8
スペアが待たせていた二人のもとに戻ると、思わぬ光景が目に入った。
先ほどの花売りがいる。
「お、ちょうど来た。探し物とやらは済んだ?」
「ああ、渡してきた」
「実は、この子が我々の財布を持ってるんです」
「¥&$」
「おや!三人組だったんだね。三本渡さなくちゃならないね」
「?」
自分にも笑いかけてくるグゼに会釈を返しながら、スペアは小さな声で尋ねた。
「彼女と話していたのか」
「○‡・&」
「彼女?」
ハイネはきょとんとした。
「この人男の子だよ?」
「?そうなのか」
「え?気づいてなかったの?」
「いや、スカートは女性がはくものだとばかり」
「いや、男の人がはくこともあるよ」
「そうだっ…」
会話していた3人は、横を見て気がついた。
聞こえていたらしく、グゼが硬直している。顔は蒼白だった。
「………」
「……あれ。言っちゃいけなかった…みたい…な」
「お待ちください!」
突然の声に一斉に振り返ると、声の主はあの娘だった。隣に男が付き添っている。
「や、やはりこのままでは私の気がすみません。指輪を見つけてくださったお礼をさせてください」
胸の前で手を握りしめ、娘が言いつのる。横から、男もスペアに向かってにこにこしながら言った。
「聞いたよ。君が、彼女を助けてくれたんだって? ありがとう。せめてものお礼に、僕たちの結婚式に出席してほしいな。料理をたくさん出して、もてなすよ」
花婿らしい男は、グゼの方に向かっても提案した。
「グゼさんもよかったら式に出てくれないか? 国一の人気者のあなたが出てくれたら、みんな盛り上がるし、僕らにとってもすごく名誉なことだから」




