魔王と勇者の出会い
とある日の昼頃、勇者という男ーーギルトは魔王城を目指していた。
ギルト「……はぁ、なぜまた魔王を倒さないといけないんだ?
それに魔王2代目早すぎだろ……お?」
ギルトが文句を言いながら何かを見つけたようだ。
「……すぅ…んんっ…」
木陰で眠っている同い年くらいの女の子だ。
ギルト「ここら辺って魔物が多く出るっていうのによく寝れるな…」
女の子の近くにより、起こそうとしたその時。
ガサガサ、と茂みが揺れた。
ギルト「なっ! す、スライム!?」
飛び出してきたのは1体のスライム。
スライム「!!」
ぴょんぴょんと跳ねながら戦う気満々だ。
ギルト「ちょっとストップ!
俺はあんまり戦いたくないんだ!
それに魔物でも殺したくない!」
この男、剣術の腕はすごいものの殺したり、傷をつけたりを苦手とする。
スライム「!!!」
スライムはそんな事を聞くわけがなく、ギルトに襲いかかった。
ギルト「ちっ! くそっ!」
いつものをやるしかないのか…。
ギルトは剣を抜き、スライムに斬りかかった。
スライム「っ!??」
その剣はスライムが行動不能になるくらいのダメージを与えた。
ギルト「……ほら、俺は殺したくないんだ」
ポケットからポーションを出し、スライムにかけてあげた。
スライム「……!!!」
スライムの体力が回復し、元気にぴょんぴょこ跳ね始める。
ギルト「わかったろ? だったらこの子は諦めてくれ」
スライム「わか……った……!」
そう言うと、そのスライムは跳ねながらその場を去っていった。
ギルト「……喋れるのかよ!」
「ん…騒がしい…」
ギルト「おっ、起きたか」
「だ、誰?」
ギルト「俺はギルト、お前は?」
マルシア「私は…マルシア
どうしてギルトくんはここに?」
なんと、この子の正体は魔王だったのだ。
ギルト「魔王討伐してこいって言われてな
で、魔王の城に向かう途中にお前がこんな所で寝てるから魔物に襲われて危ないだろうから起きるまで待ってたってわけ」
今までのことを軽く説明した。
マルシア「……ま、魔王討伐?」
ギルト「あぁ、また王様に泣き付かれてさ」
マルシア「ま、またって…?
そ、それじゃ……前の魔王殺したのはギルトなの…!?」
かたかたと震えながら、質問をする。
ギルト「いや、それは違う」
マルシア「えっ?」
ギルト「俺は殺してなんかない
まず、殺したり傷つけたりするの嫌いなんだよ」
マルシア「……お父様はどこ?」
ギルト「へ?」
マルシア「お父様は生きてるの?」
ギルト「あぁ、生きてるよ
って、お父様?」
マルシア「そうなのね! よかった〜!」
ギルト「お父様ってことは、娘なのか!?」
マルシア「そだよ〜」
ギルト「…2代目魔王様はここで何してるんだ?」
マルシア「私……旅がしたくて魔王やめてきたの」
ギルト「…魔王ってやめれるのか?」
マルシア「よくわからないけど、別に私は悪いことしてるわけじゃないし
いいんじゃないかな?」
ギルト「はぁ…それなら俺も勇者やめたいわ」
マルシア「お互い辛いね…」
ギルト・マルシア「はぁ…」
2人は同時にため息をつく。
ギルト「それでマルシアはこれからどうするんだ?」
マルシア「旅がしたいかな」
ギルト「なるほどな…」
マルシア「……」
ギルト「……」
何故か静まり返る。
マルシア「そ、そだ!
ギルトくんは私のことを思ってここにいてくれたんでしょ?
お礼になんでもいうこと聞いてあげるよ〜」
ギルト「なんでもか〜
確か…マルシアは旅がしたいんだよな?」
マルシア「うん、そだよ」
ギルト「それにまだ城の外の世界になれてないんだよな?」
マルシア「うん」
ギルト「よし、マルシア」
マルシア「何?」
ギルト「結婚しようぜ」
マルシア「……え? えぇぇぇええ!!」
マルシアの顔は瞬時に真っ赤になった。
別におかしいこと言ったか?
ギルト「ダメなのか? なんでもいうこと聞くって言っただろ?」
マルシア「そ、そそそれはそうだけど…ギルトくんはいいの…?///」
ギルト「俺が言ってるんだからいいに決まってるだろ?」
マルシア「わ、私魔族だよ?
周りの人に変な目で見られるよ?」
人に見られたらまずそこで色々と言われるに違いないと思ったマルシアだが…
ギルト「俺はそんなこと気にしない
それに俺の嫁にそんなような事をしたら許さん」
このように、自分に関わる人が傷つくのは許せないのだ。
マルシア「…ふ、不束者ですが…よろしく…///」
ギルト「じゃ、家に行くか!」
マルシア「……うん///」
おはこんばんちわ!
まさか勇者と魔王が結婚するとは誰が予想してたでしょうかw
まぁ…タイトルに新婚生活とはいってる時点であ〜こういう事ね、と思う人はいると思います。
この調子でギルトとマルシアの生活を書いていきながら私の魔王と勇者の世界への不満を書いていきますw
それでは3話であいましょうw