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【書籍2巻2/10】感情を殺すのをやめた元公爵令嬢は、みんなに溺愛されています!【コミカライズ】  作者: 夕立悠理
一章

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31/150

事実

 ダンスパーティの翌日である今日は、休日だ。何をしようか、と考えているとミランが訪ねてきた。

「ブレンダさん、今、大丈夫かしら?」

「はい。もちろん」


 ミランを部屋に招き入れ、紅茶を入れる。

 うん。いい香りだ。


 ミランと自分に紅茶をおくと、ミランはありがとう、と微笑んで真剣な顔をした。

「……?」

 どうしたんだろう。首をかしげていると、ミランはゆっくりと話し出した。

「落ち着いて聞いてね」

「……はい」


 そんなに深刻な話なのだろうか。

「アレクシス殿下がダンスパーティで踊ったのは──、あなたと私だけなのよ」

「……それは」


 あまりのことに冗談ですよね、と言おうとして、言えなかった。そのことに気付いたミランもそうよね、と頷いた。


「冗談、だったらよかったのだけれど……」

 事実なんだ。

「アレクシス殿下は、あなたとローリエ様がいなくなったあと、私をダンスに誘われたの」

 あれ? でも……。

「アレクシス殿下は一曲目は誰と踊られたのですか?」

「……誰とも踊っていないわ」


 だから、私とミランだけなのか。

 でも、まだまだダンスパーティは続いたはず。それなのに、どうして。


「アレクシス殿下は私と踊ったあと、医務室に行くとおっしゃって、会場を後にされたわ」


 医務室に? アレクシス殿下は体調が悪そうに見えなかったけれど。実は悪かったとか?


 そんなことあり得ないと思うけれど、私の様子が気になった?


「とにかく、明日からは気を付けた方がいいかもしれないと思って、今日は伺ったの」

「……そう、ですね」


 アレクシス殿下が体調が悪かったのなら、どうしようもないことだけれど。私がアレクシス殿下と踊った、二人のうちの一人だという事実は変わらない。


「アレクシス殿下のことは、生徒会以外しばらく避けた方がいいでしょうね」

「……わかりました。ありがとうございます、ミラン様。ところで」


 私は暗くなった空気を変えるように話題を変えた。

「アルバート様とのダンスはどうでしたか?」

「!」


 ミランの顔が急に真っ赤になる。とても可愛い。

「ど、どうって、別に普通よ」


 果たして普通だったら、そんな顔をするだろうか。これは友人として詳しく聞かなければならない。なんて、使命感にかられた私は、夜になるまでミランとお話ししたのだった。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] 真っ赤になるミラン様はこの作品の癒しです。 第1王子がまともな人ですよ~に~(祈り)
[良い点] 主人公が悩んだり見返そうとしたりといった後ろ向きな考えではなく、幸せになれるように前向きに生きているところ [一言] 王太子の行動を客観的に見ると、 スコット公爵家令嬢との婚約を一方的に破…
[一言] 殿下は楽しそうに二人の世界で踊るのを聞いていたのかな。ちょっと残念な彼は何を考えたんでしょう。 それはさておき、ブレンダを心配するミランも赤くなっちゃうミランも可愛いです!お部屋の壁になりた…
感想一覧
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