33話 誓約
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レティシアが鎧病治療薬をヨシュアに服用させてから三日。
十の鐘が鳴り、いつも通り喫茶店を開けて看板をひっくり返すと、後ろから声を掛けられた。聞き覚えのある声であった。レティシアが後ろを振り返ると、そこには満面の笑みを湛えて手を振るヨシュアの姿があった。
「お久しぶりね」
「おう。ことの顛末はマクガフ先生から聞いた。お陰で助かったよ」
「そ、感謝するならコーヒーの一杯くらい飲んで行きなさいな」
この男といると調子が狂う。しかも今日はやけに素直に感謝の言葉を口にしている。レティシアはそんな思いを悟らせないように踵を返すと店内へ入ろうとした。
そこへ張りのある朗々とした声が朝のドラゴンテイルに響き渡った。
「我は誓わん。我、ヨシュア・アグスティは、命の恩人であるレティシア殿に降りかかる艱難辛苦から何があろうと御身を護り通すことを!」
レティシアが再度、振り向くと、そこには剣を差し出す格好をしたヨシュアがいた。
「ガラじゃないわね。一体どこの騎士様かしら?」
レティシアは、恥ずかしさから顔を背ける。この時間帯は人の数も増えてくる頃なのだ。
「こう言う時は素直に受けておけ」
「あたしはあたしにできることをやっただけ……。まぁでもそこまで言うのなら考えないでもないわね」
そっぽを向いて、声がどんどん小さくなっていくレティシアの様子に、ヨシュアは苦笑いを隠せない。
「……許す」
「拝命した」
斯くして、唐突に始まった儀式は終了した。レティシアは、髪をなびかせて勢いよく回れ右をすると、そっけなく言った。
「はい終わり。さっさと中に入りなさいな」
「おう。快気祝いに何か美味いもんでも食わせてくれよ」
「はいはい。ケレノルクッキーでいいわね?」
「まだ、それしかねぇのかよ。いい加減レパートリー増やせよ」
「うっさいわね。誰かさんと違ってこっちは忙しいのよ」
「分かった分かった」
ヨシュアの笑い声が響く中、レティシアは憎まれ口を叩きながらドラゴンテイルへと入って行った。その頬は赤く染まっていたが、レティシアは全く気付いていなかった。
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