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【書籍2巻2/10】感情を殺すのをやめた元公爵令嬢は、みんなに溺愛されています!【コミカライズ】  作者: 夕立悠理
三章

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100/150

自信

遅くなってしまい、申し訳ありません!

 学園に着いたので、ルドフィルと別れ、図書室へ。

 図書室では、今日もジルバルトがいつもの席に座っていた。

「おはようございます」

 小声で挨拶をして、私の定位置――ジルバルトの隣の席だ――に座る。

「おはよ」

 ジルバルトは、こちらを見て微笑んで挨拶を返すと、また視線を問題集に戻した。

 ……そういえば、学園で成績が優秀な人は、三年生の今回の期末テストが終わった後くらいに、数々の就職先の推薦状を貰えるのだという。

 その推薦状を貰えれば――もちろんその後も好成績を維持するという条件付きで――、確実に就職できるらしい。


 そして、なんと、その推薦状の効力は、国内最高峰の研究機関たる天文塔も例外なく働く。

三年間ずっと好成績を維持してきたジルバルトは、もちろん、天文塔に手が届くだろう。

 ……私も、負けないように頑張らなくっちゃね。

 そう気合を入れなおして、問題集を開く。

 問題集に、間違った問題は星形のマークを入れているのだが、期末テスト範囲の問題は、中間テストの範囲と比べてそのマークが多い。


 それだけ、内容も中間テストと比べて複雑になっているということ。

 ……それでも、私は、今回の期末テストでも上位に入らないといけない。

 ――星がある部分を中心に解いているうちに、図書室での時間は過ぎていった。


「ブレンダ」

 予鈴がなる少し前に、鞄に勉強道具をつめていると、小声で話しかけられた。

「ジルバルト様?」

 でも、ジルバルトと視線が合わない。

何を見てるのかな。

その視線の先を追いかけると、まだ開きっぱなしの問題集があった。

「こっ、これは……!」

 慌てて、問題集を閉じる。

「勝手に見てごめん」

「いえ……でも、星ばかりでお恥ずかしいです」

「ブレンダは、間違えた部分に星をつけてるんだったよね?」

「……はい」


 よりにもよって、一番星が多いページを開いていたので、呆れられたかもしれない。

「恥ずかしがるようなことじゃないよ。ブレンダが努力している証だし、一年生のこの時期から内容が複雑になるから」

「ありがとうございます」

 うう、慰められてる。

「僕も、苦手だったんだよね、その範囲。でも、その部分は、後々使うからわりと重要。だから――」

 もっと、勉強した方がいいっていうことよね。

「よければ、今日の放課後、ボクが教えようか?」

「え?」

 予想外の言葉に驚く。

 ジルバルトの教え方は丁寧でわかりやすい。

 教えてもらえるのは、とても嬉しいけど……。


「でも、ジルバルト様も重要なテストを控えていますし……」

 何といってもこの試験が終われば、推薦状を貰えるのだ。特に、ジルバルトは爵位を継がないから、就職先が決まる推薦状は重要なはず。

 ……けれど、ジルバルトは笑った。

「ボクを誰だと思ってるの」

「!」

 自信満々な言葉だけど、ジルバルトが言うと様になる。

 その自信は努力と結果に裏打ちされたものだと知っているから。

「……そうですね。お願いしてもいいですか?」

 私が頼むと、ジルバルトはもちろん、と頷いた。

 そこで、丁度予鈴が鳴ったので、急いで片付けて、解散する。

――放課後、楽しみだな。

 午前と午後の授業は、放課後のことを考えながら受けているうちに、瞬く間に終わった。


いつもお読み下さり、ありがとうございます。

この小説の書籍が、9月20日に発売される予定です。

何卒、よろしくお願いします。

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