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【書籍2巻2/10】感情を殺すのをやめた元公爵令嬢は、みんなに溺愛されています!【コミカライズ】  作者: 夕立悠理
一章

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25/150

パートナー

 放課後。今日は生徒会はお休みなので、図書室で勉強でもしようと向かっていると、ジルバルトに出会った。

「……はぁ」

 大きくつかれた溜め息に、首をかしげる。

「どうしたんですか?」

「そろそろ例のアレがあるでしょ? それが、憂鬱でさ」


 例のアレ。……ダンスパーティのことだろうか。私が尋ねると、ジルバルトは頷いた。

「そう。三年は担任から、参加しろって圧力をかけられるんだよね。ほんと、めんどくさい」

「体調不良になられるご予定は?」

 ジルバルトは意外そうな顔をしたあと、にやりと笑った。

「ブレンダ、意外とやるね。でも、残念。流石にダンスパーティだけ体調不良七回目は、まずいでしょ」


 七回目。年に三回あるはずだから、ジルバルトは今まで全てのダンスパーティを欠席していることになる。


「……はぁ。やっぱり、パートナーがいないと格好がつかないかな。でも、誘いたい子なんて……ん?」


 ジルバルトは、私をちらりと見ると、にっこり笑った。……なんだか、嫌な予感がする。

「ねぇ、ブレンダ。ボクのパートナーになってよ」

「……いやです」


 私が首をふると、ジルバルトは目を瞬かせた。

「どうして?」

「宵闇の貴公子様のパートナーだなんて、恨まれてしまいますから」


 ……そう。ジルバルトは、その整った容姿で、宵闇の貴公子と呼ばれているのだった。


「……そのことなら問題ないよ。ボクが爵位を継がないことがわかると、みんな手のひら返しだったから」

 爵位を継がない? でも、ジルバルトは長男じゃなかったかしら。私が首をかしげると、ジルバルトは苦笑した。


「弟が継ぐことが決まってる」


 ……そうなんだ。

「……というわけで、どう?」


 うーん。私はアレクシス殿下と一曲は踊らないといけないから、ダンスパーティに参加することは決まっている。一曲だけ踊ったら、帰ろうかとも思っていたけれど、それはそれで変な勘繰りを受けそうだ。


 それならジルバルトのパートナーになって、ジルバルトと踊ったり、お話ししたりした時間を作る方が、いいのかも。


「わかりました」

 頷くと、ジルバルトは破顔した。

「ありがとう」


 ……やっぱり、ジルバルトの笑みは破壊力がある。


「何か足りないものはある? お礼に贈るよ」

「いえ、大丈夫です」

「そう?」

「はい」


 ……と、そこで丁度図書室についたので話を切り上げ、席に座る。


 放課後の図書室も静かでとても集中できた。

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