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深淵の探究者(アビス・ハンター)~稀代の錬金術士は深淵を覗きこむようです~  作者: 波 七海
第二章 鎧病の謎

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29話 撃退

是非読んでみてください!

毎日更新中です。

 グランデリアと同時にレティシアも魔力を練り始める。ものが散乱した工房内で戦うのは動きにくくてしょうがない。レティシアがそう考えていると、ファルの先制攻撃がグランデリアに迫る。放たれた闇の礫から軽やかな動きで身をかわすと、グランデリアはファルへ躍りかかった。まずはファルから排除するつもりなのだろう。しかし、ファルは宙に浮いたまま、その場を動かずにグランデリアの魔力を込めた右拳を弾いたかと思うと、両手の鉤爪で逆襲を図る。


「チッ!」


 黒い霧状へと体を変化させてファルの攻撃から逃れると、再び実体化するグランデリア。その場所は工房の外だ。


「ナイスッ! ファルッ!」


 魔力を練り終わっていたレティシアが魔術を発動する。


火炎熱波エムドラド


 渦上の火炎がグランデリアに向かって伸びていく。が、またもや体を霧状に変化させて魔術から逃れるヴァンパイア。そして少し離れた場所で実体化を始めた。


【ファッ!】


 そこへ、ファルが狙ったかのように口から虚無の波動を解放する。


「ぐああああああ!」


 流石に避けきれなかったようで、虚無の波動を浴びたグランデリアから絶叫が漏れる。


「やかましいッ! 【天地神命ラギド】」


 そこへ更にレティシアが放った魔術――光の槍がグランデリアの腹を貫いた。


「うがあああああああ!」


 再び、グランデリアが悲鳴を上げる。

 体の一部を塵のようにしながらもグランデリアは踏みとどまる。

 やはり病弱な訳はなかった。当たり前だ。


「小娘がッ! 殺す!」


鮮血ノ赤(ラ・クリムゾン)


 グランデリアの言葉に呼応して空間が裂ける。

 それは血塗られた真っ赤な眼であった。

 そしてそれが力を解放する。


 ジャッ!!


 その眼から発せられた光線がレティシアの足下を薙ぎ払った。

 それを何とか躱すレティシア。

 しかし、鮮血の眼は攻撃を止めない。

 次はカッとその眼を見開くと、レティシアを睨みつける。


「なッ……動けないッ!」


 光線を躱すのに精一杯で、睨みから逃れられなかったレティシアの体は、石像のように固まり動けない。


「マスターッ!」


 動けないレティシアにトドメを刺そうと飛び掛かるグランデリアとの間にファルが割って入る。


【ファッ!】


「チッ……」


 流石に虚無の波動を再び喰らう気はなかったのか、グランデリアは空中で急制動をかけた。

 それを見てファルは赤い眼を排除しようと虚無の波動を連発する。


 その波動が赤い眼に肉薄した瞬間、それはまたもや目を大きく見開いた。


 バチバチバチバチッ


「無駄よッ! その赤い瞳はいと高き方の瞳ッ! そう簡単にやれなくてよ?」


 ファルの放った虚無の波動と赤い眼が放った波動は見事に相殺され、力の余波が周囲に撒き散らされる。

 グランデリアは驚愕に染まるファルの顔を見て高笑いを上げた。


命冥先尖スキッドニル


 その余裕ぶった高笑いが悲鳴に変わる。

 レティシアの放った命術めいじゅつがグランデリアの背中に突き刺さったのだ。


「ぐがあああッ! カッ……小賢しいッ!」


 苛立って振りかざしたグランデリアの左手から白い閃光がほとばしる。

 魔力の奔流である。

 束縛から逃れたレティシアは大きく後ろに跳んでそれを何とか躱しきる。 


「あぶなッ……ファルッ同時に仕掛けるわよッ!」

「アイサー!」


 レティシアの声を合図にファルが漆黒の矢を放つ。

 呼吸を合わせて魔術を発動するレティシア。


退魔明滅アルファレイド


 夜なのに日中のような明るさが暗闇を駆逐する。

 全方位への攻撃なのでグランデリアはかわす事ができない。

 そしてそこへファルの漆黒の矢が肉迫する。


「ガァァァァァァァ!!」


 その体は塵のようになり、闇夜に消えて行った。


「まったく……夜中に近所迷惑なのよ」


 レティシアは、風に溶け消えて行く塵を見ながらそっと呟いた。


「逃がしちゃったみたいだけどいいのー? 多分まだ死んでないよー?」

「いいのよ。むしろ、死んでもらっちゃ困るわ……」


 ファルの疑問の声にレティシアはどっと疲れた声で応えた。

 それにしても、庭の木に火が燃え移るわ、騒ぎを聞きつけて近所の人たちが集まってくるわで散々な夜となった。


 もちろん後で彼らに謝り倒したのは言うまでもない。

お読み頂きありがとうございます!

今後も頑張って参りますのでブックマークや評価★5をよろしくお願いします。

評価は【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして頂けると嬉しいです。

モチベーションも上がりますので是非!

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