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はぐれ三人  作者: agdpm0w
第九話 人工天使
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1

三人は、馬車の中にいた。


あの後、一も二もなくついていこうとするスペアを止め、ハイネはその場を離れようとした。

しかし、大柄な男は突如、地面に手をつき頭をこすりつけたのだ。

「お願いいたします、あなた様方の存在が頼りなのです。この国をお救いください」

そうするうちに他にも何人かの人間がやってきて、ひざまずき始めた。

「お願いいたします」

「お願いいたします!」

やむなく、行き先と目的、危害を加える意図のないことを確認し、一行は迎えの馬車に乗り込んだのである。

柔らかい椅子を備えた、上等な馬車だった。


「前から言わなきゃと思ってたけど、あんたは人の頼みをすぐに受け入れすぎ」

「よくないことだろうか」

「騙そうとする人もいるから。自分の頭で考えて判断しないといけないよ」

「そうか。気をつけなくては」


「でも、今回はちょっと変だな。急に崇められて、女王様に会ってくれなんて…」

告げられた行き先は飴色の塔。目的は、そこにいるという女王との面会だ。

「女王のことはさっきの説明で大体分かった?」

「ああ。彼女なくしてこの国はないといっていいのだな」

「政治は議会制みたいなんだけどね。なんで我々が呼ばれたんだろう。でも…きっかけはあれだよな、わたしが言った…」


『話すと長いですけど、この子は名前を付けてはいけないことになっていまして』


「ということは」

二人同時に言葉を区切る。視線の先には赤ん坊がいた。


赤ん坊は美しかった。

暗い馬車の中、簡素な衣服に身を包み、それでもなお赤ん坊は美しかった。

小さな耳に小さな手、見た目は人の赤子にも関わらず、生きた人間といった雰囲気がまるでしない。

(人は小さく愛らしいものを愛でるというが…)

スペアはこの国に入るときのことを思い出した。眼下に広がった美しい景色。

(この赤ん坊の美しさはそれに似ている。雄大で感動的で、侵犯することが決して許されない領域にあるような…)


やがて、馬車が止まった。

三人が降りた先に、深紅の絨毯が長く引かれている。その上をたどって後続の馬車から出てきた人々に案内され、塔の内部へと入った。

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