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死にたがり。  作者: 無花果りんご
7/7

護られた閉鎖空間。

台風のルート予想を見て笑う朝。

備えあれば憂いなし!


記憶の無い時間が増えていく。

空白は自分では埋めることも

制御することも出来ない。


ただただぼうっと一日を過ごす日が多くなっていった。


週に何度か面会に来る両親。

何故こんなにも攻撃的で高圧的なのだろうか…

少しずつ静かな時間に慣れ始めていた私は

母親と面会した夜に不安発作を起こすようになった。

手が付けられないほどに暴れ叫び自分を傷つけた。

そんな日は、鎮静剤を打たれ眠りにつく。

見兼ねた医者は母親に面会謝絶を突き付けた。


この閉鎖的空間で、私は守られたのだ。


なんにも無いただ時が流れているだけの真っ白な空間で

初めて母親の声を聞かなくていい生活が始まった。


まず、不安発作の回数が減った。

記憶が途切れる時間が減った。

血まみれで目が覚めることがなくなった。


ストレスからの解放は早い方がいい。

慢性的なストレスは十分に心を壊す。

なるほどな、と身をもって体感した。




順調だと思いきや、

暫くして私は主治医ともめた。

どうしてもどうしても許容出来なかった。



何の薬を飲まされているのか教えて貰えないのだ。



入院してからぐっと投薬量が増えた。

一日に30を超える薬量だ。

それなのに看護師も医者も薬の内訳を教えてはくれない。

嘘だと思うだろう。

本当なのだ。

主治医に聞けと言う看護師

鼻で笑い教えてくれない主治医



そして入院してから暫く経った診察の日。

主治医が私に


もっと頑張れ。

頑張りが足りない。


と、言った。

もうここに入院していたら駄目だと思った。

診察の後、部屋に戻り財布からテレカを取り出し

公衆電話にむかった。

久しぶりの母親の声。



どうしたの?



優しかった。

声が聞いたことないほど優しかった。

この理由は後ほど知ることになるのだが今は置いておく。




一週間後、自主退院が決まった。



最後の主治医は凄まじかった。

ああ、私はこんな人に助けを求めていたのかと落胆した。

入院時診察してくれた先生が主治医になってくれていたら

こんなことにはならなかったのだろうか。


最後の診察の時、主治医はこう言った。



「本当に退院していいの?振り出しに戻るだけだよ?

別になんの薬飲んでたって症状和らいでるんだからいいじゃない。

薬の名前知ってどうするの?どうせ分からないでしょ?

あ、自主退院だから紹介状書かないから。

病院?そんなの自分で探せば?」



畜生である。

未だに精神科医をされているようだが

よく訴訟されずに続けて来れたなと思う…。



私は半年ぶりに家に帰ることとなった。



私、医者運が皆無でして。

後に素晴らしい主治医と出会うのですが

その間も意味不明な医者に何人も遭遇します。

いい医者ってどうやったら出会えるの?

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