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幸せな黒い猫  作者: せんせい
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今日からここが私の家 後編

千鳥視点「今日からここが私の家 後編」です。全編中編に比べて少々文字数が少ないですがよろしくお願いします。

私達はテーブルの部屋に移っていた。

キッチンを背に燈紀(ひのり)さんが座り、隣に私その向かい側に天野千景(あまのちかげ)さんが座り、隣で先生が器用に冷茶を飲んでいる。

「さて」

声に皆顔を向ける。天野千景さんの後ろに柱時計があり4時を過ぎようとしていた。

「まずどうして僕らが千鳥(ちどり)ちゃんを迎え入れたかを話そうか」

天野千景さんが二人の顔を見た後、私の顔を見る。私は頷く。

「順を追って話すと長くなるので 出来るだけ簡潔に分かりやすく話すつもりだけど もし聞きたいことがあったら言ってね」

頷く。隣の燈紀さんが手を握ってくる。見上げるとニッコリ微笑んでくれる。あの耳がピコッと動く。天野千景に視線を戻す。

「そうだな まずは自己紹介だね 先生から」

先生を見る。

「名前は無い。まあ千景や燈紀が先生と呼んでいるからお前もそう呼んでくれ そんなもんだろ? 次は燈紀話せ」

燈紀さんを見上げる。

「本当に名乗っただけじゃん (こく)センセイは見ての通り言葉を話す黒猫で猫舌 好きなのもはマグロとよくビデオを借りて見てるんだよ」

燈紀さんがウィンクする。

「そんな事は徐々に話せば良いだろ」

先生が鼻息を吐く。

「で無愛想だけど 案外優しいところがある」

先生がそっぽを向く。

「ははは じゃあ私だね 名前は藍原燈紀 19歳なはず 趣味はバイクと もう一つは追い追い話すよ 仕事はストリートミュージシャン ギター片手に歌ってお金もらってます でこれ!」

と言いまた白い二つをピクピク動かす。

「黒センセイが猫で私は兎 これも追い追い話すけど 一応身体の一部 触ってみる?」

頭を私に向けてくる。恐る恐る触れてみるとフワフワな感触がある。

「えへへ くすぐったいな 次は千景さんだね」

天野千景さんを見る。

「僕は天野千景 このアパートの管理人 小説分かるかな?小説を書いて働いてる あとは事故があって足が不自由になって車椅子に乗ってます」

本棚にあった書物はそのためかな?

「燈紀は二階の201号室に住んでいて 先生は僕と同じこの部屋に住んでいる あっそういえばもう一人住人が」

「その話は良いじゃないですか!」

天野千景さんの言葉を(さえぎ)る燈紀さん。どうしたんだろう?もう一人の住人?

しばらく黙る天野千景さん。

「ね 千景さん お願い」

燈紀さんの懇願(こんがん)?に苦笑いする天野千景さん。

「うん そうだね 今は『彼』も居ないし」

一呼吸おく天野千景さん。

「そんな僕達はある病院にいたんだ」

病院?

「ある時僕らと先生はその病院を出て このアパートに暮らすようになった ちなみにこのアパートは僕の祖父母のものなんだ」

頷く。話が続く。

「それからしばらくして 燈紀も病院からこのアパートに移ってきた」

頷く。話が続く。

「そして 千鳥ちゃん 君とも一緒に暮らしたいと思っている どうだろう? 嫌かな?」

私も住む?ここに?

「どういういみですか?」

少しの沈黙。天野千景さんが口を開く。

「実は僕達には普通の人には無い不思議な能力(ちから)があるんだ」

「ちから?」

何のことだろう?

「人間には いや生物には潜在能力(せんざいのうりょく)があると ある女性が発表したんだ」

よく分からない。先生を見ると私の顔を見ていた。

「それはせんせいにもあるんですか?」

「うん 先生は人間の言葉を理解し会話出来るんだ 他にももう一つあるが難しい言葉でしか説明出来ないから またの機会に話そう」

先生を見ると鼻息を吐いた。

「今はそれだけで十分だろう 千鳥」

「うん」

頷く。天野千景さんを見る。

「その能力を悪用しようと考えた人達がいるんだ 僕はそんな事を許したくない」

頷く。話が続く。

「だから僕らは助け合う家族になりたいと考えてる 千鳥ちゃんと」

家族?

「もちろん 千鳥ちゃんが嫌なら無理強いはしない 戻りたいなら無事に戻らせるし 他の生活をしたいなら出来るだけの協力はする ただ僕らの気持ちは」

燈紀さんを見上げる。

「私は千鳥ちゃんと姉妹になりたいな」

先生を見る。

「新しい教え子が増えるのも悪くない」

天野千景さんを見る。

「返事はゆっくりで良いよ」

この人達と。



「かぞくになりたいです」


私はそう言った。



次回は10月03日更新予定です。タイトルは未定ですが千鳥視点です。次話から本当に家族ごっこのスタートです。

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