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機械兵士の晩餐

「私に…、私に戻れ…と言うのか」


闇の中で声が響いた。


「…きて、起きて」「シウちゃん!起きて…、」


目を覚ました魔人シウはその緑色の瞳を緑色の髪の毛を乱れさせながら動かした。

若干二十二歳程に見えるこの、大男は、目前の少女に目を向けた。


「セレーネ」

シウが言って更に少女の後ろに居る少年に目を向けた。


「ルシア…、」


ルシアは言う。


「シウの兄貴!ムシンさんが居なくなってから二十年経ったんだよ!それで、ダルカがすきをみて責めてきて…」


ルシアが言う通り…、


かつて魔法族【刀を使う支配的な一族】が齎した平和が仮初めの、平和である、事に成っていた。


支配船団ダルカの船団が、魔法族が植民地にしていた宇宙民族の、それでも魔法族に守られながら平和に暮らしていた人々の、命を只の障壁として虐殺した。


それは十年前、魔人ムシンが居なくなってからたったの十年後に始まった。


しかし、それをシウに言っても仕方がないだろう。


シウは確かにかつて【魔化学により機械兵士の身体を預かった事が有った】

しかしその代償として人々を守れる変わりに、彼は性の機能を失った。


しかし生まれ変わった瞬間それは終わっていた。

シウは生身に戻り三十年の余生を送っていた。


シウは考え込んだ。

実は一度機械兵士に成ると、次までには千年の時が必要になる、


ルシアとセレーネを守る事は、今のシウには【魔人シウ】に成る事は無理、不可能だった…。


「シウちゃんにお客さんが来てるの…」


セレーネが言ってシウは謎に満ちた表情で、家の外に出た。


そこには大したイケメンのお兄さんが居た。


「ク、クロム…君」


「…生まれ変わったんだ、ヒュームガダルとローレンス・ブラウは冥界に旅立ってしまったが」


影の魔王、彼クロムがそうである、しかしそれは苦痛によるトラウマを負っていたからであり、今のクロムに力は無い


クロムがシウに頼む、


「…俺にトラウマをくれ、」


!!?


シウの瞳に怒りと悲しみが確かに宿った!


シウが言う。


「バカヤロー!自分が何を言ってるか解っているのか…」


セレーネがシウがクロムを本気で殴る事を止めた。しかし


バキ!


シウは強烈な蹴りをクロムに食らわせた。

「そんな、そんな事は許されない!」


しかし、セレーネが言う。


「シウちゃん、酷い事しないで、昔クロムさんが守っていた【人々】が今どう成ってる?」


シウはとたんに全てが解ったかのような表情になり、


「解った…」


右腕をクロムに翳した。


「発狂まではいかないようにしてやる」


「クロム、いや、【王ぎみ】殴ってごめんな…」


コオオォ…シウの右腕から魔力が流れ出した。


「いっ!!てぇえ!??」


誰でもそうなる、やはり藻掻き苦しんだ!


そして…そして十秒後…、


「魔人シウ…、貴様…」


そこには影の魔王が立ってた…。

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