56話 古代の神々
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白い空間は崩壊し、消滅していた。
そこには、ヨシュア、ミレーユ、ファル、ニャル、ダタイ、レガルド、スキッドロアが顔を並べて、倒れ伏すレティシアに心配そうな視線を送っていた。
「しかし、どうなったんですかねぇ……」
神人レガルドが呑気そうな声で言った。
「恐らく、破戒神……いえ、古代神ダイナクラウン様の一部が《破戒の種》とお嬢さんの肉体を憑代にして降臨したのでしょう。異空間の外から感じ取った限りでは……ですが」
スキッドロアが推測の言葉を口にした。
「古代神だと!?」
ヨシュアが驚愕に満ちた声を上げてスキッドロアの顔を凝視する。
「古代神? あのダイナクラウンが? 何故、レティシアさんに?」
「私が彼女に与えた《破戒の種》が作用したと思われます。お嬢さんの魂の中で、三柱の古代神の力が揃ったのですよ」
スキッドロアは、レガルドに主神であるダイナクラウンを呼び捨てにされ、思うところがあったのか、少しムッとしながらも丁寧な口調で説明する。
「ちょっと待ってッ!? 古代神って三柱も存在するのッ!?」
意識を取り戻したミレーユも驚きを隠せない。
「その通りです。そもそも世界に広まっている神話は捏造されたものなのですよ。元々、混沌から生まれたのは、今で言うところの古代神、魔帝、破戒神の三柱の古の神々です。それぞれは、善も悪も、そして光も闇も関係ない。古代神が光と善を、魔帝が闇と悪を司るなど単なる刷り込みに過ぎないのですよ」
「本当なんですか? 僕からしたらその話も眉唾ものなんですが……」
「所詮、あなたは神人だと言うことでしょう。私は古代神であり、破戒神であるダイナクラウン様に仕える神の使徒、つまり破人です。我が神からだいたいのことは聞いております」
「彼女の中に感じた力の正体は忌力……いや破力だったんですか……」
「あん? 忌力と破力って同じものなのか?」
「その通りです。まぁ立場から来る呼び名の違いですよ」
「ん? となるとレティシアさんが放った最後の術はどうなんです?」
「あれも不完全な解釈かと。あれはロギアジークとマーテルディアの二柱が古代神だと定義されたものでしたし」
今度は主神を呼び捨てにされたレガルドの表情が変わった。にこやかな笑みの中に穏やかではない色をにじませている。
「なるほど……。となると、レティシアさんはより強力な命術を行使できる可能性を秘めていると言う訳ですね」
その時、レティシアから艶やかな声が漏れる。
『レティシアッ!』
「マスター!」
「レティ姉ちゃん!」
その声にヨシュアとミレーユが、そしてファルとニャルが、レティシアに向かって心配の声を掛ける。レティシアは、倒れたまま伸びをすると、ガバッと上半身を起こした。
「あれ? あたしどうしてた? 何かやっちゃった?」
レッドベリルを滅ぼした前後の記憶がなく、寝ぼけたことを口走るレティシアにミレーユとファル、ニャルが抱きついた。ヨシュアもその頭をガシガシと乱暴に撫でる。
「ちょッ! 何よ!? 何なのよ!? 説明してってば!」
「やったなッ! おいッ!」
ヨシュアがレティシアの背中をバンバンと叩く。
「レティシア~!」
ミレーユは抱きついたまま大泣きし始める。
彼女の取り乱し様を見て、レティシアは返って落ち着きを取り戻した。
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