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はぐれ三人  作者: agdpm0w
第九話 人工天使
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2

塔の内部はいくつもの照明で明るかった。入ってすぐの大広間で、長い衣をまとった大勢の男女に出迎えられる。

広場の奥には階段があり、上った先の扉には厚い幕がかかっていた。


眼鏡の男が一歩進み出た。

「ようこそおいでくださいました。ここにいるのは皆、女王様にお仕えする神官でございます。私は彼らの長です」

彼は、真剣な面持ちで三人を階段の前に導いた。


「…あの、我々はどうして呼ばれたんでしょうか」

「それは、女王陛下が自ら説明したいとの仰せです」

長は垂れ幕を指差す。

「この幕の向こうに女王陛下がおいでです。早速ではありますが、こちらにむかってご自身の素性をお話しくださるよう、お願いします。一切の嘘は通用しないと心得てください」


「こんばんは」

「……こんばんは、女王陛下。自己紹介をします。」

まず、とハイネは赤ん坊を正面向きに抱き直した。

「この赤ん坊は天使です。名前はありません。死者の魂を導く力を持っています」

幕の向こう側からの返事はない。赤ん坊は小さく頭を垂れる。

神官たちがどよめいた。

「天使だって!」

「赤子の天使様とは初耳だ」

「天使をこの目で見られるなんて」

「やはり救世主様なのか」


二人は言葉を続けた。

「私の名はスペア。ロボットです。自動で動く機械の人形であります 」

「そして私はハイネ、幽霊です。生前は魔女でしたが、80年ほど前に落命し、今は力の大半を失っております。また、私は生まれつき通常の人間より何倍も大きい目を持っていますが、災いをもたらすものではありません」


今度は、神官たちの間にざわめきが広がった。“ロボット”“幽霊”など、聞いたこともないのだろう。ハイネは、階段の脇にいた神官が、眼を含めた自分の横顔を垣間見たのか、青ざめて息を呑むのに気づいた。


長が階段を登り、幕の向こうに消えたが、すぐに戻ってきて、

「お三方のみ、お入りください」

人々の目線を集めながら、スペア、ハイネ、赤ん坊は垂れ幕をくぐる。


中は広かった。天井が遥か高い。 塔の先端まで吹き抜けになっているのだ。遠くに小さく見える天窓から夜空が覗いている。

すぐに目に飛び込んできたのは祭壇だ。水晶と黄銅で作られた巨大できらびやかな祭壇は、奥の壁と一体化している。

祭壇の前に、豪華な椅子がある。 座っていたのは、赤く広がるドレスを来た人物だった。


「よく来てくれた。わらわが女王である」


その顔を見間違えるはずはない。

椅子から立って歩み寄ってくる女王は、長い足をもち、褐色の肌をしていた。

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