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【書籍2巻2/10】感情を殺すのをやめた元公爵令嬢は、みんなに溺愛されています!【コミカライズ】  作者: 夕立悠理
二章

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占い

――そして片づけが最後まで終わり、ミランと共に女子寮に帰って、約束通りシルビアの部屋の前までやってきた。

「私たちの方が先にでたから、シルビア様はきっとまだいないわね」

「そうですね」


 それまでお話しして待っていようか、と話していると、扉が開いた。

「あら、二人ともいらっしゃい」

「え!?」

 シルビアの方が後に学園をでたのに、どうして?


 頭の中が疑問でいっぱいの私たちを見て、シルビアは微笑んだ。

「ふふ、二年生にもなると色んな道を知っているのよ」

「そうなんですね」

「ええ。さあ、入って頂戴」


 シルビアの部屋は、様々な大きさの星形の飾りが天井から吊るされていた。カーテンも紫色なので、とても神秘的だ。

「わぁ! とってもきれいですね」


 思わず歓声を上げると、シルビアは嬉しそうに微笑んだ。

「わたくしも、この部屋を気に入ってるの。だから、嬉しいわ」

 そして、私とミランはソファに座るように、と言われたので、大人しく座って待っていると、シルビアが紅茶を入れてくれた。


 お礼を言ってありがたく受け取ると、シルビアも向かい側のソファに座った。

「さて、どちらから占いましょうか‥‥‥の前に、二人はお互いに占い結果が聞かれても気になさらない?」


「もしかして、ご褒美というのは……」

「ええ、わたくしの占いよ」


「よろしいのですか? ほら、私たちは一位ではないのに」

 ミランが私も疑問に思っていたことを、尋ねてくれた。


「もちろんよ! それで、さっきの質問の答えだけれど‥…」

「私は、ブレンダさんでしたら気にしません」

「私もです」


 私たちが頷いたのを確認した後、シルビアは、ならこのまま占うわね、と言った。

 占いなんて、初めてだからドキドキする。

「それで、どちらから占う?」

 私とミランは、お互いに譲り合い、なかなか順番が決まらなかった。そこで、シルビアが苦笑しながら、より近い距離にいるミランから占う、と決めた。


「ミランさん、あなたは……」

 シルビアは、じっとミランの瞳を見つめて、占いだした。カードや水晶は使わないのかな。そう疑問に思っていると、シルビアがそれを見透かしたように教えてくれた、


「ああ、言い忘れていたけれど、わたくしの占いは、その人の瞳を見て、占うの」

 へぇ、そんな占いもあるんだ。感心しながら、ミランの占いを聞く。


「あなたは、ご実家で疎外感をずっと感じているのね」

「! ええ、そうですわ」

 ミランが大きく頷く。そうなんだ。でも、思い返してみれば、ミランに家庭事情を聴いたことはあまりないかも、


「でも、それもじきに無くなると出ているわ。あなたは、この先を歩んでいくべき、パートナーがいるでしょう。その方が支えてくれるはずよ。あなたはきっと幸せになれるわ」

「わかりました。ありがとうございます」

 ミランは、ほっとした顔をした。歩んでいくべき、パートナー。きっと、クライヴのことだろう。


「では次に、ブレンダさんだけど――」

 私の瞳を、シルビアは見つめた。

「ブレンダさんは、中々複雑な星に生まれたのね。でも、大丈夫よ。あなたは、運命の相手ともう出会っているわ」


 運命の相手、とは、誰のことかな。一瞬、アレクシス殿下の顔が頭に浮かぶけれど、その想像を追い出す。いえ、そんなはずないわ。


「これから、あなたはこの学園で様々なことを経験し、感じることも多いでしょう。でも……、あなたの未来には明るいものが待っているわ」


「ありがとうございます」

「でも……」

 占いは、それでもう終わりかと思ったけれど、シルビアは表情を曇らせた。

「でも?」


「ブレンダさん、最近変なことはない?」

「変な、こと?」

 以前もそんなことをどこかで聞かれたような。でも、思い返しても、特に奇妙なことが身に起こっているとは思わなかった。なので、首を横に振ると、シルビアは、それならいいの、とほっとした顔をした。

「これで占いは、おしまいよ。二人にまだ時間があれば、せっかくだから、もう少しお話ししない?」

 ――明日は学園がお休みなので、三人で夜が更けるまで楽しくお話しした。



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― 新着の感想 ―
[一言] シルビアは薄々気づいてる感じかな? 気づいてなくても何か感じてるのかも
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