のプレイヤーは1LP失う。


 彼は、レイの反撃をものともせずに、レイの首に触れて魔法を発動した。

 血で造られたような(まが)(まが)しい色の十字架に囚われてしまうレイ。

 手足と胴を(いばら)によって拘束されたレイのLPが減るのが見えた。



 ??? : LP21/40 → LP19/40

 レイ : LP16/20 → LP15/20



「っく……。すみません。やられました……」


「レイっ!? 待ってろ、今助けてやる!」


 拘束されたレイを救出するべく駆け出すが、


『次はきみだ。念のためそちらも潰そう』


 ・闇弾連射 : 闇2

   : ☆

   : 攻撃

   : 対象のプレイヤーかモンスターに、3ダメージを振り分ける。

 ・闇の触手 : 闇闇1

   : ☆☆☆

   : 付与

   : 対象のモンスターは全ての能力を失い0/1の『消耗』状態になる。この効果は、このカードが破壊されるまで続く。


 闇の波動を受けてもギリギリ耐えていた『神父』がマリを庇って闇の魔力弾を受けるが、そもそもそれが狙いだったようだ。

 神父が消えた直後、マリが闇色の触手に拘束されてしまった。


「マリっ!」


「む、ぐーっ!」


 口も塞がれ、しゃべることもできないマリ。

 手札が尽きた俺には、どうすることもできなかった。



『きみに、きみたちに恨みなど無いが……。蹂躙(じゅうりん)させてもらおう』







※※※






 そこから先は、一方的な展開だった。




 闇の魔力弾をなんとか横っ飛びで避けるが、あっという間に接近され、殴り飛ばされ、蹴り飛ばされる。


 氷の剣を手放すことはなかったが、素人がでたらめに……一応、カウンターを合わせたつもり……振ってみても、ダメージを覚悟している彼には全く通じず。


 剣道くらい習っておけばと後悔してみても、状況が好転するわけもなく。


「……くっそ、『砂嵐』!」


 ・砂嵐 : 火2

   : ☆☆

   : 補助

   : すべてのプレイヤーとモンスターに1ダメージ。このターン、すべてのモンスターは『戦闘』に参加できない。


 時間の経過でドローしたカードを使った、ダメージを伴ったわずかな時間稼ぎも、


『ふんっ!』


 ・闇の波動 : 闇闇1

   : ☆☆

   : 攻撃

   : 自分以外の全てのプレイヤーと自陣以外の全てのモンスターに、2ダメージを与える。


 それ以上の攻撃で文字どおり吹き飛ばされてしまう。


「これならどうだ? 『砂の巨人』!」


 ・砂の巨人 : 火3/3/3

   : ☆☆☆

   : モンスター

   : 巨人

   : 再生(火)


 巨人の名に相応しい見上げるほどの巨体も、


『……絶望せよ』


 ・闇へ誘う無数の手 : 闇闇

   : ☆☆☆

   : 補助

   : 対象の闇属性以外のモンスター1体を『追放』する。


 『砂の巨人』の足元に闇色の魔法陣が展開され、そこから涌き出した無数の手に掴まれ、絡めとられ、魔法陣に引きずり込まれてしまった。


「……マジか」


『呆けている暇があるのかね?』


 肩からの体当たりでまた吹っ飛ばされた。


 ダイスケ : LP18/20 → LP3/20


 すぐに立ち上がろうとするものの、


『そろそろ終わりにしよう。何か言い残すことはあるかね?』


 目の前に、彼の手が突きつけられた。


 あまりのことに、声も出せずにいれば、彼の手の平に魔法陣が展開され、今にも魔法が放たれようとしていた。




 ……ここまでか。




 完璧に詰んだ。諦めるしかないか。




 ……そう、思ったときだった。




「諦めないでくださいっ!」


 囚われ、口もふさがれているはずのマリの叫びが響き、俺の身体が暖かい光に包まれた。


・癒しの光 : 光

   : ☆

   : 回復

   : 対象のプレイヤーかモンスター1体は、3LP回復


 ダイスケ : LP3/20 → LP6/20


『どうやって抜け出した? だが、もう遅い』


 今まさに放たれようとしていた彼の魔法にノイズが走り、消滅した。


 ・相殺魔法 : 水水

   : ☆☆

   : 補助

   : 対象の魔法を『無効化』する。


「勝利宣言はまだ早いです。私たちは、まだ負けてない!」


 十字架から解放されたレイが、力強く宣言した。




 ……そして、たった今引いたばかりのカードにも、問われている気がした。




(ねぇ? ダイスケくん。諦めちゃうの?)




 と。




 ここまでされて、諦めるってヤツはいるだろうか?


 そうだ、まだ、負けてない。


 さあ、いくぞ()()()



「反撃開始だ。こいっ! ダイスっ!」




 ・使用したカード


 ・砂の巨人 : 火3/3/3

   : ☆☆☆

   : モンスター

   : 巨人

   : 再生(火)


 ・砂嵐 : 火2

   : ☆☆

   : 補助

   : すべてのプレイヤーとモンスターに1ダメージ。このターン、すべてのモンスターは『戦闘』に参加できない。


 ・相殺魔法 : 水水

   : ☆☆

   : 補助

   : 対象の魔法を『無効化』する。


 ・浄化の水 : 水1

   : ☆☆

   : 回復

   : 対象のモンスター1体に付与された状態異常をすべて取り除く。1LP回復。


・癒しの光 : 光

   : ☆

   : 回復

   : 対象のプレイヤーかモンスター1体は、3LP回復


 ・解呪の秘術 : 光1

   : ☆☆

   : 回復

   : 対象の付与/領域、秘宝カードを1つ『破壊』。



 ・闇弾連射 : 闇2

   : ☆

   : 攻撃

   : 対象のプレイヤーかモンスターに、3ダメージを振り分ける。


 ・闇の波動 : 闇闇1

   : ☆☆

   : 攻撃

   : 自分以外の全てのプレイヤーと自陣以外の全てのモンスターに、2ダメージを与える。


 ・血の(はりつけ)台 : 闇闇2

   : ☆☆☆

   : 付与

   : 対象のモンスターを『拘束』する。

   : 自ターン終了時に(闇)を支払う。次のターンまで『拘束』を継続する。対象のプレイヤーは1LP失う。


 ・闇の触手 : 闇闇1

   : ☆☆☆

   : 付与

   : 対象のモンスターは全ての能力を失い0/1の『消耗』状態になる。この効果は、このカードが破壊されるまで続く。


 ・闇へ誘う無数の手 : 闇闇

   : ☆☆☆

   : 補助

   : 対象の闇属性以外のモンスター1体を『追放』する。






※十四話時点 → 十五話

ダイスケ : LP18/20 → LP6/20

     : MP21/36 → MP14/36 

マリ : LP18/20 → LP14/20

   : MP28/36 → MP25/36 

レイ : LP18/20 → LP10/20

   : MP31/36 → MP27/36 

??? : LP15/40 MP256+/256+


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― 新着の感想 ―
[一言] ふおおおお、メッチャ胸熱な展開いいいい!!!!
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