表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AKUBI  作者: 大鳥哲幸
8/12

屋上の悪魔

おれ達は階段をかけ上がり屋上に出た。屋上のフェンスを越えた所には一匹の悪魔と二人の人間がいた。悪魔に取り憑かれている人間がもう一人の人間の首を掴み天高くかかげている。

「彩美おまえはそのまま行って注意をひきつけてくれ」

おれは返事を待たずに翼を広げ空を飛び迂回した。この翼も悪魔の力だ。言っておくが普段から翼が生えている訳ではない、おれは自らに取り憑いた悪魔の力をかなり自由に使える、まるで本物の悪魔のように。

心内こころうち君ね」

彩美はフェンス越しに声をかけた。

心内はゆっくり振り向いた。

「僕これからこいつを殺すとこなんだ、良かったらそこで見ときなよ」

「やめなさい、そんなことしてもあなたに未来はないわ」

彩美の言葉を聞き心内は叫んだ。

「うるっさい、僕はこいつを殺すことで過去の自分と決別するんだ。僕はこいつに暴力を振るわれ、脅され、金を取られ、蔑まれた。こいつを殺さないことには気が済まないんだ。」

「弱い僕は死のうとした、そしてここから飛び降りた。そんな僕を助けてくれたのは、クラスメイトでもない、教師でもない、親でもない、それどころか人間ですらない、悪魔だ。もし僕を止めることができるとしたらそれは悪魔だけだ!」

その瞬間心内は手の力を緩めた。心内をいじめていた男子生徒は学校の屋上から地上に落下していった。

「そんな、化山君っ」

彩美は叫んだ。

おれは落下物をつかまえ屋上に飛び出た。フェンスの内側に入り男子生徒を下ろし、背中越しに心内へ挨拶した。

「悪魔参上」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ