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はぐれ三人  作者: agdpm0w
第八話 指輪探し
54/61

5

ハイネは赤ん坊を抱いたまま、縁石に腰を掛けた。花売りのグゼが、てきぱきと客をさばいているのが見えた。

グゼの褐色の肌は、この国の他の民に比べて明らかに濃い色をしている。それは単なる日焼けではなく、他国の血を引いていることを思わせた。

どの客にも向けられる、明るい笑顔が遠目にも分かる。愛らしい花売り。たまにその袖を引こうとする若者がいるが、グゼは捕まらない。いずれも蝶のようにひらりとかわしてしまう。


(すごい人気だな、あの人。みんなの憧れの的なんだね……)


また、よく見ると、花売りは一人ではなくなっている。荷車の回りに販売の仕事を手伝っている者たちが現れていた。同じく赤いスカートをはいた、壮年の女性や老婆が多い。やはり皆優しげな笑顔だった。他にも荷車をそばで支えている、やや強面の男性たちもいる。


(あの花はただの花じゃないな、魔法絡みの何か…)


スペアはまだ戻らない。

(あの子は身体中、性能のいい機械でできてるからな~。よくわからん探知機とか発信器とか取り外せる手足とか…だから探し物は得意なんだよな。何回かそれで報酬ももらってたし…何頼まれたか知らんけど、今回も見つけられるかな)


「■-△†」

「え?」


下を向いて考えを巡らせていたハイネの視界で、赤ん坊が何かを指差す。

布の靴をはいた褐色の足。

件のグゼが、いつの間にか目の前に来ていたのだった。

ハイネは慌てて頭巾を強く引っ張り、眼を覆って顔を上げる。

「お姉さん!花はいかが?まだ買ってないでしょう」

「あっ、えーっと……」

言いよどむと、グゼは腰に手を当てて首をかしげた。

「そういえば見ない顔だね。もしかして旅の人?」

「はい、そうです」

「道理で。ここにいる間だけでも、持っておいた方がいいよ。これは浄化の花なんだ」

意外な言葉に手が止まる。

「やっぱり知らないみたいだね。教えてあげるよ」



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