さらば....ジョン
俺が暮らしている世界には 魔法 が存在している。
例えば、水魔法.....水を操る魔法 炎魔法.....炎を操る魔法
まぁこんな感じでだいたいは操作系の魔法だ。
しかしこの世界には『禁忌魔法』という封じられた魔法があるのだった。
☆
「見てちょうだいジョン!! 素敵な本を見つけたの!!」
そう目を輝かせてるのは幼なじみのエマだ。
「本....僕に見せておくれよ。」
僕の名前はジョン。
本好きの至って普通の子供だ。
「これね....禁忌魔法について書いてあるの!!」
「禁忌魔法....!! そりゃぁすごい!!」
僕たちは魔法を使って暮らしている。
水を操ったり、火を操ったり....猛獣を操ったりして生活しているのだ。
この世界の暗黙にはルールがある。
それは「禁忌魔法」には関わってはいけないこと。
禁忌魔法とは、
はるか昔の魔法使いが興味本意で作った魔法が
あまりにも強力すぎた。
いや、危険すぎたのだ。
呪文を唱えてたものは死に至るなどという噂話を多々聞くそれはそれは恐ろしい魔法なのだ。
だけど成功すればこの世の理が知れる、
億万長者になれる
などという夢物語もあるのだ。
「ジョン....試してみる??」
それに禁忌魔法に関われることなんて本当にない。
いや、あってはならない。
普通は怖がるものだが僕は違う。
体験してみたいのだ。
禁忌がどのようなものか
噂話が本当なのか
成功したら何が起きるのか...あぁ、楽しみすぎてたまらない。
しかし女の子のエマには危険すぎる。
もし失敗したらエマはどうなるかわからない。
「..僕がためしてみるよ。」
「ジョン....1人だけでやるつもり??」
「そうさ、僕一人でやる。
エマは見学して、このことを記録してよ」
「えぇ、わかったわ。」
☆
ペラペラ....軽く目を通して次へ次へとページをめくる。
そんななか気になる見出しを見つけた。
「 『未知なる世界への行き方』.....これをやろう!!」
「......わかったわ。ジョン、気をつけて」
「わかってるさ。」
魔導書を左手に僕は書かれている呪文を唱え始めた。
「我はこの世を統べるもの。我はこの世の理を壊すもの。禁じられし書物よ、この私の魂と引き換えに.....ッ...噛んじゃった。」
しまった。噛んでしまった。
途中で噛んでしまうこと=演唱失敗
唱えている物に災いがふりかかる.....それに今唱えていたのは禁忌魔法だ。
「ぐはっ、...ッッ」
身体の中が熱い....溶けてしまいそうだ。
「ジョン!!」
「来るな!!!」
真っ青な顔でこっちを見つめている。
きっと身体が溶けているんだろう。
「ぁ、っ..くっ、..!!」
全身に激痛が走る。
少しずつだが手足の感覚が無くなってきてる。
「....お母様達を呼んでくるわ!!」
そう急いで僕のものから離れていく。
きっと醜くて見ていられないんだ。
(ごめんね、エマ。)
きっと僕は死んでしまう。
僕一人でやればよかった。
しかしまだ僕は13年しか生きていない。
これじゃ死んでも死にきれない。
「.....は、、」
目の前が暗くなってくる。
確実に死ぬ。持ってあと1.2分だ。
そうだ。
僕は誇らしい。
禁忌魔法をやって死ぬ。
みながやらなかったことを成し遂げた....途中で失敗してしまったがな。
でも.....まぁ、色々思い残すことはあるが 死 はあまり悪いものじゃない。
(......受け入れよう。)
そして僕、ジョンは13年という短い人生に幕を閉じた。