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巨大女戦士の冒険  作者: ranranslime
最終章 終極の根
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71 決着、召喚の終焉 (挿絵あり)

召喚士の瞳が、真紅に染まった。


魔力の奔流が空間を軋ませる。

床を伝い、壁を這い、天井から魔法陣が反転して浮かび上がる。


「……世界そのものを呪う魔術――お前たちに止められるものか……!」


召喚士の周囲に、無数の紋章が浮かび始めた。

それはかつて見たどの魔法とも違い、命を燃料に構築された“終末の構式”だった。


「リアーネ、下がって!」


カイが叫ぶが、彼女は動じない。


「……これは、私が止める」


その声は静かで、確かな意思に満ちていた。


召喚士が指を鳴らす。


「滅びろ、巨人め……ッ!!」


爆音。

足元から炎の柱が噴き上がり、空間全体を焦がす。


だが――


「甘いわ」


リアーネの掌が、空間そのものを払い落とすように振るわれた。

炎の柱ごと空気が巻き返され、逆流の衝撃が召喚士を揺るがす。


「な……っ!?」


リアーネは、右腕をゆっくりと引いた。


「終わりよ」


地面を踏み込み、右拳を前に突き出す。


ズゥゥゥンッ!!


全魔法陣が共鳴し、光を弾けさせて砕け散った。

拳が空間を裂き、召喚士の防御魔法を貫通する。


「が……ッあああああああっ!!」


召喚士の身体が吹き飛び、光に包まれて消えた。

床の核装置が砕け、魔力の奔流が止まる。

空間が、静かになった。


「……やった……のか……?」


カイが立ち上がり、息を荒げたまま剣を支える。

仲間たちも、残された力で体を起こす。


だがそのとき――


グラリ、と空間が傾いた。


「……まずい! 魔力の支柱が崩れてる!」


ミレナが警告の声を上げる。

天井にヒビが走り、黒い破片が次々と落ちてくる。


リアーネは、ためらわなかった。


無言のまま、両手両膝を地に突き、大きく身を沈める。


その巨体が、仲間たちの真上に覆い被さるようにして、崩れてくる瓦礫のすべてを受け止めた。


「リアーネ……!」


「大丈夫よ、カイ。私がいる」


肩と腕で崩れかけた天井を支え、広い背中で光を遮りながら、

彼女はまるで壁のように仲間たちを守っていた。


上では岩が砕け、魔力の余波が空間を揺らし続けている。

だがその下、リアーネの影の中だけは、穏やかだった。


カイは拳を握る。


「……ありがとう。必ず、生きて出よう」


震動は続いていた。

だがその下で、仲間たちはひとときの安堵に包まれていた。


――巨大な背が、崩れゆく世界を食い止めていた。

イメージ図

挿絵(By みてみん)

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