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エルダ編 2


●エルダ城 謁見の間


エルダ王、ライルの玉座の前に跪くエンディ。

ライル王「久しいな。エンディ皇子。驚いたよ。君が守護者に選ばれるなんて」

エンディ「私自身、戸惑っている所もあるのですが…今だ、各国で魔神の影響と思われる事件が後を絶ちません…後顧の憂えを絶つ為、父祖の悲願でもあった魔神の討伐を成すことは我にかせられた宿命と考えています」

ライル王「そうだな……」

 沈んだ顔をするエルダ王。

エンディ「アレは…私の責任です…私が至らなかったばかりに」

 悲痛な面持ちのエンディ

ライル王「言うなよ…君はまだ子供だった。何より君を勝手に連れ出し、危険にさらしたあの子の非礼こそを、私はデュラス王に詫びねばなるまい」

 悲しみを滲ませるライル王。

 エンディは頭を垂れ、床を見ながら、

エンディ(リアナ…君はどうして…)


●エルダ 街の入り口


エンディ「行くよ」

 荷物を担ぎ、エリスに促すエンディ。腑に落ちない感じのエリス

エリス「あの、今から向かう遺跡で何かあったのですか。昨日のシオン様の様子はあまりにも…」

エンディ「そうか、あの時エリスは静養中だったから同行しなかったんだよね」

 エンディは目を細め、思いふけるように、空を見上げる。燦々と輝く太陽をまぶしそうに見る。

エンディ「あの日は曇っていて…今にも雨が降りそうな…そんな天気だった…」

エンディ「もう…七年になるか」


●エルダ城 シオンの寝室


 ベットに仰向けに寝転がり、フカフカの枕に顔を埋めている。

シオン「お姉様…」


●回想 シオンの姉、リアナの回想 七年前


シオンモノローグ「お姉様は強く美しく、何により優しく。私にとっては全てを照らす太陽のような方だった」

 新鋭隊長と剣を交えるリアナ。鍔迫り合い…、切り返しの一瞬を制し、相手ののど元に木刀を突きつけるリアナ。

シオン「凄いです。お姉様。これ」

 姉に尊敬のまなざしを向け駆け寄り、タオルを渡すシオン。

リアナ「ありがとうシオン」

 笑顔でそれを受け取り、シオンの頭を撫でてやる。


シオンモノローグ「尊敬するお姉様。私の自慢のお姉様」

シオンモノローグ「だけどっ」


リアナ「エンディ」

 姿を現したエンディの元に他には見せない、うれしそうな顔で駆け寄るリアナ。

シオン「あっ」

 仲むつまじく話しをする二人。それを呆然と見るシオン。


シオンモノローグ「心の片隅では嫉ましくも思っていた」


シオンモノローグ「そんな事を思う自分大嫌い」


離れた場所から、シオンを呼ぶリアナ。シオンは愛想笑いを浮かべ近づく。


シオンモノローグ「お姉様の影でしか…いや、影ですらない。お姉様(お日様)を煩わせる(雲)邪魔者でしかない私」

シオンモノローグ「そう思うと、空しくて…怖くて」


 そして思い出す、あの日の事を…

リアナ「ねぇ、シオン。エンディの事どう思ってる」

シオン「私は…別に…なんとも」

リアナ「私はエンディが好き。大好き」

シオン「っ」


 そう……私は…


 昔を思い出し、涙を流すシオン

シオン「私は…卑怯だ…」

 そのとき、シオンは身に激しい倦怠感を感じる。

シオン「あ…れ…」

ミランダ「貴方が思い悩む必要など無いのですよ」

 突然現れたミランダ。シオンの耳元に優しくささやく。

ミランダ「眠りなさい」

シオン「ミラ…ん…だ」

 そのまま、シオンは意識を失う。




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