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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ZとZERO

作者: ギアル

どうもギアルです。

初の一次小説ので楽しんでくれたら幸いです。

それでは、ゆっくりしていってね!


No Side


世界の情報を知りたければ、テレビのニュースを見るかインターネットで調べる事。


だか、それでも表面しか分からない。


歴史の教科書では都合の良い事しか書かれていない。


都合が悪いのは権力者に消されるか改変されるからだ…


だが権力者の有無言わず、その存在が消される事も有る…


話が変わるが古今東西、世界各地で妖怪は怪物の話が伝われている。


それは決して伝承でも噂話では無い…


日本、とある田舎に在る村。


その村の名は鹿音村。


隣に在る村から屍村と悪口を叩かれる事が在る。


だか、今ではその隣の村や鹿音村には物音1つ立たないゴーストタウンとなっている。


何故なら…


現在時刻、21:49。


ゴーストタウンと化した鹿音村で人影が蠢いていた。


だがそれは人では無かった。


そして、死者でも無い。


死者でも生者でも無い者、アンデット。


そいつ等が運んでいるのは村人の死体だった。


するとそこに紫色のコートを着て、白い仮面を被った男が現れると、村人の死体を見て言った。


「サイコォーの死体だ!良い素材だ…」


紫色のコートを着た男がアンデットが運んできた少女の死体をうっとりとしながら見ていた。


「煉獄獣の中でも貴様は変態だな…」


「!誰だ、貴様は!!」


暗闇から声がすると火が出て、そこに1人の男が居た。


その男は白いTシャツに黒いロングコート、黒の長ズボン、黒い長髪をして、右手にはライターを持っていて、ロングコートの右肩あたりに銀色の文字でESHと縫っていた。


「き、貴様は…魔の狩人か!?」


「そうだ、貴様等…妖魔集団・煉獄獣を地獄へ送るために来たんだ」


妖魔集団・煉獄獣。


世界で広まっている神獣・モンスター・妖怪・怪人は実在する。


かつて昔、自然科学者を志すヴィクター・フランケンシュタイン博士が死体を繋ぎ合わせて作った人造人間、フランケンシュタインの怪物は北極の海で消えたが北極探検隊が凍りついたフランケンシュタインの怪物を発見した。


そのフランケンシュタインの怪物を解凍して、話を聞くと有ることが分かった。


それは空想であるモンスターが実在する事。


それを知った探検隊はそれについてのレポートを提出した。


そして、アメリカを中心とした国々は人類と敵対するモンスター達を抹殺、また人類との共存を求めるモンスターの保護をする組織を結成した。


その組織の名と武装は国々によって違う。


ローマでは聖騎士団と呼ばれて、武装は銀の剣や鎧を身に纏っている。


日本では防衛省・特務科と呼ばれて、近代的な武装をしている。


そして、アメリカを始めとする国々は魔の狩人、Evil Spirit Hunter。


略してESHと呼ばれている。


すると、ネクロマンサーの後ろではアンデット達が戦闘体制に入った。


「魔の狩人だろうがこの数のアンデットには敵わん!食い殺せ!!」


ネクロマンサーがそう叫ぶと、アンデット達がロングコートの男に襲い掛かった。


「甘いな、蜂の巣にしてやるぜ!」


ロングコートの男は銀のリボルバー銃を取り出すと、アンデット達に向かって撃った。


リボルバーから放たれる銀の弾丸がアンデット達を貫いていく。


『ぐぎゃああああ!』


『ぐらららららら!』


『しゃあああああ!』


銀の弾丸をくらったアンデット達は身体が燃え上がり灰になっていく。


その様子を見ていたネクロマンサーは驚愕した。


「あ、アンデット達を一瞬でだと…だ、だが私にはこれが有る!」


ネクロマンサーはそう叫ぶと、左手を掲げた。


左手からワイヤーが伸びるとアンデット達が運んできた死体に入り込んだ。


すると、ワイヤーが入った死体が痙攣し始めた。


「私は自在に死者を操る事が出来る!我等、煉獄獣が最も苦手とする銀の弾丸も死体では…」


ボトッ。


ネクロマンサーが自慢気そう言っていると、ナニかが落ちた。


その音と共に痙攣した死体は止まった。


何故なら…


「わ、私の左手がぁぁぁぁ!!」


落ちたのはネクロマンサーの左手でそこから凄まじい程の紫色の血が噴き出していた。


そして、ネクロマンサーの後ろには刀身が銀で出来た日本刀を持ったロングコートの男が居た。


「ぎ、銀のリボルバー銃に銀の日本刀…ま、まさか、貴様は…ラウ・ジンザキか!?」


「神崎ラウだ、アホ」


そう言うと、ラウは銀の日本刀でネクロマンサーの首をはねた。


首の付け根から先ほどとは比べ物にならない程の紫色の血が噴水の如く吹き出した。


首を失った胴体はゆっくりと地面に倒れて、燃え上がり始めた。


すると、残った首はボソリと呟いた。


「魔の狩人の中でも最強の存在、ラウ・ジンザキか…」


そう呟くと、ネクロマンサーの首は燃え上がり灰となった。


それを見たラウは無言で十字をきった。


十字をきった後、ラウは鹿音村を捜索し始めた。


村長宅を調べると、ある物を見つけたのでインカムで司令部に連絡した。


『HQ、煉獄獣の奴等はイビルキラーを探していたようだ』


イビルキラー。


それは煉獄獣など人外などのモンスターに有効な武器である。


2つの種類が存在する。


1つは人工型。


銀の弾丸など人工的に作れる武器で種類は幅広く、使う人を選ばない。


もう1つはオリジナルと呼ばれている。


オリジナルを使うにはそのオリジナルの物に決められた人にしか使えない。


その人工型と比べれば数は少ないが人工型より強い。


イビルキラーは煉獄獣達などからすれば厄介な物でイビルキラーの破壊を目的にする奴も居る。


『こちら、HQ。現在煉獄獣以外にも機械軍帝国サイコアーミーも動いているようだ』


機械軍帝国サイコアーミー。


それは機械生命体という機械と生物が合体した様な存在で構成されている。


(アーミー)なので階級は軍と変わらない。


また、『サイコ』とワードは精神異常という意味があるのでイカれているのが多い。


『取り合えず、イビルキラー捜索を続ける』


『分かった、以後何か情報が入ったら伝える』


そう言うと、ラウは通信をきった。


そして翌日…


私立平凡(たいらぼん)高等学校。


そこはゆるい規則とのんびりな教育がモットーで生徒達からは人気な高校である。


2年A組。


そこでブレザーの制服を着た茶髪に女顔兼童顔の少年、神崎(ジンザキ)ジンヤが居た。


名字から分かるように神崎ラウの弟である。


得意教科は歴史、体育、数学、理科。


苦手は得意教科以外である。


クラスメイトからはヘタレに見えるが実は性欲が強そうな奴と言われたりする。


ジンヤは自分の席でのんびりとしていると、後ろから抱きつかれた。


「うひひ〜なに朝からぐて〜としているんだ、ジンちゃん♪」


「何だよ…理沙」


ジンヤに抱きついたのはクラスメイトの花那咲理沙(カナサキ・リサ)


中性的な顔立ちと黒に近い茶髪のざんばらみたいな髪の女性で身体に日焼けの後が有り、陸上部のエースである。


すると、透き通る様な白い肌にスタイルが良く瞳は青い金色のロングヘアーに髪の一部を縦ロールにした女性が理沙に異議した。


「お待ちなさい!わたくしのジンヤさんに誘惑するような事は許しませんわ!」


金髪縦ロールの女性は宝上院(ホウジョウイン)アリス。


イギリス人の母を持つハーフでテニス部のエース。


また、彼女の父は宝上院グループの会長。


つまり、彼女のお嬢様言葉から分かるように本物のお嬢様である。


「良いだろ〜アリス♪ジンちゃんはお前のじゃないんだし」


「いいえ、ジンヤさんはわたくしの物ですわ!何故ならわたくしのお父様、お母様に挨拶をしていますから!」


「いや、そのあれは…」


以前、ジンヤはアリスが風邪で休んだ時にプリント等をアリスに渡すためにアリスの自宅(豪邸)に向かったが、その時どういう訳か一番忙しい筈のアリス父とアリス母が居て…


『あなたがアリスの言っていた神崎君?』


『え?あ、はい…』


『良い目だ…よろしい!アリスとの交際を許そう!!』


『はぁ?!』


あの後、ジンヤが誤解を解くように説得したらしい…


「はいはいは〜い、喧嘩はダメだよ〜」


すると、眼鏡をしていて制服の上から平凡(たいらぼん)高校で風紀委員だけが着ることを許される青と白の上着を着た黒髪のショートヘアの女性こと新月雪奈(ニイツキ・ユキナ)が理沙とアリスのにらみ合いを止めた。


「やあ、ジンヤくん♪今度私とデートしない?」


なお、雪奈は風紀委員なのに普通に校則違反スレスレの事をしたりする。


なお、それについては本人曰く自称、不良風紀委員だと言っている。


「色々と忙しいからヤダ」


「え〜?いいじゃん、いいじゃん!デートして、私の首輪を買って、近くのホテルで調教される…ハァハァ…ああ、ダメな私をしつけて………///」


雪奈にはトリップした表情を浮かべて妄想していた。


また、雪奈の趣味は読書と妄想である…


「いひひひ〜ジンちゃん、俺はジンちゃんとにゃんにゃんしたいぜ♪」


「ダメですわ!ジンヤさんはわたくしの部屋のベッドの上で愛しあうんですわ!」


理沙とアリスはジンヤに抱きつきながらそう言った。


「ふ、ふにゃ…///」


なお、ジンヤの顔はオーバーヒート寸前みたいに真っ赤になっていた。


因みにこの会話は教室中に聞こえているので…


『『『おのれ、神崎ィィィィィィ!!!』』』


−あの野郎、花那咲さんに宝上院さんに新月さんの3人とヤっているのか?!


−おのれ、リア充め!


−独り身のつらさが分からないアイツは鬼だ!


−ド外道がぁ!地獄に落ちやがれ!!


男子生徒達は某予言者の如く叫び、ジンヤに怒り狂っていた。


「死ねや!神崎ィィィィィィ!!」


1人の男子生徒(モブキャラ)がそう叫びながら木刀片手にジンヤに襲い掛かるが…


「…阿呆が!!」


するとジンヤの目付きが変わり、瞬時に理沙達から離れて男子生徒(モブキャラ)の懐に入ると、持っていた木刀を奪った。


「へっ!?」


「少し…地獄でも見やがれ!!」


ジンヤは男子生徒(モブキャラ)の腹に拳を叩き込んだ。


「てらぷらぁぁぁ〜?!」


殴られた男子生徒(モブキャラ)はそのまま壁にぶつかった。


『粕田!?』


『おのれ、粕田の仇!』


『突撃!!』


男子生徒達がそう叫ぶと、ジンヤに突撃するが奪われた木刀でジンヤは片っ端から男子生徒達の頭をフルスイングしていく。


一方、それを見ていた女子生徒達は話をしていた。


『うわ〜1人で無双しまくっているよ…』


『実は神崎君、中学の時はスゴい不良だったらしいよ…』


『え?本当!』


女子生徒達が話をしていて、男子生徒達がジンヤにボコボコにされている最中に教室のドアが開いた。


「席に着けい!このお〜ろか者共が〜!!」


『『『いきなり、酷くないですか?!』』』


教室に入ると、生徒達を愚か者と呼んだのは50代後半なのに身体がガッチリしていて、素晴らしい声で喋る男性はこの平凡(たいらぼん)高校の理事長、歩素山(ボスヤマ)である。


また、彼は理事長にしてこの2年A組の担任である。


「それにしても…ジ〜ンヤよ。お前は何をする気だ?」


ジンヤは1人の男子生徒(モブキャラ)を腰を掴んでスープレックスの体勢に入ろうとしていた。


「ちょっとスープレックスを…」


「手を離しとけ」


「了解、理事長…」


そう言うと、ジンヤは男子生徒(モブキャラ)から手を離した。


それを見たアリスは近くの席の理沙や雪奈に聞いた。


「あの…なんでジンヤさんは理事長の言うことを聞くのですか?」


「あ〜私もそれ気になるよ」


「いひひひ〜甘いな、お2人さん♪俺は知っているぜ♪」


理沙は自慢気にアリスと雪奈に言った。


「ジンちゃんがまだ中学…つまり不良だった時、喧嘩や道場破りしていた時にたまたま歩素山理事長と会って…強さについて語って仲良くなったらしいよ」


「強さについてですか…わたくしはジンヤさんは優しい方が好きですわ」


「優しいや力強いも良いけど、少しSが上がって欲しいな…ハァ…ハァ///」


理沙、アリス、雪奈がそう言っていると、授業が始まった。


なお、本日の授業は午前中しかなかった。


その為、三時間目の授業が終わると、生徒達は帰宅するなり、部活の前に弁当を食べるか食堂へ行き、学食を食べに行った。


なお、ジンヤはさっさと帰宅しようとすると…


「ジンちゃん♪俺が作った弁当を食べないか?ジンちゃんが好きな鶏の唐揚げやタコさんウインナーとか俺やジンちゃんが好きな焼き肉も有るぜ♪」


「ジンヤさん、これからわたくしと一緒に高級レストランへ行ってランチにしませんか?」


「ジンヤくん♪私と一緒に学食を食べない?」


理沙、アリス、雪奈に昼食を一緒に食べないかと誘われた。


ジンヤは困り顔で言った。


「あの…実は姉さんが早く家に帰ってと言われているから………ごめん!」


ジンヤが謝ると、3人は複雑な表情をして言った。


「ジンちゃんの姉ちゃんにそう言われたのか…」


「確かに約束を破るのは良く有りませんわね…」


「分かったよ、また今度ね!」


3人からそう言われて、ジンヤは帰宅した。


神崎家。


「ただいま」


「おかえり〜」


ジンヤが玄関のドアを開けると、茶髪のロングヘアーに何となくジンヤに似た女性、神崎(ジンザキ)ルミが顔を出した。


ジンヤはルミを見ると、ため息をついて言った。


「姉さん、家の中で下着姿でうろつくのは止めてよ…」


「良いじゃん♪動きやすいし…」


ルミの姿はスタイルの良い身体に黒の下着だけだった。


「それにジンヤちゃんが我慢出来なくなって襲われやすい格好だし…」


「殺すぞ」


ジンヤはいきなりドスの聞いた声でそう言うと、親指で首を切るようなポーズを取った。


「しかしなんで…家じゃあんな姿でうろつく姉さんが故満道(コマンドウ)大学に入学できたんだ…?」


故満道(コマンドウ)大学。


俗に言う、優秀な人が集まる大学で入学率は東大並である。


なお、ルミは故満道(コマンドウ)大学では文武両道らしい…


「それより、ジンヤちゃん♪これ見てよ」


ルミがそう言って取り出したのは手甲だった。


手甲とは…


汚れ、外傷、寒さ、日射などから肌や体を守るために、上腕から手首や手の甲までを覆うようにして装着する、革や布で出来た装身具である。


「手甲?何処でコレを…」


「実は家の倉庫にあったんだよ。コレ、サビとかがなくキレイなままだし高く売れるよ〜」


その時のルミの目は漫画みたいにドルマークになっていた。


「売るって何処に…」


「最近、良い骨董屋が出来たからそこで売れば良いよ♪」


「分かった、行ってくるよ」


ジンヤがそう言うと、ルミはにっこりして言った。


「行ってきますのチューをして♪」


「チェスト」


トスッ


「ぎゃああああ〜目が…メガァァァァ!!」


ジンヤはルミの目に目潰しをした。


なお、伸ばした指で目を突くのは間違いで指を曲げて第二関節で突くのが正解である。


「行ってくるよ、愛しの姉さん」


ジンヤはそう言うと、家を出た。


そして、ルミから教えてもらった情報を元に骨董屋へ向かった。


歩いて数分後、骨董屋に着いた。


「ここだな…すいませ〜ん」


ジンヤはそう言いながら入ると、中には店主らしい中年男性が居た。


「………なんかようか?」


「あ、実はこの手甲を見てもらいたいんですけど…」


ジンヤが手甲を店主に見せると、店主は微かに表情を変えた。


「…何処でこれを?」


「実は家の倉庫に有ったんです」


「そうか、まさかイビルキラー…しかもオリジナルとはな…」


「は?」


店主はジンヤに分からない事を言った。


すると、手甲が光だした。


「な、なに!?」


「まさか、適合者が居るのか?!」


手甲は光ながら宙に浮いた。


そして、手甲はジンヤの両腕に装着した。


「はぁ?!なんじゃこりゃあああああ!!」


ジンヤは一昔前の殉職した刑事風に叫んだ。


「ちっ!イビルキラーが適合しやがったか!始末するまでだ!!」


すると、店主の右手からカマキリの鎌みたいな大鎌を取り出すと、ジンヤに向かって振り下ろされた。


「おわぁ?!」


ジンヤは大鎌が当たる寸前に右に回避した。


「なにするんだよッ!」


ジンヤが怒りながらそう言うと、店主はニヤリと笑った。


その笑みは人、いや…生命(いのち)を見下す笑みだった。


「人間風情が…この機械軍帝国サイコアーミー兵長のマードラ様に楯突くか!ぐらぁぁぁぁ!!」


「なぁ?!」


すると、店主の姿が変わった。


まるで左腕がドライバーの人型の機械化したカマキリへと…


「な、なんだぁ?!サイコアーミー?!いや、それよりも逃げる!!」


混乱しつつもジンヤは店から飛び出た。


外に出るとジンヤは驚愕した。


「な、なんだよ…一体どうなっているんだぁぁぁぁ!!」


何故なら外の景色が変わっていた。


空の色は青から血のような赤へとさっきまで感じていた風も無くなっていた。


そして、人は誰も居なかった。


すると、後ろからマードラが自慢気に言った。


『教えてやる、ここは貴様等人間が存在する空間と隣接する空間…機怪空間だ!』


「機怪空間!?」


ジンヤが驚きながらそう言うと、マードラは自慢気に説明し始めた。


『そうだ、私達の存在が公になれば作戦には支障が応じる。そこでこの隣接する空間、機怪空間で作戦を展開する…つまり、貴様を殺して、イビルキラーを奪う!』


説明し終えると、マードラは大鎌でジンヤに切りかかった。


「あぶねっ!」


ジンヤはギリギリで回避して路地に逃げ込んだ。


『おのれ!ちょこまかと…』


ジンヤは路地裏付近に隠れて何で自分がこうなったんだと思いまくっていた。


(なんでこうなるんだよ!?姉さんに頼まれて手甲を売りに来たら変なカマキリに襲われるわ、変な空間に飛ばされるわ…どうすれば!?)


ジンヤが心の中で愚痴っていると、両腕に装着した手甲が光った。


「な、なんだぁ?!…うぐぅ?!」


ジンヤは驚くと、ジンヤの頭に何やらデータが流れ込んできた。


(なんだよ…煉獄獣?サイコアーミー?イビルキラー?この情報は一体………)


ジンヤが考えていると、マードラがジンヤを見つけた。


『フハハハハッ!見つけたぞ!!』


マードラは高笑いをすると大鎌を取り出した。


『貴様の腕ごとイビルキラーを頂く!』


マードラは大鎌をジンヤに目掛けて振り降ろすが…


ガキンッ!


『な、なんだと?!』


何と、ジンヤは大鎌を右手の人差し指と中指で掴んだ。


「テリャ!」


『ぐほぉ?!』


目にも止まらぬスピードでマードラの腹を左手で殴った。


殴られたマードラは吹き飛ばされるがすぐさま体勢を立て直した。


すると、ジンヤの両腕に装着している手甲が光りだした。


そして、銀の手甲へと姿を変わった。


その銀の手甲には蒼い炎のペイントに1つずつブースターがついていた。


『バ、バカな!イビルキラーが完全適合しただと?!』


「イビルキラーだとかなんとか知らねえが、お前を倒せば良いらしいな!それにしても…昔、不良の頃を思い出すな」


ジンヤは昔を思い出しながら手甲を見て、その手甲の名を付けた。


「昔は…僕いや、オレを越える者はオレしか居ないと思っていた。この手甲の名は…ゼロ!」


『そのキャッチフレーズは本当かどうか試してやる!』


マードラはそう宣言すると、大鎌を手にジンヤに切り掛かった。


『カァマキリィィィ!!』


「よっと!はっと!」


マードラは奇声を発し、大鎌でジンヤに切り掛かるが、ジンヤは大鎌の斬撃をギリギリで回避していく。


(バカな…いくらイビルキラーで身体能力が上がってもこの回避スピードは異常だ)


マードラはそう考えていると、ジンヤはマードラの一瞬の隙を付いた。


「ハァッ!」


『なんだと?!』


左腕で大鎌の斬撃を防ぐと、右腕からブースターを起動させた。


「そりゃあ!」


『ぐらぁ?!』


ジンヤはマードラを右腕のゼロにあるブースターでスピードを上昇して、マードラの腹を殴った。


ジンヤのゼロを一撃をくらうが、マードラは直ぐ様体制を整えた。


『おのれ…調子に乗るな!』


マードラがそう叫ぶと、左腕のドライバーで大鎌をチューニングした。


すると、チューニングし終えた大鎌はボウガンになった。


『くらえ!』


「危なっ!」


ジンヤは直ぐ様壁の後ろに隠れた。


「くそ、飛び道具が相手だと厄介だな…」


ジンヤがそう呟くと、ゼロから空中に映像が投影された。


「なんだ?タッチ式のアイコン?」


ジンヤは空中に投影された映像を見て、その映像にあるアイコンを確認した。


「なるほど、それならば……」


ジンヤは銃みたいなアイコンにタッチした。


すると、手甲の手の甲から銃口が出現した。


「ゼロ・ガンモードか…ならいくぜ!」


そう叫ぶと、ジンヤはゼロから銀の弾丸をマードラに向けて放った。


『くばぁ?!銀の弾丸か…それなら、コレはどうだ!』


マードラはボウガンを左腕のドライバーでチューニングするとボウガンは刃付きの巨大なブーメランに変わった。


『そらぁ!』


「危なっ!」


マードラは刃付きの巨大なブーメランをジンヤに向かって投げるがギリギリで伏せて回避した。


すると、ジンヤはゼロから投影された丸い盾のアイコンにタッチした。


アイコンをタッチすると、ゼロに手甲盾(バックラー)が展開した。


「ゼロ・ガードモードってね!」


ゼロから展開した手甲盾(バックラー)でマードラの刃付きの巨大なブーメランを防いだ。


『なに?!』


「お返しだ!」


ジンヤはそう叫ぶと、左腕の手甲盾(バックラー)をブーメランみたいに投げ付けた。


マードラは左腕のドライバーで手甲盾(バックラー)を弾いた。


『調子に乗るなよ!人間風情がぁぁぁ!!』


マードラは戻ってきたブーメランを掴むと、激怒しながらドライバーでチューニングした。


すると、片手で持つチェーンソーにチューニングした。


『貴様を八つ裂きにしてやる!覚悟しろ!!』


マードラはそう叫ぶと、チェーンソーが凄まじい音を出しながら起動した。


(あのチェーンソーをくらったらひとたまりも無いな…ここは路地裏付近だから一旦、広い所で戦おう)


ジンヤはそう考えると、回れ右をして走り出した。


『おのれ、逃がすかぁぁぁ!!』


マードラはチェーンソーを振り回しながら、ホラー映画でサイコな人のようにジンヤを追った。


児童射時悪(イジワル)公園。


そこまでジンヤは走った。


『見付けたぞぉぉ!!』


マードラがそう叫びながら、フェンスをチェーンソーで破壊して侵入してきた。


「ハデな登場だな…」


ジンヤがそう呟くと、マードラは左腕にチェーンソーを装着した。


歯車が動き出し、チェーンソーはピザカッター風になった。


『カァマキリィィィ!!』


マードラは奇声を上げながらジンヤに斬り掛かった。


しかし、ジンヤにことごとく回避され、滑り台やベンチを破壊していった。


そしてジンヤはある遊具を後ろにすると、マードラを挑発した。


「掛かってきな、このカマキリみたいな姿をした変態野郎が!」


『カマキリだと?!俺の何処がカマキリだぁぁぁ!!』


…どうやらマードラは自分の姿がカマキリに似ていると思わなかったようだ。


ジンヤの挑発に乗り、マードラはチェーンソーでジンヤに切り掛かった。


「この時を待っていたよ!」


そう言うと、ジンヤはチェーンソーの一撃を回避した。


そして、チェーンソーの一撃はジンヤの後ろにあった遊具に直撃し、破壊された。


「今だ!」


すると、ジンヤはマードラに壊された遊具…ブランコの鎖を持つと、それをマードラのチェーンソーに向けて投げた。


『なにぃ?!』


鎖はチェーンソーの歯車に絡まり、回転しなくなった。


ジンヤの狙いはチェーンソーを使えなくする事である。


その為にはチェーンソーを回転させる歯車を止める必要が有った。


そこでわざとマードラにブランコを破壊させ、ブランコの鎖でチェーンソーの歯車を止める作戦を思い付いたのだ。


「これならそれはたんなる切れ味が悪い剣に過ぎない!」


そう言うとジンヤはマードラの腹にパンチのラッシュを叩き込んだ。


マードラは口からガソリンを血みたいに吐きながら怒り叫んだ。


『人間風情がぁぁぁぁぁぁ!!』


マードラは怒り狂いながら動かなくなったチェーンソーでジンヤに斬りかかるがジンヤはバックステップで回避した。


すると、ゼロに巨大な拳のアイコンが出た。


「フィニッシュって訳か!」


ジンヤは巨大な拳のアイコンにタッチした。


タッチすると、左腕に装備されていた手甲が解除された。


「うそぉ」


『ハッハハハハ!間違って解除のボタンを押したのか?運が無いな!!』


更に右腕の手甲が解除された。


だが次の瞬間、右腕に人の身体と同じくらいデカさのゼロが装着された。


それを見たマードラは驚愕した。


『な、ななななななんだってぇぇぇぇぇ?!』


「このぐらいのデカさならてめえをぶちのめすには充分だな!ゼロ・バスターモード!!」


ジンヤがそう叫ぶと、ゼロ・バスターモードからブーストが出て、炎が吹き出た。


「問答無用でぶちのめすぜ!」


そう叫びとジンヤは走り出した。


ゼロ・バスターモードからはブーストから炎が吹き出てスピードが上がっていく。


「てりゃあぁぁぁぁぁ!!」


『くそがぁぁぁぁ!』


マードラは腹部にゼロ・バスターモードが当たる前に何とか受け止めた。


『バカめ!』


「受け止めただと…」


『そうだ!この貴様をじわじわと切りきざんて…』


「………なんてね♪」


すると、ゼロ・バスターモードからジャギッと何かが動く音がした。


その音にマードラの顔が青ざめた。


『ま、まさか…貴様!』


「吹っ飛んでろ!!」


ジンヤがそう言うと、ゼロ・バスターモードから火柱が出て、マードラを飲み込んだ。


ゼロ・バスターモードには爆発物が内臓されていて、殴った衝撃で爆発する事があるのでそれで相手を殴りつけ、打撃と爆撃を同時に与える事ができる。


『おのれ……サイコアーミーよ!永遠なりぃぃぃぃ!!』


その言葉と共にマードラは消滅した。


『ジーネネネネ!よくやったでおじゃる!後はまろに任せるでおじゃる!』


「何者だ!」


ジンヤが後ろを振り返ると、そこには右腕にドリルを、両肩には歯車を、頭にはネジがある青いロボットが居た。


「お前もサイコアーミーとかいう奴か?!」


『おほほほほ!その通りじゃ!まろはサイコアーミー軍の科学者にして少尉のジーネでおじゃる!』


サイコアーミーの科学者であるジーネが公家口調で自己紹介をしていると…


「死にさらせぇぇぇぇ!!」


『ごるふぁ!』


ジンヤの右ストレートで殴られた。


『き、貴様は人の話を聞かないのでおじゃるか?!』


「うるせぇ!さっきから変な事ばっかで疲れているんだ!てめぇもつぶしてやる!!」


もはやジンヤは不良時代に戻ってしまったようだ…


『これはまずいでおじゃる!逃げるが勝ちでおじゃる!!』


そう言うと、ジーネは逃げ出した。


「待てや、コラァ!」


追いかけるジンヤ。


ジーネは壁にある裂け目に入り込んだ。


ジンヤも裂け目に入った。


そこは元の世界だった。


「元の世界に戻ったのか…しかし、さっきの奴はどこに…」


すると、ジンヤの目の前に黒い車が止まった。


ドアが開くと、誰かがいきなりジンヤに布袋を被せた。


そして、そのままジンヤを車の中に連れ込んだ。


「おい、てめぇ!コラ!何するんだ!」


抵抗するが車は走り出した。


そして、走って数十分後…


いきなり、被されていた布袋が取られた。


ジンヤが居る場所は刑事ドラマに良く出てくる取調室だった。


「警察?いや、ここは一体…」


「ここは防衛省にある特務科の取調室よ」


そう言って、部屋に入ってきたのはスーツ姿で青い髪を後ろで縛っていて、スタイルが良い女性だった。


ジンヤはその女性の事を知っている。


「え、八条さん?」


「そう、平凡たいらぼん高校の保険医の八条アヤよ♪」


彼女は平凡たいらぼん高校で保険医を務めている八条ハチジョウアヤだった。


「どうして…いや、それ以前に貴方は一体…」


「そうね…とりあえず簡単に説明するわ、私は自衛隊・特務科に所属していて私の任務はジンヤくん、キミをサイコアーミーや煉獄獣からキミを守ることよ、私の相棒グンニグルでね♪」


アヤはそう言うと、中世で騎士が使っていた槍、ランスに似た槍、グンニグルを出した。


「なぜ、僕を…」


「…実は貴方のお兄さん、神崎ラウは私達の組織でのエースなの、だからサイコアーミーや煉獄獣が報復にキミを狙う可能性があったから…」


「そうなんですか…」


そう言われて、落ち込むジンヤ。


(ハァハァ…落ち込むジンヤくんもきゃっわぃ~♪これはチャンスよ!あの小娘トリオを出し抜いてヤれるチャンスよ!!)


…アヤはとんでもない事を思っていた。


「あの野郎…」


「へっ?」


「兄さんの奴!そんな重大な事を黙っていたなんて!兄さんは何処?!血祭り…もとい、4分の3殺しにしてやる!!」


ジンヤはブチキレていた。


一方、南極では…


「へっくしょん!やはり、南極はつらいな…」


ラウはペンギンの着ぐるみを着て、イビルキラーを探していた。


所戻って、取調室でジンヤはアヤから自分達の組織、イビルキラー、煉獄獣について教えてもらっていた。


「なるほど…しかし、さっきのサイコアーミーは一体何者ですか?」


「そうね、サイコアーミーと言うのはね…」


機械軍帝国サイコアーミー。


それは昔、ある科学者が機械と煉獄獣の一部を融合させた新生命体を作り出そうとした。


だが、その生物はその科学者を殺害して逃走。


その後、学習し、自分の体の一部を使い、別の生命体を作っていった。


その生命体がグループを作り、それがサイコアーミーの始まりである。


するとジンヤはある事に気づいた。


「あの、所であのゼロもとい、手甲は…」


「ああ、それがね…」


アヤがそう言うと、アイフォンを机に置いた。


「…あの、それって………」


「さっきの手甲よ、いきなり姿を変えたのよ」


内心驚きながらもジンヤはアイフォンを持ち、スタートと描かれたアイコンを押した。


すると、両腕にゼロが装着された。


「なるほど、そういうことか…」


ジンヤはゼロを解除すると、アヤが真面目に言った。


「ねえ、ジンヤくん。キミはどうするの?サイコアーミーの存在を知り、戦う術を知った。でも、戦う事は命を賭ける事なの、キミは戦うべきではないわ」


「そうかも知れませんね…」


しかし、ジンヤは待機状態のゼロを見て言った。


「でも、奴等について知り、奴等も僕を知った。なら、戦うしかないだろ…」


その言葉にアヤはため息をして言った。


「………分かったわ、戦いの訓練はするけど今日は一度、家に帰るべきよ」


「分かりました、それでは失礼します」


そう言うと、ジンヤは取調室から出た。


そして、歩いているとある部屋を見た。


その部屋は…


『どんなに悪い人でもハートをドッキューンしちゃうよ♪何故なら私は♪』


「「「マジカル、ラジカル、すみれちゃーん!」」」


その部屋には頭に角が男性達が何やらテレビアニメ『マジカル☆ラジカルすみれ』を見ていた。


扉には鬼の部屋と描かれていた。


「………」


ジンヤは何も見なかったように去った。


そして、翌日…


ジンヤは平凡たいらぼん高校の校舎の屋上に居た。


だが決して、のんびりしたい為では無い。


何故なら…


「ジンちゃん~何処だ~い?」


「ジンヤさん、わたくしとお茶しませんか~?」


「ジンヤくん、ハァハァ…ハァハァ…」


理沙、アリス、雪奈がジンヤを探していた。


3人は猫なで声で言っているので、ジンヤは思いっきり警戒していた。


(思いっきり、ヤる気だ…)


そう思っていると、そこにスーツの上から白衣を着たアヤが来た。


「ねえ、どうしたの?」


「あ、八条先生。実は…」


雪奈がアヤに今の状況を説明するとアヤは一瞬だが肉食動物みたいな笑みを浮かべた。


「ジンヤくんは…あそこに居るわよ」


「「「!」」」


「!」


アヤの一言で3人はジンヤを見つけ、ジンヤは3人に見つかった。


ジンヤは逃げようと後ろに下がるが後ろには壁が…


「ジンちゃ~ん、俺とプロレスごっこしようぜ~」


「ジンヤさん♪お茶しましょうね~」


「ハァ…ハァハァ……ジンヤくん」


「あら、先生も混ざるわよ…」


そして、4人はジンヤに飛び掛った。


その時、ジンヤは…


(拝啓、お父様、お母様、お兄様、お姉様。この先立つ愚弟をお許しください…)


心の中で辞世の句を読んでいた。


そして…


「フニャァァァァァァァァァァ!!」


平凡たいらぼん高校で猫みたいな絶叫が響いた。


そして、ジンヤは残りの授業を欠席した…



こんな駄文を読んでくれてありがとうございます。

一応イメージCVこと妄想です。


神崎ジンヤ CV:保志総一朗


神崎ラウ CV:鳥海浩輔


花那咲理沙 CV:浅野真澄


宝上院アリス CV:ゆかな


新月雪奈 CV:水橋かおり


歩素山理事長 CV:若本規夫


神崎ルミ CV:植田佳奈


八条アヤ CV:久川綾


こんなもんですかね…


それではまたどこかでお会いしましょう!



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― 新着の感想 ―
[一言] おもしろいです!
[良い点] 面白いです!! [一言] ギアル様、更新お疲れ様です。 こんばんは、ベルトです。 設定が良いです。 敵も味方も、すっごく愉快なキャラクターたちでしたね。笑えました。 戦闘描写も派手…
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