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幸せな黒い猫  作者: せんせい
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鳥籠の雛鳥 前編

皆さん初めまして「せんせい」と申します。今回の「幸せな黒い猫」は以前友人とTRPGをするために考えて作ったキャラクターのお話になってます。最後まで読んで頂けると幸いです。では後書きで。

白というより光と表現した方が的確だろう。曲り角も窓もドアも無い後にも前にも果てが見えない一本の廊下を、一人の少女が裸足で歩いている。

年は十歳に満たない頃だろうか、白いワンピースを着ている。肩あたりまでの黒髪はよくクシが通され、手には何だろう?黒く小さな、、、黒猫だ。あっただろう黒猫と魔女の少女の話。あの黒猫のぬいぐるみだ。

顔?顔は見れない。彼女に気づかれてしまう。大丈夫。きっと彼女は先生を気に入ってくれるさ。

男はニッコリ微笑んだ。


ビルとビルの隙間は昼間でも薄暗い。気に入るというより気味が悪れるだろう、先生は鼻息を吐き出し二階の高さにある小さな窓を見上げた。

換気のためだろう窓が開けてある。周囲を確認しもう一度窓を見上げ、跳躍。細い配管に足を掛けもう一度、跳躍。窓枠に足をかけビルの中に入る。その行動を見ていた男が微笑む。まるで忍者だな。


白かった空間は赤くなり大きな音が鳴っている。遠くから走る足音が聞こえてくる。その音から逃げるように少女は走っていた。硬い廊下のせいで足の裏は痛さを通り越し麻痺し始めていた。

足音がすぐそこまで迫っていた。少女は怖かった。またあの部屋に閉じ込められるのは嫌だった。と目の前に小さい黒い影が飛び込んできた。


俺を避けるように転ぶ少女。とすぐ足音が迫っていた。仕方ない。少女に触れてから能力を発動させる。周囲に空間の歪みが発生する。まるで二人が見えてないように、白衣の男が三人通り過ぎて行く。

足音が遠ざかったのを確認すると歪みが無くなり俺は少女から離れた。どこか打ったのか疲れたのか少女は気を失っていた。仕方ない。俺は少女の服の襟を咥えてすぐ脇の排気口に入った。


何かに引き摺られる感覚で目を覚ます。狭い薄暗い廊下?に私はいた。首の後ろを引っ張られる感覚に驚き上半身を起こす。ゴンと頭に痛みが走る。「痛っ」「急に危ないだろうが」私の声と別に男の人の声が聞こえてまたビックリする。見つかったと思った。

と同時に来ただろう方向に足を踏み出して痛みが走る。両足が腫れているようだ。膝と手だけじゃ早く動けない。もう駄目だ。「どうした?足が痛いのか?」と優しそうな声に振り向く。


足の裏をさする少女。よく見ると少し腫れてるようだ。裸足で走っていたのだ子供だし当たり前だな。

振り向いた少女の大きな目に涙が溜まっていた。と俺を見た瞬間大きな目がさらに大きく開かれた。

やはりな。

「せんせい」です。「幸せな黒い猫」を読んで頂きありがとうございます。これからも亀の歩みで執筆していきますので次回もよろしくお願いします。

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