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深淵の探究者(アビス・ハンター)~稀代の錬金術士は深淵を覗きこむようです~  作者: 波 七海
第四章 宿星と夢の終わり

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56話 古代の神々

是非読んでみてください!

毎日更新中です。

 白い空間は崩壊し、消滅していた。


 そこには、ヨシュア、ミレーユ、ファル、ニャル、ダタイ、レガルド、スキッドロアが顔を並べて、倒れ伏すレティシアに心配そうな視線を送っていた。


「しかし、どうなったんですかねぇ……」


 神人しんじんレガルドが呑気そうな声で言った。


「恐らく、破戒神はかいしん……いえ、古代神こだいしんダイナクラウン様の一部が《破戒の種(シードオブクリミナス)》とお嬢さんの肉体を憑代にして降臨したのでしょう。異空間の外から感じ取った限りでは……ですが」


 スキッドロアが推測の言葉を口にした。


古代神こだいしんだと!?」


 ヨシュアが驚愕に満ちた声を上げてスキッドロアの顔を凝視する。


古代神こだいしん? あのダイナクラウンが? 何故、レティシアさんに?」

「私が彼女に与えた《破戒の種(シードオブクリミナス)》が作用したと思われます。お嬢さんの魂の中で、三柱の古代神の力が揃ったのですよ」


 スキッドロアは、レガルドに主神であるダイナクラウンを呼び捨てにされ、思うところがあったのか、少しムッとしながらも丁寧な口調で説明する。


「ちょっと待ってッ!? 古代神こだいしんって三柱も存在するのッ!?」


 意識を取り戻したミレーユも驚きを隠せない。


「その通りです。そもそも世界に広まっている神話は捏造されたものなのですよ。元々、混沌から生まれたのは、今で言うところの古代神こだいしん魔帝まてい破戒神はかいしんの三柱のいにしえの神々です。それぞれは、善も悪も、そして光も闇も関係ない。古代神こだいしんが光と善を、魔帝まていが闇と悪を司るなど単なる刷り込みに過ぎないのですよ」


「本当なんですか? 僕からしたらその話も眉唾ものなんですが……」


「所詮、あなたは神人しんじんだと言うことでしょう。私は古代神こだいしんであり、破戒神はかいしんであるダイナクラウン様に仕える神の使徒、つまり破人はじんです。我が神からだいたいのことは聞いております」


「彼女の中に感じた力の正体は忌力きりょく……いや破力はりょくだったんですか……」

「あん? 忌力きりょく破力はりょくって同じものなのか?」


「その通りです。まぁ立場から来る呼び名の違いですよ」

「ん? となるとレティシアさんが放った最後の術はどうなんです?」


「あれも不完全な解釈かと。あれはロギアジークとマーテルディアの二柱が古代神こだいしんだと定義されたものでしたし」


 今度は主神を呼び捨てにされたレガルドの表情が変わった。にこやかな笑みの中に穏やかではない色をにじませている。


「なるほど……。となると、レティシアさんはより強力な命術めいじゅつを行使できる可能性を秘めていると言う訳ですね」


 その時、レティシアからあでやかな声が漏れる。


『レティシアッ!』


「マスター!」


「レティ姉ちゃん!」


 その声にヨシュアとミレーユが、そしてファルとニャルが、レティシアに向かって心配の声を掛ける。レティシアは、倒れたまま伸びをすると、ガバッと上半身を起こした。



「あれ? あたしどうしてた? 何かやっちゃった?」



 レッドベリルを滅ぼした前後の記憶がなく、寝ぼけたことを口走るレティシアにミレーユとファル、ニャルが抱きついた。ヨシュアもその頭をガシガシと乱暴に撫でる。


「ちょッ! 何よ!? 何なのよ!? 説明してってば!」

「やったなッ! おいッ!」


 ヨシュアがレティシアの背中をバンバンと叩く。


「レティシア~!」


 ミレーユは抱きついたまま大泣きし始める。

 彼女の取り乱し様を見て、レティシアは返って落ち着きを取り戻した。

お読み頂きありがとうございます!

今後も頑張って参りますのでブックマークや評価★5をよろしくお願いします。

評価は【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして頂けると嬉しいです。

モチベーションも上がりますので是非!

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