55話 神殺し
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「制御しただとッ!?」
「……」
レッドベリルの驚愕に満ちた言葉にもレティシアは目を閉じたまま反応を示さない。
「……制御したことは褒めてやる。今の貴様に俺の攻撃は通じないだろう……。外からはな。しかし、貴様の精神に直接攻撃できるとしたらどうかな?」
「……」
「チッ! ダンマリとは余裕だな……。まぁいい。覚えはないか? お前の魂には《災厄の種》が宿っていることに」
「……」
「その種に俺が少し力を送れば、術の均衡は破れ、貴様は制御を失って死ぬ」
「……」
「貴様が術を発動しようとしても無駄だ。俺の方が速い……。せっかくの稀有な能力を失うのは痛いが、俺とて無駄死にする訳にもいかん。それに神をも滅ぼす可能性のある術を操る人間を自由にさせておく訳にもいかんのでな」
レッドベリルは、何を言っても沈黙を保つレティシアに怒りを爆発させる。
「古代人如きが俺を無視するなぁぁぁッ!」
その怒りの咆哮と共にレッドベリルはレティシアの体内に宿る《災厄の種》に神星力を送り込んだ。それはレティシアの魂の中で《災厄の種》に干渉すると、魔力が溢れ出して荒れ狂った。《星々の加護》と《災厄の種》がお互いの力を打ち消さんと衝突する。
それに耐えきれずレティシアの魂は消滅し、『未知なる記憶』も虚空へと消えた。
――
「な……何が起きたぁぁぁぁぁッ!?」
レッドベリルの目は信じられないものを見たかのように大きく見開かれていた。
確かに神星力は、魔力と衝突し、均衡を失ったレティシアの精神は崩壊した。
結果、ギリギリのところで制御されていた命術は暴走する――はずだった。
しかし、現実はどうだ。レッドベリルは混乱する。
その目は、平然と白の大地に立つ人物に向けられていた。
その人物とは――レティシア・ナミ・フォルトゥーナ。
『創造』の力を持つ破戒神であった。
『ロギアジークの下っ端如きが、図に乗りおって』
ようやく発せられた言葉に、増々混乱し取り乱すレッドベリル。理解が追いつかないのだ。
【神々双極】
レティシアの言葉に制御されていた命術が発動する。
雷光の杖により増幅された神聖なる光がレッドベリルの肉体を討ち、精神に迫る。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
レッドベリルは、ひたすら畏れ、滅びゆく肉体を捨てて、精神体のみで逃げ惑っていた。
『そう言えば貴様は神殺しの武器にこだわっていたな』
普段は見せないような余裕の笑みを見せていたレティシアの表情が更なる喜色に染まる。
レティシアはそう言うと、『完全なる記憶』の能力を発動した。究極と言える命術を連発したにもかかわらず、『完全なる記憶』から膨大な命力が溢れ出す。
そしてレティシアがポツリと呟いた。
【滅神剣創造】
レティシアの手に無からひと振りの長剣が創造される。
それはまさしく神殺しの剣であった。
レティシアはそれを握りしめ、白い空間を逃げ続けるレッドベリルの精神体の下へ一瞬で移動すると、そっとそれを振り下ろした。
「ッッッッ!」
レッドベリルは、断末魔の悲鳴を上げることすらできずに薙ぎ斬られて消滅した。
望み通り、神殺しの剣によって。
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