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巨大女戦士の冒険  作者: ranranslime
最終章 終極の根
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67 地下の中枢へ

「……なんだ、今の揺れ……?」


足元から伝わる、重く響く震動。

岩盤が鈍く脈打ち、壁の土くれが風もないのにわずかに舞い上がった。


「リアーネさんだ」

リュカが天井を見上げたまま呟く。「この深さでも分かる……あの地響きは、彼女の足音だ」


「つまり、地上も既に戦場ってことか……」ゾルドが呟いた。


「それだけ“今”動かないといけない状況ってことよ」ミレナの声は鋭い。


「……時間がない。進もう」カイが短く言って前に出る。



突入から小一時間。

地下通路は複雑に分岐し、まるで計画された軍事施設のような整然とした構造をしていた。

床には魔力を吸収・増幅する石材が使われ、壁のあちこちには“古代式魔力中継陣”が埋め込まれている。


「自然洞窟じゃない。これは完全に“設計された空間”よ」ミレナが断言する。


「設計って……誰がこんな……」マリナが呆れ声を漏らす。


「まだ見えていない“意思”がある。召喚陣を設置し、維持している元凶が……」


その時、通路奥から複数の気配。


「前方、敵多数! 盾、構えろ!」

ゾルドの怒号と共に全員が陣形を取り、ドーガが最前列に出た。


現れたのは、全身に黒い紋様を刻んだゴブリンの魔導兵たち。目は光を宿さず、機械のように規律正しく前進してくる。


「魔力駆動式か……制御されてる。連携呪文に注意して!」ミレナが叫ぶ。


「俺が前に出る。来いよ、偽物の兵隊ども」

ドーガが大剣を肩に担ぎ、低く構えた。


次の瞬間、魔導兵たちが詠唱を揃え、数十の火矢と氷槍が飛ぶ。


「盾ごと焼き尽くすつもりか……なら!」

ドーガが前方へ駆け、剣を地に突き立てた。


「大地よ、吼えろッ!」


大剣を媒介にした衝撃波が地面を走り、前衛の魔導兵を数体吹き飛ばす。火矢は軌道を逸れ、氷槍はその衝撃で空中分解した。


「突撃! 戦線、崩すぞ!」カイが指示を飛ばす。


「ヒール班、後方固定! 魔力感知符、全開で!」

ミレナの声に合わせて支援部隊が布陣。


だが、敵の後衛が詠唱を開始する。呪紋が浮かび、紫色の光が連鎖する。


「くる……! 規模が違う……っ!」


ミレナが魔導書を開き、腕を突き出す。


「転写式、詠唱展開――反射魔法、構築!」


彼女の周囲に淡い銀の魔法陣が三重に展開され、飛来する闇弾をすべて受け止めて弾いた。


「これ以上は、突破力で押し切るわよ!」

ミレナの声が響いた直後、カイが叫ぶ。


「この先に“核”があるはずだ! 道を開け!」


「雷光閃破――!」

ミレナが魔力を凝縮させて放った雷撃が、敵陣を縦に貫いた。


その一閃が空間を焦がし、魔導兵の詠唱陣をまとめて吹き飛ばす。


「今だ、全隊、突入!」


仲間たちが一斉に走り抜ける。その先、石で組まれた円形の広間があった。


天井は高く、中央には巨大な魔法陣。

その中心にあったのは――


「……魔力供給核……!」

ミレナが息を呑む。


直径数メートルの結晶体が、地脈から吸い上げた魔力を脈動させながら放出していた。


「これは……召喚術の中枢。地上の神殿と同期してる!」


直後、天井がわずかに鳴る。


ズゥゥゥン……ッ!!


リアーネの戦闘の余波だ。彼女がこの空間ごと包んで支えているような、そんな錯覚を覚えるほどの振動。


「頼れる背中があるなら……俺たちの刃は、前に伸びるだけだ!」

カイが剣を掲げる。


「行くぞ! “根”を、断て!!」

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