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届かない季節、応対  作者: さしみ―@343x343
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はじま

人によってはそれを差別だとも言うだろうさ。人でなくても、か。

もう一度だけ、振り向いてはくれませんか?…いえ、言ってみたかっただけです。

いーや、それはないわー。何がって言われるとちょっと困るけど、ないわー。


…足りないか?

もうすぐだ。私の記念日は。




古来から日本にある、または何者かが意図的に伝えてきた伝承に、なにやら首が六本七本とある化け物がいたはずだ。あいつに僕は恨みを持っている。いや、あいつがけんかを売ってきたんだ。

たしかあそこはトンネルの前だったと思う。いや、自分の夢の中の話だ。曖昧さは勝手に決めてしまおう。トンネルの前だ。特に怖い、鬱蒼とした草に塗れた暗くて人が寄りもしないようなトンネルにしよう。


僕は佇んでいた。


何をしていたとかではない。もう一度言うが夢なのだ。どうしたとしても意識の向こう側の世界なのだから、見ている僕に手出しはできなかったであろう


トンネルの奥から大きな唸り声。エコーがかかるはずのその音は、しかしはっきりと耳に届き、威嚇する。


正解などない。だが、不正解に近い結末に歩んでしまった、とまでは言っておこう。


僕は歩くことを選択した。眼の前に広がるであろう恐怖を予測していたにもかかわらず。



…ああ。ここで夢が覚めたのか。

これは朝か?…朝だ。


眼の前に広がったのは、恐怖ではなく憂鬱感であった。今日も、か。

身支度を済ませるのも一苦労で、僕はこの時間が一番キライだ。

いっそ光合成できたら食べることなく生きていけるのにな。肌が緑になったっていいさ、玄関の苔も喜ぶはずさ。仲間入りに。


帰路として使っている道をまた使い、今日も、


僕は歩くことを選択した。



がやがやというオノマトペはあまり好きではない。濁点がつくだけで、億劫だ、頭の中からでてゆけ。うん。そう思う。

だが、がやがやしていたと言わざるを得ない。あ、いつものことである。そしてオチはいつも…


「朝からうるせー餓鬼共、座れ」


この担任の態度。見飽きたとまでは言わないが、見慣れすぎた。


「号令、比嘉」


比嘉。今大声で命令してるやつ。いや、担任に言われたからって命令してることに変わりはない。言い方悪いか。号令言ってる奴。

あいつは僕とは面識がない。僕の中ではただのモブだ。…まあ、担任からすればそうじゃないみたいだが。


こうやって礼を合わせるような。連帯感は嫌いだ。人を動物のように扱われている気がしてならないし。



「今日の三時間目は集会になったから、守垣と佐田、集会の準備よろしく…佐田知ってるやついないか」


集会に意味を見出すのなら、それは困難…佐田?みんな知ってる名前さ、そりゃぁ。あのオタサーの姫の顔はどうやっても忘れられないし。あれ、


「そうか」


休みか、珍しい。というかいないことに気づかない僕たちも僕たちだけどな。あいつは家庭の事情が複雑らしいから、家に帰りたくないと毎日のように言ってたのだが…フラグを立てるのはよそう、そのことで頭が一杯になる。


「じゃ、休憩」


…さあ、妄想予知の始まりだ。

さしみです。


初投稿作品です。期待に応えて、前進。


何にしてもこうたいはありません。

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